cinemaTIC! cinemaTEC!
映画が誕生して120年余り―。エジソンの発明したキネトスコープ、リュミエール兄弟のシネマトグラフ、ジョルジュ・メリエスのトリック映画・・・。写真を動かそうとする試みから始まった「映画」は今日でも進化を続ける娯楽です。今年のSSFF & ASIAのテーマは「cinema TIC! cinema TEC」。映画が誕生してから今日にいたるまでの技術的な発展と映画が紡ぎ出すシネマチックな体験を表現しています。今年、SSFF & ASIAは、「作家性」を軸に、インターネット空間における動画の可能性を模索しながら様々な動画をキュレーションンするVICE PLUS協力のもとコンセプトムービーを製作しました。
世界で最初の有料公開映画とも言われるリュミエール兄弟の『ラ・シオタ駅への列車の到着』を観て、映像というものに初めて接した観客は、スクリーンの向こうからやって来る列車に轢かれると思い、席を立って逃げたと言われています。それから約120年。VRの誕生によって、現代の我々も同様の体験をすることとなりました。時代は変われど、常に人々を驚かせてきた映像の変遷。コンセプトムービーでは、映画史の中でも〈 体 験 〉に焦点をあて、『ラ・シオタ駅への列車の到着』をモチーフに映像体験の今昔を客観映像とVRの主観映像で表現しました。ラストは、2つの世界が交差し、更なるパラレルな虚構の世界を表現し、「古典的な映像表現」から「新しい映像表現」に繋がるストーリー展開となっています。
SSFF & ASIAではドローンやVR、4K映像といった最新技術を駆使した″シネマテック“な映像を紹介するとともに、アンドレイ・タルコフスキーが脚本・出演も兼ねた初監督作品など″シネマチック”な余韻のあるショートフィルムをラインナップしています。ぜひ会場に足を運んで頂き、「ショートフィルム」からさらに広がる映画の進化の息吹を感じとってください。
(ショートショート実行委員会 PRマネージャー 高橋秀幸)