6月11日@横浜ブリリアショートショートシアター
2016年06月11日
今日の横浜の最高気温は27℃! 暑い中、たくさんの方がシアターに足を運んでくださいました。
涼しく快適なシアターで、厳選されたショートを観る。最高です。 さて、今日は冒頭から充実したゲストトークが繰り広げられました。
アジアインターナショナル&ジャパン部門6
スリランカを舞台に、父親とおなじ漁師になることを夢見る男の子を描いた「蟹」のIshani Jayamaha監督とHasanthi Jayamahaプロデューサー。初めて姉妹で手掛けたという作品は、子どもに医者や先生など”いい職業”を目指してほしい親が多いスリランカの現状の中、子どもが自由に夢を持つ大切さを伝えています。
原桂之介監督が手がけた「片思いスパイラル」は、性同一性障害というセンシティブなテーマを扱いながらも、主人公の想いを丁寧に描き、いつの間にか観る側が主人公の友人になったような気持ちになる作品です。一見難しいテーマに見えますが、作品の中の人物についてどれだけ深く考えるかで、そうではなくなると監督は話してくださいました。
Jayamaha姉妹の作品にたいして「とても感動した」と舞台上で話してくださった原監督。トークが終わった後も、作品中の人物への思慮が深いことや、彼らの人生はこれからも続くということを念頭に作品を作っているところなど、3人の共通する理念を語り合っていました。お互いの作品からたくさんの刺激を受けたお三方。作品作りへの想いは、国境を超えます。
インターナショナル部門 3
イギリスに移り住んだアフガニスタン人の女の子とイギリス人の女の子の交流を通して、自分自信の不幸を他人に映し出してしまう恐ろしい人間性と、偏見や人種差別による悲劇を描いた「バルコニー」。Toby Fell-Holden監督は、2011年に卒業制作作品として思いついた作品を、フランス政府の支援をうけて今回ショート作品化することができたということです。会場からは「悲劇以外の結末は考えましたか?」「今後の作品ではどういうテーマがありますか?」などご質問が。
今後は、本作品が高い評価を得たことから、おなじテーマで長編映画を作る予定があるとのこと!これから脚本を書きはじめる段階だということですが、監督の映画が今から楽しみです。
アジアインターナショナル&ジャパン部門4
北京に暮らす女の子が、故郷のウイグル自治区に帰るところから始まる「アナエル」。監督のKunRu Songさんは北京出身で、ウイグル自治区を舞台にしたことについては、多様な中国の文化のひとつを描きたかったいうことです。会場からは、ウイグル自治区の景色がとても美しくかったという声が上がり、どのように撮影を進めたのかというお話がありました。また、制作方法について聞かれた質問に対しては、自分で貯めたお金もつかって撮影に挑んだという裏話もしてくださいました。
「夕暮れの睡眠教室」からは、井上博貴監督(写真左)と主人公のお父さんで催眠術師という一風変わった役どころを演じた草野康太さんにご登壇いただきました。「罪と罰」をテーマにオムニバス形式で作られた作品のひとつで、高校生の淡く幼い恋心から生じてしまう罪とその結末を描いています。
会場からは、草野さんに対して「父親という役よりもお若いと思うのですが、演じる上で何を意識されましたか?」というご質問も。催眠術師という役柄もあり、しっかりとした父親像ではなく、ふんわりとしたイメージで演じられたそうです。
CGアニメーション1
(写真左から)甲子園を目指す高校球児を描いた「初心」の太田杏奈監督、ファンタシーの世界と思いきや…空飛ぶ少年と豚が登場する「ホバート」のHajnalka Harsanyi監督、そしてベトナムを舞台に母親を亡くした女の子が狂っていく「アイスコーヒー」のPerrine Capronプロデューサーにご登壇いただきました。
発想は何から得たのかと会場から質問があった「アイスコーヒー」は、監督がベトナムを訪れた際に街の情景をとても気に入り、実際にあったコーヒー店をモデルにしたいと思ったことから始まったそうです。 また、実写の時は撮影する順番が異なることもありますが、アニメーションの場合はどうなのかというご質問も。Harsanyi監督とCapronさんがともにストーリーの展開順に制作していくというのに対し、太田監督は重要なシーンを先に制作していくとのことで、監督の好みによって違うものなのだな〜ということがわかりました。
アジアインターナショナル&ジャパン部門7
今日最後のご登壇は「うそのせかいのはなし」にご出演の小川ガオさん、辰巳まなさんと赤毛聡さん。そして「超能力少年」のKaiyu Chang監督です。
「うそのせかいのはなし」では、特殊メイクを施した小川さんと辰巳さんは、メイクをするのにも、そして剥がすのにも数時間かかったことを紹介!途中から姿が見えなくなる役の赤毛さんは「風になれ」と監督に言われ、現場では名言となっていたというエピソードを紹介してくださいました。
小さな超能力を持つ少年を描いた監督には、「監督が超能力を手にできるとしたら、少年のように小さな力が欲しいですか?それとも、X-MENのような大きな力?」というものや、「資金があれば、X-MENのような超能力大作を作りたいですか?」という質問が寄せられました。 監督は、「言うまでもなく、大きな力が欲しい!」とのこと。笑 ただ、資金があっても今の作品が気に入っているので、役に立つか分からないほどの超能力を持つ少年の話を作りたいと話してくださいました。実際に、今長編に向けて脚本を書いていらっしゃるとのこと!どのように肉付けされ話が展開されていくのか、楽しみです。
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