いよいよ映画祭も残り僅か! 6月24日 ブリリア ショートショート シアター会場 上映プログラムレポート
2016年06月24日
6月24日のブリリア ショートショート シアターでは4つのプログラムを上映し、国内から3名・海外から1名のゲストにご登壇頂きました。その詳細をレポートしていきます!
アジアインターナショナル&ジャパンプログラム6では3名の監督・プロデューサーがご登壇
本プログラムでは日本、韓国、インドから4作品を上映し、上映終了後には『絵師の報酬』から横山勇人プロデューサー・高野有里監督、また『片想いスパイラル』から原桂之介監督にご登壇頂きました。
横山プロデューサーに『絵師の報酬』の制作背景を伺ったところ、この作品は制作会社メディアプルポの20周年を記念して、当映画祭での上映を狙って制作したとのことです。映画祭にノミネートしなければお客様に見てもらう機会がなかったとのことで、出品してからはハラハラしながら結果通知を待っていたようでした。
『絵師の報酬』というタイトルに込めた意味については、「絵師が得る報酬」と「絵師が与える報酬」のどちらの意味で解釈してもらっても構わず、お客さんに人間の持つ温かみを感じてもらえたら嬉しいと仰っていました。
横山勇人プロデューサー
また本作品には、銭湯絵師や廃業間近の銭湯の主など、中年や老年の登場人物が多い中で、あえて20代のフレッシュな高野有里監督が起用されました。高野監督は本作品が映画監督デビューとなりますが、銭湯絵師等の仕事について情報収集しながら想像を膨らませ、ベテラン俳優の方々の胸を借りるつもりでチャレンジしたと仰っていました。また監督からは「これからどんどん先輩たちを追い抜いて、良い作品を撮っていきたい」という今後の抱負も語っていただきました。お客様から「作品の舞台となった銭湯はどうやって選んだのか?」という質問が挙がったところ、高野監督は脚本が決まった後にイメージに合う場所を全国から探し回り、最終的には京都の実在の銭湯で撮影を行ったということでした。この回答には原監督からも、「理想的な映画作りですね、素晴らしい!」という感嘆の声があがりました。
高野有里監督
続いて『片想いスパイラル』の原監督にお話を伺いました。本作は『全員、片想い』という全8作からなるアンソロジーのうちの1作品で、2016年7月2日から全国で公開されるそうです。本作品では元KARAの知英(ジヨン)さんが性同一性障害の韓国人留学生・ソヨンを演じており、シェアハウスで共に暮らす日本人女性・ユキに片想いをしていきます。
原桂之介監督
原監督は撮影の間、知英さんが役柄に深く入り込んだ姿しか見ていなかったため、本当にかっこいい男性としか思えなかったそうです。しかし撮影終了後に知英さんと会う機会があり、美しい女性としての姿に逆に驚いてしまったとのことでした。またLGBTをテーマに作品を撮ったのは今回が2回目で、前回は女性の心を持つ男性を描いたということです。原監督としては先入観を持たず、登場人物の心の動きと向き合いながら作品を撮るよう心がけたということですが、映画祭の会場で実際にゲイのお客様から感動したという言葉をいただき、本当に嬉しかったと仰っていました。
今回原監督は4回目の登壇で、4回このA&J6プログラムの全作品を観たということですが、見るたびに新しい発見があり、ショートフィルムの魅力に改めて気付いたという嬉しいコメントをいただきました。
チルドレンプログラムでは13本の作品を上映
チルドレンプログラムでは、世界各国から13本の作品を上映し、ノンダイアログのアニメーションを中心にお楽しみいただきました。
CG・アニメプログラム1
CG・アニメプログラム1では、子供だけでなく大人も楽しめる高いクオリティーの作品をお楽しみいただきました。
戦争と“生きる力” プログラム supported by赤十字-2では、インドネシアから監督が来日!
戦争と“生きる力” プログラム supported by赤十字-2では、本映画祭に2回目のノミネートとなるYandy Laurens監督にご登壇いただき、『フレンド』の制作背景を伺いました。
『フレンド』は、同じ村に暮らす二人の老人、ジョコとウィドドを描いたストーリーです。二人はいつもハチャメチャな喧嘩をしており、最悪の仲のようにも見えますが、ウィドドが息子一家と暮らすため都会に引っ越すと、ジョコは途端に寂しくなってしまいます。
Yandy監督はインドネシアの田舎に帰ると、いつも友人たちと口喧嘩になるそうですが、都会に出てくるとそんな関係がとても懐かしく感じられるそうです。本作品では「Love & Hate =憎しみあいながらも、友情で繋がっている二人」を描きたかったということで、自身の故郷での経験が色濃く反映されています。
Yandy Laurens監督
またインドネシアでは子供が都会に出てお金持ちになると、田舎で貧しい生活を送る両親を呼び寄せて一緒に住むのが一般的になっているそうで、インドネシアの方々にとってはとてもリアリティのある状況設定なのだと分かりました。また出演者のキャスティングはジョグジャカルタで行われ、ジョコ役はインドネシアの伝統音楽「ガムラン」の奏者、ウィドド役は高校の演技の先生が務めており、2人ともプロフェッショナルの役者ではないという、制作の裏側もお話しいただきました。
Q&Aの最後に、客席で鑑賞していた本作品のプロデューサーLadyさんも壇上に上がり、「この作品を日本の方々に見ていただけて幸せです、本当にありがとう。」というコメントを頂きました。
Ladyプロデューサー
映画祭もいよいよ6/26で終わりですが、是非最後まで足をお運びください!今後の登壇ゲスト情報はこちら
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