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2015/10/21
【海外映画祭レポート】ヌーボーシネマ映画祭(Festival du Nouveau Cinema)

先日、フェスティバルディレクターの東野がヌーボーシネマ映画祭で審査員を行いました。海外映画祭のレポートを配信いたします。


ヌーボーシネマ映画祭は、ケベック州最大の街、モントリオールで行われる米国アカデミー賞公認国際映画祭(公認は短編部門のみ)です。映画祭ロゴは、「狼」。主催団体は、FNC 。開催期間は、2015年11月07日~11月18日(12日間)

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モントリオールとは、、、

ケベック州最大の街であるモントリオール。人口は約380万人。モントリオール大都市圏の住民の7割弱が第一言語をフランス語とし、フランス語圏の都市としてはパリに次ぐ規模となっています。フランス文化の薫り高い異国的な雰囲気、美食の町、石造りの住宅街、街中にある数多くの教会、パリのメトロに似たゴムタイヤの地下鉄、石畳のヨーロッパ調の旧市街の街並みなどから観光客向けに「北米のパリ」と宣伝される。Joie de vivre(生きる喜び)を信条とするなど、生活や暮らしにもラテン的精神文化を色濃く反映している都会です。

ヌーボーシネマ映画祭は、1971年にClaude Chamberlan氏とDimitri Eipides氏の二人により創設され、今年で44回目を迎える。それまでに映画祭名称変更がいくつかあったが、2004年以降、現在の名称で定着している。毎年、映画祭時期には16万人の映画祭参加者がモントリオールを訪れる。8月に行われるモントリオール国際映画祭とは別の映画祭。

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メインのコンセプトは「楽しむ精神」

NFCは、街のコンセプトでもある「Joie de vivre」(生きる喜び)を信条に、「良い仲間たちと映画を通じてお祭り騒ぎする」精神を大事にしている。12 日間の祭りの中で、アーティストや関係者達はカジュアルな雰囲気で意見交換するとともに映画ファン達も気軽に参加し、みんなとディスカッションできる空間を与えている。NFCでは風変わりな作品からすべてのタイプの映画のためのショーケースとして開催しており、新進気鋭の若手映像作家を排出してきた。過去から参加した映像作家として、Atom Egoyan, Marc-André Forcier, Souleymane Cissé, Zacharias Kunuk, Denis Villeneuve, Guy Maddin, Léa Pool, Jim Jarmusch, Jane Campion, Alfonso Cuaron, Wong Kar-wai, Wim Wenders, Mohsen Makhmalbaf, Raymond Depardonなどがいる。

映画祭の名誉委員には、上記の著名監督のアトム・エゴヤン、レア・プール、ヴィム・ヴェンダースなどが名を連ねている。アトム・エゴヤンは今年の映画祭のコンペにも参加し、ヴェンダース監督も特別ゲストで映画祭のアワードセレモニーに登場した。

Wim Wenders

 

映画祭はメインに長編部門と短編部門に分かれている。短編部門に関しては、「インターナショナル部門」と「国内部門」に分かれ、国内部門は英語圏とケベック圏(仏語)の作品が混ざっている。

今回、短編国内部門の審査員は東野のほかにサンダンス映画祭のショートフィルムプログラマーなど2名(合計3名)。

スクリーニング方法は、基本、規定の映画館まで自分で向かい、スクリーニングを行うというもの。審査会は各部門の審査員チームたちが、カフェ等で打ち合わせするなど自由。僕が担当した短編国内部門の審査員仲間とは最終の審査日以外に、1回、レストラン等で審査会をしました。約30本弱のカナダ作品(英語圏、仏語圏)のみを選考して、この部門の優秀賞1本、独創的な作品に贈られる賞を1本の2本を決めた。追加として審査員特別賞を2作品に与えた。

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【アワードセレモニー】

開催前のレッドカーペットなど、華やかなメディアを意識した露出要素は無し。また、参加者もスポンサー関係者、審査員含めてジーンズにジャケットなどどちらかというとカジュアル。午後6時半開場で7時に街の中心分にある劇場でスタート。

開催冒頭、ステージ上でフェスティバル・ディレクターと創立者のClaude Chamberlan氏よりの挨拶があり、Chamberlan氏は、映画祭名誉委員でもあるヴィム・ヴェンダース監督をステージに招いた。ヴェンダース監督は祝辞を述べた。その後、長編部門の賞の発表があり、基本的に各審査員がステージ上で簡潔に賞を発表し、監督達も一言をもらい、賞状とトロフィーをもらった。短編部門も含め、このセレモニー部分は45分くらいで終了した。東野は、短編国内部門のグランプリ「STAR」(監督:Emillie Mannering)を発表し、その後、クロージング映画として、カナダを代表する映像作家、ガイ・マッデンの「THE FORBIDDEN ROOM」が上映された。かなりアバンギャルドな作品であった。セレモニー後は映画祭開催中、監督達やパーティーなどが開かれていた場所で行なわれワインが出された。

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【感想・まとめ】 

全体的にはこじんまりとした映画祭であった。モントリオールは大都市で、街での映画祭開催のもりあがりがあってよかったです。空港到着後のボランティアの送迎システムは確立されていて、登録している街の高齢者が半分ボランティア的(「半分」というのは一部、支払いが行われているため)に自分の車でゲストを送迎していています。空港から中心部まで30分足らずというのも立地的には良かったです。

そのほか良かった部分としては、映画祭ゲスト(監督、映画祭関係者など含めて)同士などが気軽にお茶できるハブ的な場所があること。この映画祭では、映画祭事務局も含めて開放しているスペースがあり、朝はコーヒー、クロワッサンなど提供しています。夜はバーが出て有料のドリンクが提供されています。大体、打ち合わせ、ミーティングはここになるのでいろんな人との出会いも可能です。

また、映画祭と地元のNPOが主催した「サンローラン通りの映画の歴史」というツアーに参加。これは街の中心分にあるサンローラン通りで20世紀始めに作られた映画館(現在はポルノ映画館)の内装見学からそのとおりにある映画館やカナダ(ケベック映画)の歴史についてガイドと一緒に2時間ほど歩くというもの。サンローラン通りの歴史を知ることができました。

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