Awards
受賞情報
SSFF & ASIA 2024 各賞の受賞結果
The award results for SSFF & ASIA 2024
ジョージ・ルーカス アワード(グランプリ)
せん
森崎 ウィン
ある田舎の一軒家というワンシチュエーションで繰り広げられる物語ながらその背景から聞こえてくるメッセージ、音楽と役者の見事なパフォーマンス。ショートフィルムらしい圧倒的な構成力で無駄がなく、大変力強い作品。 ミュージカルアクターである監督ならではの演出が光っており、グランプリにふさわしい作品であった。
ライブアクション部門
インターナショナル 優秀賞
ヤマアラシのジレンマ
マテウス・リビンスキー
二人の人間が出会って、化学反応が起こって変わっていく様子が初めから最後までストーリーの流れがよくまとまっていて、キャラクターディベロップメント、ストーリーディベロップメント、演技、全てにおいて長けていた。全編手話で台詞が全くない中で、映像演出のメッセージが素晴らしく、見たことのない世界を体験させてくれる例外的に素晴らしい作品。
審査員:永作博美、山崎エマ、ティム・レッドフォード
受賞者コメント
ショートショートフィルムフェスティバル&アジアのように大きな映画祭で賞をいただける事は大変光栄であり、夢が叶った思いです。日本の観客の方が私の作品を見て感動する姿を目の当たりにし、とても驚きました。登場人物たちの感情に移入し涙されている方もいました。映画祭でのすべての経験が私にとって特別なものとなりました。今後も作品を作り続けていく励みとなります。そしてまたここに戻って来れることを願っています。
本作は初の監督作品ですが、初めて映画を作るものにとっては脚本の執筆やセットでの撮影など全てのプロセスに圧倒され、大きな映画祭への出品はあまり考えが及ばないものです。ですからSSFFへの選出のニュースを聞いた時の私の気持ちも想像に容易いでしょう。この作品のワールドプレミア上映の舞台として夢にまで見ていたことが実現したのです。初めて作った映画で、このような映画祭での受賞など考えもしていませんでしたが、それが現実となりました。これはひとえに才能溢れる映画への愛情を持った人々に囲まれ、私が難しい決断を迫られた時いつも勇気と強さを与えてくれたおかげです。チーム全体の力がとても強く、もし一人でも欠けていたらこんなに素晴らしい作品にはならなかったと思います。
・作品について何か伝えたいことはありますか?
この作品は制作予算がほぼゼロに近い状態でしたが、経験豊富なチームのおかげで受賞という快挙を成し遂げることができました。コスト削減のため、機材も思うように調達することができず、撮影現場では照明機材を使わず全て自然光での撮影となりました。ドキュメンタリーのような撮影スタイルが、ユニークなシーンを作り出す結果になったと思います。
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
「デジタルダイアリー」という作品がとても気に入りました。シンプルなストーリーと、最初はあまり印象の良くない主人公ですが、そのうち彼の感情に親近感を覚えました。悲劇的なラブストーリーには感動させられるものですが、この作品のようにしっかりと作られたストーリーはいつまでも心に残ることでしょう。
<プロフィール>
マテウス・リビンスキー
1999年生まれ。ポーランドの映画学校に通う2年生で、映画演出を学んでいる。本作「ヤマアラシのジレンマ」で短編映画デビュー。現在は韓国を舞台にした短編ドキュメンタリーの制作に取り組んでいる。18歳の少女が母親から「愛している」という言葉を聞くために地球の裏側を目指すという物語だ。
アジアインターナショナル 優秀賞/東京都知事賞
いつの日か
プラディーダ・ブリファ・ラハユ
視覚障害のある役者の演技が素晴らしく、友達同士の中で一人が成功を収め、一人が取り残されるという誰もが経験する人生の葛藤を見事に演じ切っていた。障害を中心にするのではなく、友情の物語として誰もが共感でき、夢と希望をもらえる素晴らしい作品。
審査員:シャロン・バダル、藤岡弘、、本木克英
審査員コメント
– シャロン・バダル
まずライブアクション部門アジアインターナショナルの作品の多様性のある力強い作品のラインナップに衝撃を受けました。『いつの日か』は障害に関する物語ではなく、夢と友情がテーマであり、特殊学校の設定や視覚障害のある俳優の起用は印象的でした。
また、活気にあふれるストーリーテリング、視覚的に独創性溢れる構成、爽やかな色彩と登場人物たちを評価し、『ハートを編む』へ審査員特別賞を贈呈します。
– 藤岡弘、
伝統的、民族性、時代性、国民性、それぞれの抱えている問題意識が描かれていて、考えさせられ、様々な人間模様など想像力が膨らんで楽しめた。受賞作の『いつの日か』は、実際に目の見えない方が演じていることに感動した。リアルさが伝わってきて、こうやって障害のある方が参加して、夢や目標に挑戦しようとする姿に感じるものがあった。演技が素晴らしかった。
『少女の闘い』は、伝統的なもの、父と娘の関係も良く描かれていて、そこで夢を追う少女の必死さが伝わってきた。ショートフィルムとして、主人公のその後を想像させる良さがあり、希望を感じた。
– 本木克英
審査対象となった25作品すべてから、「観られる」ことを意識した高い完成度と、客観性のあるメッセージを感じた。フィリピンや東南アジアの作品には、文化的興味がそそられ、中国や、中央アジア・キルギスの作品からは、ドラマに内包された社会性が痛烈に伝わってきた。受賞作の『いつの日か』は、障害に同情させるのではなく、挑戦がうまく描かれていた。
『父と娘が見た夢』 は、取り返しのつかない悲劇を、父の妄想の中で芸術的に昇華させる演出が素晴らしかった。マングローブの森の美しさが、主人公の哀しみを痛切に際立たせて、強く心に残った。
受賞者コメント
受賞のニュースを聞いて大変嬉しく感激しました。すぐに主演の二人の俳優、IraとValenに受賞の報告と祝賀の連絡を入れました。二人ともまだ若い役者ですが、私に大きなインスピレーションを与えてくれました。また、映画祭のスムーズな運営に尽力してくださったスタッフの皆様にも感謝を申し上げます。フィルムメイカーにこのような素晴らしい機会とインスピレーションを与えてくださりありがとうございます。この受賞は本作「いつの日か」をもっと多くの人に見ていただき、インパクトを与えてくれると自信になりました。そしてこの作品が、私たちの住む環境をよりインクルーシブにするためには何かできるのか、広く話し合うきっかけになることを願っています。
・作品について何か伝えたいことはありますか?
私はいつも不安や、答えを見つけるのが難しい疑問を抱えています。中でも、なぜ私には人とは違う才能を持った人たちと繋がる機会を与えられているのかとよく考えます。こうした繋がりがさらなる機会をもたらしてくれると思います。本作は私にとって正にその機会でした。私だけではなく、主演のIraやValenにとっても、世界中の人にポジティブな生き方を見せる機会なのです。
作中のシーンや会話の多くがIraとValenのアイディアから生まれました。Iraとの出会いは彼女がクライミングをする映像を見たことがきっかけでした。Valenはプロの柔道家です。彼女たちにとって目が見えないティーンエイジャーであることの難しさを表現することは、簡単ではありませんでした。時には自らの夢にも懐疑的にならざるを得ない二人ですが、いつか自分たちにも好機が訪れると信じているのです。この作品は私にとって、常に勇敢であること、チャレンジし続けること、そして夢を信じ続けることを思い出させてくれるのです。
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
私に映画制作の大きなインスピレーションを与えてくれた作品は日本の作品です。特に是枝裕和監督や河瀨直美監督を尊敬しています。私の制作プロセスはアジアの映画作品とともに成長してきました。日常生活に人間の複雑さを見出し、人間同士の関係が対立しながら成長することを学びました。特に登場人物を深く観察し、日常生活を描きながらも奥深い感情の世界へと誘う映画が好きです。本作が日本で上映されると聞いた時、私に大きな影響を与えてくれた映画監督を育んだ街をついにこの目で見ることが出来ると思い大変嬉しく思いました。
<プロフィール>
プラディーダ・ブリファ・ラハユ
ジョグジャ・フィルム・アカデミーを卒業後、Viddsee 2021で人気を博した「The Envelope of Grief」をはじめとした数本の短編映画を製作。最新作「A Girl」はインドネシア映画祭オーストラリア2023でグランプリを受賞している。
ジャパン 優秀賞/東京都知事賞
せん
森崎 ウィン
ラジオから聞こえてくる世界情勢と変わらない日常生活の中に、歳を取ることや孤独といったテーマがあり、さりげない中に深いメッセージが隠されている。全体的に自己の周囲を見つめて深堀りしていく似通ったテーマが多い中で、オリジナリティがあり、新鮮で意外性のある作品だった。
審査員:シャロン・バダル、藤岡弘、、本木克英
審査員コメント
– シャロン・バダル
『せん』は繰り返しの歌のメローディーで飽きしてしまうと予測していたのですが、全く予想外でした。それは老化と変化についての奇妙な旅へと私を連れ出してくれました。私は通常ミュージカル仕立ての短編は好きではありませんが、この作品ではミュージカルが詩的な表現として使われ、一日が始まり、やがて終わり、「何も変わらない」という丸く収まる物語の展開が素晴らしく、高く評価しました。
また、悲嘆とその後の痛切な描写、音と静寂の効果的な使用、文化的に本格的なロケーション撮影、そして感動的な結末に対して、『ゆ』に審査員特別賞を贈ります。
– 藤岡弘、
若者や子供たち、一般の人に分かりやすく、刺激を与える作品かどうかを大切に審査しました。
『せん』は、日常生活の中で流れていく時間の中で、一つ一つメッセージがあり、色んなことを想像し、考えさせてくれる作品です。
『竹とタケノコ』は、「日本伝統の花火」と「生涯の最後に花を咲かせると言われる竹」を主人公の生き様に投影し、短いドラマの中に、親子の絆など、華やかな花火に込められた深いメッセージを感じ、最後にグッとくるものがありました。未来を作る子供たちに希望を与える映画だったと思います。
– 本木克英
プロダクション性はどの作品も高く、プロフェッショナルなキャストとスタッフの力を存分に感じた。一線で活躍する俳優の方々が監督に挑戦している例が増えて、どれも新鮮に楽しめた。
受賞作の『せん』は、独自性、娯楽性、社会性、すべての面で優れた短編である。
『撮影/鏑木真一』は、映画に込めたメッセージを、「面白く」伝えようとする監督の心意気に拍手を送りたい。主人公の沈黙の理由が、記事以外にも補強されていれば、グローバルな力を持つ作品になったと思う。
受賞者コメント
この度は、名誉ある賞を頂けた事改めて感謝いたします。
この賞は、今作「せん」に携わった全ての方々と共に頂いた賞です。誰か一人でも欠けていては成し得なかったと思います。
念願の監督デビュー、制作の期間から幸せでいっぱいでした。そんな場を頂けたことにも改めて感謝いたします。
夢に見ていた日本オリジナルのミュージカル映画。
僕が僕であるからこそ、描かなくてはならない題材をテーマに作らせて頂きました。この先も今作が皆様の心に残れば幸せです。
皆様から頂いたご恩を胸に、近い将来恩返しが出来るようこれからも日々精進して参ります。
・作品について何か伝えたいことはありますか?
今作のポイントは、身近にある戦い。
それとどう対峙していくのか。変わらない日常。果たしてそれは、そのままで良いのか。
そして、日本の田舎というものを作品に入れたかったのです。
ミャンマーから日本に住み着いた僕にとって、自然に囲まれた日本の田舎が凄く落ち着くんですよね。どこか自分の故郷とも似ていたりして。
一軒一軒の家の距離は遠いものの心の距離が近い。そんな場所が凄く落ち着きます。そんな感覚を映像にも盛り込みたかったのです。
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
やはり、スティーブン・スピルバーグ監督ですね。
正直、監督を目指してこの世界に足を踏み入れたわけでありません。そもそもはスティーブン・スピルバーグ監督の作品を自分が監督をやる目線で観ていたわけではなく、一人のお客さんとして影響を受けていただけでした。
そんな僕が監督に直接お会いし演出を受けた時、その偉大さ凄さに圧倒された経験は今でも心に刻まれていて、今回の撮影にも少なからず影響があったのではと思います。
<プロフィール>
森崎 ウィン
1990年生まれ33歳。ミャンマー出身。2018年にはスティーヴン・スピルバーグ監督作『レディ・プレイヤー1』で主要キャストとしてハリウッドデビュー。『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。数々のミュージカル作品で主演を務めるなど多方面で活躍。映画監督、初挑戦となる。
オーディエンスアワード
(ライブアクション部門インターナショナル)
新たな始まり
クインシー・レッドベター & デンゼル・ウィテカ―
受賞者コメント
QUINCY監督:
オーディエンスアワードの受賞をとても光栄に思います!日本滞在中に、本作品のテーマが日本の観客の皆さんの心に響き受け入れられたことを感じとても感動しました。言葉や文化の違いというものは、人類の共有体験の妨げになるものではないということを実感し、心に残るものとなりました。
DENZEL監督:
Quincyと私にとってこの作品はとてもパーソナルなもので、過去に私たち自身が体験した出会いや共に分かち合うことのできる心の傷といったものから生まれました。それは私たちが「黒人」であるが故に苦しめられてきた文化的経験なのです。日本滞在中に感じたことは、私たちの物語が文化の違いを超越し世界中の多くの人々の共感を呼んでいることに圧倒されました。この受賞は光栄であるだけでなく、この作品を観た後に自らの気持ちや経験を代弁していると感じた人たちに出会えたことが、私たちにとって大きな宝となりました。ありがとうございました!
・作品について何か伝えたいことはありますか?
QUINCY監督:
本作はとても個人的で唯一無二のストーリーでありながら、観るものを私たちの視点に引き込んでいける作品を作りたいという思いで制作しました。SSFFの上映プログラムに入れていただいたこと、更にはオーディエンスアワードを受賞できたことは、その思いがある程度達成できたということかなと思っています。
DENZEL監督:
作中主演のAntoineが何度か日本との繋がりを示唆しますが、これはQuincyと私の日本に対する敬愛の思いの表れです。その思いが本作の東京でのプレミア上映という形で繋がっていった事は信じ難いほど素晴らしい体験でした。そして本作のプロデューサーであるYuki Maekawa-Ledbetterも故郷の国にこの作品を持って凱旋することが出来ました。この幸運に感謝しています。
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
QUINCY監督:
影響を受けた監督や作品は名前をあげたらきりがないほど沢山ありますが、本作に関してはアーネスト・R・ディッカーソン監督の「ジュース」からインスピレーションをもらいました。またビジュアル的なアプローチやアクションなどはロベール・ブレッソン監督の作風からヒントを得ました。
DENZEL監督:
アーネスト・R・ディッカーソン監督の「ジュース」からは間違いなく大きな影響を受けました!また、スティーヴ・マックイーン監督の演出やバリー・ジェンキンス監督の黒人の弱みを一貫してひたむきに描写する姿勢などにも影響を受けました。
<プロフィール>
クインシー・レッドベター & デンゼル・ウィテカ―
Quincy Ledbetterはバージニア州ウッドブリッジからニューヨークに拠点を移し、監督として受賞歴がある他、ミュージシャンやアーティストとしても活動している。代表作は、実験的なアニメーション映画「THE BLACK DISQUISITION」。
Denzel Whitakerはカリフォルニア州出身で、ロサンゼルスを拠点とする俳優/監督。代表作は、「TRAINING DAY」、「THE GREAT DEBATERS」、「BLACK PANTHER」。
オーディエンスアワード
(ライブアクション部門 アジア インターナショナル)
ハーバードへの道
ダン・チョン
受賞者コメント
まず、この賞をいただけたことに大きな衝撃を感じ、感激しています。映画祭では素晴らしい作品を沢山目にし、そのクオリティの高さに感銘を受けました。その中でこの賞をいただけたことは私たちにとって大きな意味を持ちます。特に私たちの作品が観客の方の心に届いたということにとても感動しています。
・作品について何か伝えたいことはありますか?
本作のストーリーでは「ハーバード」という存在が、ある母親の野心的な夢以上の意味を持っています。これは私たち自身や、子に対して課してしまいがちな非現実的なゴールや目標を象徴しているのです。そうした夢に付随するプレッシャーや期待というものを、この作品を通して考えてみようと思いました。この作品をご覧になった皆さんが、このような野心のより広い社会的意味合いと、個々の生活に与える影響について考えるきっかけになることを願っています。
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
沖田 修一監督の作品が大好きです。恐らく世界で一番好きな監督です。ですが、本作「ハーバードへの道」が彼の作品の影響を受けているかと言えばそうとも言えません。沖田監督の作品は深く人間的な作品にユーモアを多く取り込んでいるからです。
とは言え、私の作品も沖田監督作品のように大きな影響力を持ち、観客にとって面白くかつ意義深い作品であってほしいと願っています。
<プロフィール>
ダン・チョン
ボルネオ島に生まれ、西マレーシアの大都市で育ち、アメリカで2年間を過ごしたダンは、マレーシアの文化的景観を理解し、自分の映画に取り入れることを目指している。 特に、マレーシア人の間で広まっている考え方を題材に選ぶことが多い。
オーディエンスアワード
(ライブアクション部門 ジャパン)
カフネの祈り
増田 彩来
受賞者コメント
見てくださった皆さまに選んでいただけたこと、本当に嬉しくて、ありがとうの気持ちでいっぱいです。その気持ちをものすごく噛み締めています。
”Cafuné”はポルトガル語で、子供、恋人、家族など、愛する人の髪にそっと指をとおす仕草。頭をなでて眠りにつかせる、穏やかな動作のことを言います。すごい極端な言い方だけど、祈りがあるから人は生きれるんだと私は思います。あなたにとってこの映画が少しでも心に影響する、そんな力のある作品になっていたら嬉しいです。
・作品について何か伝えたいことはありますか?
戻れない今日であること。昨日には戻れないし、一昨日にも戻れない、そんな毎日を私たちは生きていて。それでも間違えて、後悔して、戻れればいいのにと思ってしまう瞬間が、生きてる中できっとあると思います。でも戻れないことを悲しむのではなくて、悲しめることを大切にしていきたい。自分自身、そう生きていきたいと思っていて、この作品を通して、それが少しでも伝わったらいいなと思います。
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
私は映像に出会うよりも先に写真に出会っていて、写真家として活動をしています。写真を通して、たくさんの出会いをさせてもらってきました。その中で、人も感情も景色も、本当に沢山の出会いがありました。その出会い一つ一つに、与えてもらって今の自分があると思いますので、今の私に一番影響しているものは、写真を通して出会った一つ一つにあたるのではないかなと思います!
<プロフィール>
増田 彩来
2001年9月12日生まれ。22歳。東京都在住。
映画宣伝ビジュアル、企業広告、アーティスト写真、CDジャケットなどのスチール撮影担当。
2021年、20歳になる節目に、個展「écran [エクラン]」を開催し、11月には、「渋谷芸術祭」の公式プログラム「渋谷ストリートギャラリー」にて、渋谷各所のデジタルサイネージに、作品「深呼吸の在処」を掲載。
映像作家としても活動しており、ミュージックビデオの監督・カメラマンを務めるなど、活動の幅を広げている。
現在では、2024年現時点でInstagramのフォロワー15.3万人を突破。
ベストアクターアワード
(ライブアクション部門 インターナショナル)
文盲のライアン
受賞者:Lewis Ian Bray
監督名:Rhys Chapman
文字が読めず、内に籠った生活を送っていた主人公の葛藤と成長を見事に演じ切った。最後のシーンでは観客の心を揺さぶり、感動と勇気を与える素晴らしさだった。
受賞者コメント
受賞にあたり、まずショートショートフィルムフェスティバル&アジアの皆さんに御礼を申し上げます。また、この作品の制作をサポートしてくださった制作会社のSlick Films、Dolphragon、出資いただいた皆さんにも感謝しています。プロデューサーのBryony Pullizi、作品を仕上げるためにあらゆる手を尽くしてくれてありがとう。そしてもちろん監督のRhys Chapman、クルーとキャストの皆さん、特に今まで一緒に仕事をした俳優の中で最も寛大な役者であろうNelson-Joyceにも感謝しています。私の故郷でもあるLiverpoolの街、この街のスピリット、コミュニティーそしてその真の寛容さ無くしてこの作品は作り得なかったでしょう。また、演技のコーチングをしてくれたLucy Russel、両親、兄弟、そして妻のサポートなしにはここまで到達できなかったと思います。心の底から感謝しています。ありがとう!
<プロフィール>
Lewis Ian Bray
イングランド北西部出身のニューロダイバージェントな俳優、脚本家。劇団The Young Everyman Playhouseでキャリアをスタートし、劇団初のIgnitionプログラム生となった。
自身で企画・考案した一人芝居「Cartoonopolis」は高く評価され、ツアー各地でチケット完売となった。その後は劇団The Everyman and Playhouseの作品へ出演。2018年にはBBC Norman Beaton Fellowshipプログラムに参加し、5ヶ月間BBC Radio Dramaカンパニーで活動。自身がヒーローと敬う俳優のデレク・ジャコビなどとも仕事を共にした。
その後は映画やテレビ作品にも関わった事で本作の制作へも繋がった。また自身のプロダクションScribble Picturesを立ち上げた。
Lewisはチャンネル4の新作ドラマ「Patience」への出演が決まっている。
ベストアクターアワード
(ライブアクション部門 アジア インターナショナル)
負の空白
受賞者:Eun Ji Lim
監督名:Jeonghui An
就職難の中、仕事が見つからない不安と複雑な感情を内包する繊細な演技が素晴らしく、最後に感情を露わにするシーンでは誰もが心を動かされる圧倒的な演技力であった。
受賞者コメント
このような素晴らしい作品に参加し、名門映画祭でベストアクター賞をいただけることに感動し、大変誇りに思います。Jeonghui An監督には撮影前から終了までサポートいただき深く感謝しています。また、撮影中一緒に寒さを耐えたスタッフの皆さんにも大変感謝しています。コロナ禍のピークでの撮影で、さまざまな挑戦がありましたが監督のリーダーシップのおかげで素晴らしい作品を作ることができ、映画祭での受賞まで果たすことができました。俳優としてのキャリアを積み上げていく中で、この受賞は感謝の気持ちと共に思い出に残るものとなりました。ありがとうございます!
<プロフィール>
Eun Ji Lim
韓国の女優。京畿大学校で演技を学んだ後、映画やテレビ、演劇などの分野で10年以上のキャリアを積む。現在ネットフリックスで配信中のドラマ「補佐官」に出演中。
ベストアクターアワード
(ライブアクション部門 ジャパン)
フューチャー!フューチャー!
受賞者:駒井蓮
監督名:眞鍋海里 / 山本ヨシヒコ
想像力豊かでひょうきんな主人公を等身大の演技で堂々と演じ切り、あどけなさの残る高校生役から存在感のある社会人役まで自然体で素晴らしかった。今後の活躍に注目したい。
受賞者コメント
今回、このような素敵な賞を頂き、本当に嬉しいです。 マコトは、10代ならではの不安を抱え戸惑いながらも、大好きなSFのため、そしてシンイチという守りたい人のために全力で突っ走る、そういう女の子でした。そんな彼女を演じながら、私自身勇気を貰いました。 そして、「フューチャー!フューチャー!」の撮影は、スタッフの皆さんと共に美しい広島の景色を駆け巡り、私にとって忘れられない青春になりました。 プロデューサーさん、監督、お世話になったスタッフの皆さん、そしてSSFF&ASIAに関わる全ての皆様に心から感謝申し上げます。
<プロフィール>
駒井蓮
2000年生まれ。青森県出身。俳優。
2013年スカウトにて芸能界入り。
2015年nicola専属モデルに抜擢、その後2016年公開映画「セーラー服と機関銃-卒業-」長妻 役として映画初出演。 映画「いとみち」〔2021〕での主演作品では、新人俳優賞 など多数受賞。
映画「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」〔2023〕ヒロイン麦戸美海子役で出演。
近年では映画「バジーノイズ」に出演中。
その他部門・公募プロジェクト
ノンフィクション部門 優秀賞
ナイジェリアのバレエダンサー
ジェイコブ・クルプニク
テーマ、メッセージ、創造性、カリスマ性、サウンド、尺、全ての分野においてショートフィルムとしてずば抜けて優れており、人物を描くドキュメンタリーが多い中で、他のどの作品よりもオリジナリティが光る作品であった。残酷だけれども美しく力強いメッセージと若者のパッションがいつまでも心に残る作品。
審査員:永作博美、山崎エマ、ティム・レッドフォード
審査員コメント
– 永作博美
受賞作の『ナイジェリアのバレエダンサー』は、色鮮やかで、演出の効果も素晴らしく、純粋な思いがストレートに伝わってくる映画だった。
『アルフレッド』は、純粋の真骨頂だと思った。大自然の映像は威厳という気高さとなり、撮影監督の心の声のなのか?その歓喜、その興奮に同感する。在るべき姿を喜び、そして誇りを持って暮らしている、という主人公の訴えに疑う余地はなかった。自然と共に生きる事に畏怖ではなく尊敬と愛を感じる。特別なことではないのかもしれないが、純粋に美しかった。受け入れるという受動は逞しく能動的であった。そして真っ白い雪景色は、主人公の心の中と一致した。
– 山崎エマ
『ナイジェリアのバレエダンサー』は心揺さぶるストーリーを見事に捉えつつ、表現方法も芸術的リスクを取った、スリリングな作品でした。そして、Jessica Bishopp監督の『パフィン』についてもコメントしたいです。詩的に撮影され、見事な編集が施された本作は、この小さな島に住み人生の岐路に立つ少女たちの視点と、転換的な瞬間に直面しているパフリングたちの状況が重なりました。作品の表現方法が、問われているテーマと見事にマッチしていて、魔法のような魅力を感じました。短編ドキュメンタリーが達成できる限界に挑戦した、Bishopp監督とチームの素晴らしい作品に祝福を送りたいです。
– ティム・レッドフォード
『ナイジェリアのバレエダンサー』には、強いメッセージ性を感じます。圧倒的に素晴らしく、類まれな作品でした。
また、『デヴィッド・アゲイン』に審査員特別賞を贈呈したいと思います。苦難を乗り越えた男の、この痛烈な作品に心を奪われました。この感動的なドキュメンタリーは、登場人物の感情に可能な限り寄り添い、誠実に、驚くべき技巧と巧みな演出で描かれ、友情の美しさを描いています。
受賞者コメント
今回の受賞を大変光栄に思います。映画制作に携わる誰もがステージでの賞賛という期待を胸に、膨大な努力を乗り越えているものです。大変素晴らしいことで、これからも謙虚に制作に励む力となります。一人のアメリカ出身のフィルムメイカーとして、ナイジェリアのダンサーたちの姿を映画にし、それが日本で受賞を果たしたということは、普遍的なストーリーは世界中どこでも人々の心に響くのだということを思い出させてくれました。
・作品について何か伝えたいことはありますか?
リープ・オブ・ダンスアカデミーのことを最初に知ったのは2020年、コロナ禍の最初の夏でした。私は、風に乗って遠くまで届く種のようにバレエが世界中に広がり、ヨーロッパからアメリカへ、そしてナイジェリアのある若者が自分でバレエ学校を立ち上げるほどの影響力を与えたということに、すぐに興味を惹かれました。私にとってこのストーリーの核心は正にインスピレーション、それがどれほどエキサイティングで伝染力のあるものかという事です。
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
私は一本の映画に惹き込まれる感覚が大好きです。最初にその感覚を覚えたのは90年代のミュージックビデオ、特に自己の世界を確立したミシェル・ゴンドリーやスパイク・ジョーンズの作品でした。また、ヴェルナー・ヘルツォークの確固たる精神や、ジャン=ピエール・ジュネとマルク・キャロの世界観、ショーン・ベイカーの人間ドラマなどにも感銘を受けました。ここ数年で見た映画で好きな作品は、「パスト ライブス/再会」、「落下の解剖学」、そして「オール・ザット・ブリーズ」です。
<プロフィール>
ジェイコブ・クルプニク
ダンスや動きを通して映画的ストーリーを創り上げることを得意とする。世界を股にかけ、探究心と歓喜を振り撒きながら、彼の仲間たちも自由に混み合った空間を動き回り、アイデンティティや公共空間といったより深い問題を探索する。現在は2011年の長編デビュー作である「Girl Walk // All Day」の続編に取り掛かっている。
アニメーション部門 優秀賞
プールのカニ
アレクサンドラ・ミョッテ & ジャン=セバスチャン・アメル
少年の持つ想像の双眼鏡、空間コンピューティング的表現、カラフルできめ細やかなタッチが素晴らしく、現代的で非常に優れた作品。狭い世界を描いていそうで深いテーマがあり、人間の様子がリアルによく描かれていた。
審査員:川田十夢、シシヤマザキ、杉山知之
審査員コメント
– 川田十夢
短編アニメーション映画は、普段から好きでよく観ているのですが、今回の候補作品は、秀作揃いでしっかり演出と紐づいている作品群が印象的でした。ゲームエンジンを使って制作しているであろう作品もあったし、そのままゲーム化して欲しいものもありました。受賞作の『プールのカニ』は、想像力の根拠がきちんと描かれていて、生と死と青春とノスタルジアと夢がすべて入っていました。
『宿命』は、どのシーンを切り取ってもグラフィックデザインとして優れていて、ゲーム化されたら真っ先にやってみたいと思った作品です。
– シシヤマザキ
今回のノミネート作品は、キャラクターの感情表現がキーとなるエモーショナルな作品が多かったが、単純に人形劇的にキャラクターを動かすことよりもむしろ、映像空間自体を「装置」ととらえて動かす意識の方が重要であるように感じた。受賞作の『プールのカニ』は、重たく直接的な問題を扱っていていつつも、童心への誘導が優れているので、体験として響いてくる作品。
『心の花園』は、絵画、美術作品にまつわる恐れや不安を、要素の対比によって表現し、主人公の心情が花園として描写されていることや、ラブリーな絵柄がむしろ緊迫感を煽っているところが素晴らしい。
– 杉山知之
最終選考に残った作品からは、二つのテーマが感じられた。ひとつは「死」、もうひとつは「日常」だ。受賞作の『プールのカニ』は、乳がんで母を失った姉と弟の物語だとだんだん分かってくる構成が素晴らしい。多くの伏線が張られており、それが回収されていく。何度も味わいたい作品である。
『ある完璧な一日 七つの場面ほか』は、エドワード・ホッパーの絵画の世界観を映像化したスタイリッシュなレンダリングが美しい。ニワトリのおもちゃがキーとなって、大切な人の営みを感じる作品。
受賞者コメント
SSFF & ASIAは、アジア短編映画におけるフェスティバルの最高峰として認知されているため、アニメーション部門最優秀賞を受賞することは夢のようです。さらに、日本はアニメーション芸術への素晴らしい貢献でも広く認められています。そのような中で私たちの作品が、審査員、映画祭チーム、そして日本の観客の皆さんの心に響いたことはこの上ない喜びです!
・作品について何か伝えたいことはありますか?
私たちの作品は、アニメーション映画を通して、悲しみという普遍的なストーリーを共有することにより、いかに想像力が癒しにつながるかを伝えられると信じています。私たちの映画は、共同監督のアレクサンドラやジャン=セバスチャンの母親など、癌と共に生きている数人の女性に着想を得ています。しかし、この映画は、最近癌で亡くなったジャン・セバスチャンの父、クロードに捧げたいと思います。
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
私たちは幼少期からアニメファンで、日本でしばしば作られていた子供向けアニメを見ていました!『プールのカニ』の造形美もまた、90年代のアニメシリーズMTV リキッドテレビジョンから影響を受けています。
<プロフィール>
アレクサンドラ・ミョッテ & ジャン=セバスチャン・アメル
モントリオールを拠点に活動する2人組の作家兼監督。受賞歴のある短編アニメーションやウェブシリーズは、世界中の数多くの映画祭で上映されている。最新作「No Title(2021年)」は複数の賞を受賞。
スマートフォン部門 優秀賞
人生は宝探し
ワイ・イー・チャン
受賞者コメント
私を幸せな子どもに育ててくれた母と祖母に感謝したいです。また、私のパートナーであり、本作品のプロダクションマネージャーでもあるJune Sham、そしてクリエイティブなビジョンを実現するために絶え間ない努力をしてくれたチームのみんなにも感謝しています。貴重な助言をくれ、そして私に自信を与え続けてくれた編集担当のAllen Leungにも感謝を表したいです。
この作品がショートショートフィルムフェスティバルに選出され、名誉ある賞をいただけることを大変光栄に思っています。映画祭期間中はスタッフの皆さんの明確で配慮に溢れたサポートを頂き、大変充実した貴重な経験となりました。
・作品について何か伝えたいことはありますか?
本作「人生は宝探し」はホーマンティンという地区で撮影をしました。ここは香港では一般的な住宅街ですが、私が生まれ育った場所でもあり、個人的に深い意味を持つ場所です。
本作は全編をスマートフォンのみで撮影し、観客を素直で自由な宝探しの旅へ誘います。技術を削ぎ落としたシンプルさが私たちを初心に帰らせてくれるのです。
大人になっていくプロセスで私たちは皆迷い、時に途方に暮れてしまうものですが、この作品は子どもの頃の無限の想像力と可能性を思い出そうとしているのです。この街の鼓動の中で生まれ育った私たちが、心の中の指針を見失わないように。
この作品は今まさに変化の時を迎えている香港で、我が故郷の姿を残し、感謝を表する思いで撮影しました。ホーマンティンという場所を子どもの想像力溢れる視点と、大人の郷愁に満ちた視点の両方から捉えたいと思ったのです。姿は変わっても、ここは私の夢と情熱を永遠に留めてくれる場所なのです。
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
ティム・バートン、ミシェル・ゴンドリー、そしてスパイク・ジョーンズなど、想像力溢れ、幻想的ながらもユーモアのあるシュールな物語作りで説得力のある自己表現の方法に深く影響を受けました。彼らの作品は間違いなく私たちの想像力を広げてくれたと思います。
<プロフィール>
ワイ・イー・チャン
香港生まれ、香港育ち。2007年に香港アートスクールでデジタルイメージングと映画を専攻。卒業後、映画界でのキャリアをスタートさせ、主に助監督を務める。2020年以降に監督を務めた「LemonMilk」や「Life of Cloud」は数々の賞を受賞。
Cinematic Tokyo 部門 優秀賞 / 東京都知事賞
東京流星群
俵 海太
受賞者コメント
この度は優秀賞を受賞する事ができ、大変嬉しく思います。まずこの場をお借りして、出演者の伊藤白馬さんと瑞生桜子さん、そして座組みの皆さんに改めてお礼を言わせて下さい。みんな、どうもありがとう!これからも皆と共に映画制作を続ける上で、今回の受賞はターニングポイントとなりました。次回作も「東京」が題材になります。今作を超えるように、日々励んでいきたいと思います。
・作品について何か伝えたいことはありますか?
「東京流星群」のおすすめポイントは「光」です。光は秒速30万kmという速さで進みます。登場人物が願いをかける星々は、こちらに光が届くまで何年もかかるほどの距離があります。その星の光と、未来の二人が重なり合う時間を今作はテーマとしています。星を表した舞台照明、高速道路の街灯、東京の空撮などの「光」に注目して頂けたらと思います。そして攻めた表現でも受け入れて貰えるのが、ショートフィルムの醍醐味かと思います。心象風景として、十代のシーンを舞台で表現した事が、新しい試みかと思います。出演者2名の過去、現在、未来を「光」がつなぐ内容となっています。
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
是枝裕和監督です。学校をさぼって「幻の光」を劇場で観て以来、毎作品を劇場で拝見しています。見過ごされそうな事を掬い上げる視線や、日常にある豊かさ、機微に触れる作品はいつも嘘を感じません。ドキュメンタリーなどTVの番組制作をされていた事も、大変恐縮ではありますが、出自が私と近く共感を感じています。
<プロフィール>
俵 海太
カメラマンとして15年のキャリアがあり、短編映画監督として本作が2本目のオールドルーキー。
現在は長編映画撮影に向けて準備中。
U-25 プロジェクト 優秀賞
U-25 プロジェクト 副賞
母のレシピ
川邊 出雲
受賞者コメント
このような賞に選んでいただきありがとうございます。まず、好きなことに本気になれる環境をくれた母、そして主人公を演じてくれた弟、シンガポールチームに感謝の気持ちでいっぱいです。最後に、シンガポールで過ごした7年間の集大成として制作した映画を海を越えてさまざまな世界の人々にこの映画を見ていただける機会を与えてくださったSSFFの全てのスタッフの皆様に、心より感謝申し上げます。
・作品について何か伝えたいことはありますか?
この作品のおすすめポイントは、映像や音から感じ取れる匂いです。物語を描くだけでなく、その場所に根付く物語を伝えるために、食べ物やその場の雰囲気を感じさせる工夫をしました。この作品を通じて、多種多様なシンガポールの文化に触れ、視聴者の皆様が自身のコンフォートゾーンから一歩踏み出す挑戦と、その暖かさを感じていただければ幸いです
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
シンガポールの巨匠、エリック・クー監督から最も影響を受けました。約2年間、彼の元でインターンをさせていただき、多種多様な文化とそこに根付く物語の大切さを肌で感じました。この体験を通じて、私もシンガポールで感じた文化や物語を表現したいという思いが強まり、この作品の制作に至りました。
<プロフィール>
川邊 出雲
映画監督を目指すシンガポール在住の18歳学生。エリックー・クー監督の元で絵コンテ制作や翻訳などを手掛け、2024年からニューヨーク大学で映像を学ぶ。9歳の頃からストップモーション・アニメーションや旅行動画などを制作。
BRANDED SHORTS
各種アワード
HOPPY HAPPY AWARD
十日と永遠
倉田 健次
受賞者コメント
この度は第4回HOPPY HAPPY AWARDという価値ある賞に、私共の映画『十日と永遠 -10 Days to Eternity-』をお選び下さり、誠にありがとうございました。授賞の際、ホッピービバレッジ株式会社 石渡社長から、本賞の選考にあたり全社員に視聴してもらい、そして満場一致で『十日と永遠』に決定した!と聞かされました。その誠実な選考の流れに私は深く感動致しました。来年度の新作映画制作では私もその誠意に答えるべく精進して参りたいと思います。
・作品について何か伝えたいことはありますか?
私はこの世で一番大切なものは「家族」と「人生という記憶」と思っています。撮影地の新潟県十日町市は雪深く、私の原初の風景がありました。そしてこの地方には「雪ざらし」と呼ばれる、雪にさらす事で着物を白く浄化させる独特の技法がありました。私は、知らぬ間に汚れてしまう我らの「人生という記憶」が浄化される事を、それが「家族」によって行われる事を、願いました。
「この世で真に大切なものは?」
ご覧頂き、この問いを一緒に考えて頂けましたら幸いです。
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
常日頃から様々な作品や監督からインスパイアされておりますが、映画を志した頃から師と仰ぐクシシュトフ・キェシロフスキ監督、常に前進を続けるコーエン兄弟、スティーブン・ダルドリー、ジョン・カーニー、ヴィム・ヴェンダースなどにも支えられているかもしれません。脚本執筆の際、構成や描写に迷った時は映画『スタンド・バイ・ミー』を観ます。物語、絵、芝居、構成、そしてテーマと心象のバランスが奇跡的な映画だからです。
<プロフィール>
倉田 健次
映画監督/脚本家。「サンダンスNHK国際映像作家賞」グランプリ受賞。
『EVERYTIME WE SAY GOODBYE』『Novela Picaresca』等、国際映画祭で最高賞受賞。ドラマ『ふたりモノローグ』、長編映画『MANKAI MOVIE A3!』『藍色少年少女』等。結城貴史監督作品『DitO』にて脚本担当。
Shibuya Diversity Award
メイシーとの時間
ミカ・シモンズ
受賞者
<プロフィール>
ミカ・シモンズ
イギリスの女優、フィルムメイカー。監督デビュー作となった「Rain Stops Play」は3019年にHouston World Film Festivalでベストコメディ賞Silver Remiを受賞。Underwire Festival と CBFFにノミネートされた。
2021年には2作品目となる短編「Breach」がPortland Film Festivalで外国人監督優秀賞を受賞した。
地球を救え! 環境大臣賞
ローカルウォーミング
マヌエル・ヴィターリ
受賞者コメント
私の作品は日本の文化から大きな影響を受けているので、実際に日本に来てこのような賞をいただけることは大変光栄です。この実績が、二つの国の小さな架け橋になるような未来のコラボレーションに繋がることを期待しています。環境大臣賞という賞は、気候変動のような新しい問題に対する日本の姿勢を表していると思います。
・作品について何か伝えたいことはありますか?
本作は、小さな撮影チームが誰も知らないような小さな街に出向き、地元の皆さんを説得して撮影するという、ロマン溢れるスタイルで制作しました。地元の子供たちが協力してくれたり、実際に映画に出演してくれたりとみんなでこの素晴らしいプロジェクトを作り上げたのです。
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
フェデリコ・フェリーニ、ヴェルナー・ヘルツォーク、ロイ・アンダーソン
<プロフィール>
マヌエル・ヴィターリ
Manuel Vitaliはイタリア人の映画監督。アニメーションと絵コンテを学んだ後、映画の道に進む。これまでに20本以上の短編映画で脚本家と監督を務め、そのほとんどが国際共同制作である。現在は、自身初の長編映画プロジェクトに取り組んでいる。
J-WAVE SOUND OF CINEMA AWARD
カンタータ
デイブ・フォックス
受賞者コメント
受賞のニュースを聞いてチーム全員が感激しています。私がこの映画に関わることになったのは、ライターであるフィオンの実力と彼のミュージシャンとしての才能を知っていたからです。ですのでこの作品がその音楽性と音響への取り組みという分野で認められたということは素晴らしい事です。
・作品について何か伝えたいことはありますか?
この作品は低予算での制作だったため、関わっていただいたすべての方々の多大な協力なしには実現しなかったでしょう。制作中もとても楽しい時間でしたが、完成した作品が各地で大変良い評価を受けていることはさらに素晴らしい事です。
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
映画監督が作品を通して作り上げる奇抜ながらも素敵な世界観にいつも魅了されてきました。特にミシェル・ゴンドリーとスパイク・ジョーンズの作品には大きな影響を受けました。深い意味を持つ美しい作品も同時にバカバカしく、観客を爆笑させるような面白おかしい作品でもいられるということを証明していると思います。最近ではダニエルズ(ダニエル・クワンとダニエル・シャイナート)の作品に感銘を受けています。
<プロフィール>
デイブ・フォックス
Dave Foxはダブリン出身の監督/脚本家。彼にはキャラクター主導の作品を作る才能があり、それらはコミカルにも情緒的にも視覚的なインパクトが強く印象的だ。彼の作品を見れば、好感の持てるユニークなキャラクターを生み出す巧みな能力と、生まれながらにコメディを理解していることが分かる。
グローバルスポットライトアワード
Stray Kids <樂-STAR> SKZFLIX
キム・ビョンジュン
受賞者
<プロフィール>
キム・ビョンジュン
・出身 : 1994年, 韓国
・国籍 : 韓国
・活動期間 : 2019 ~ 現在
・作品活動 : https://vimeo.com/maybemorethat
特別賞
Amic Signアワード
フューチャー!フューチャー!
眞鍋海里 & 山本ヨシヒコ
受賞者
<プロフィール>
眞鍋海里(脚本・総監督)
宮崎県生まれ。映画と音楽だけが娯楽の幼少期を過ごし、いくつかの挫折を経て広告業界に転身。普段は、映像やコピーを生業にしている。主な仕事として、AUTOWAY「雪道コワイ」、スタディサプリ「18の問い」「現在地点」、Goldwin「MYWEAR」など。現在、クリエイティブスタジオPARTYに所属。
山本ヨシヒコ(監督)
CM、ドラマ、MV などの映像監督。1979年 広島県福山市出身。実家が銭湯。2021年 Hulu「モモウメ」でドラマ監督デビュー。
他、大分県PRシンフロ、関西電気保安協会、アロンアルフアTVCMシリーズ、DJみそ汁MCごはんのMVなど。
Most Viewed Award
一歩ずつ
レザ・ラソーリ
受賞者コメント
観客のみなさまよりこのような素晴らしい賞をいただけて大変光栄です。私の作品を評価していただいたことに大変感謝しています。貴重な時間を割いてこの作品をご鑑賞いただいた皆様に心から感謝いたします。また、このような賞で評価いただいた映画祭にも感謝を表したいです。
・作品について何か伝えたいことはありますか?
この作品はVienna Film Academyに在籍中に制作しました。予算はほぼゼロに等しく、たったの2日で撮影をしましたが、思いがけずたくさんの映画祭で上映いただけることになり、とても驚きました。
・作品に影響を与えた映画監督や映画があれば教えてください。
アッバス・キアロスタミ監督の作品です。私にとって映画界のヒーローであり、いつもインスピレーションを与えてくれます。
<プロフィール>
レザ・ラソーリ
Reza Rasouliはイラン出身の監督/脚本家。2019年からオーストリアに在住し、現在はFilmakademie Wienで演出を学んでいる。
審査員コメント
– 永作博美
受賞作の『ヤマアラシのジレンマ』は、静かで心地の良い作品。主演の2人が素晴らしかった。
『複雑な状況』は、本来ならば難しいであろう1室のみで構成されていて、しかも短編でこのように心情豊かに表現できることに驚いた。誰と深い話をする訳でもなく状況はどんどん進んで行くのだが、何をどう考え、どうして?何の為に、などの詳細が伝わって来るのだ。流れの緩急を捉えて、積極的な方法で伝えるという演出であったと思う。主人公である俳優は落ち着いた芝居にもナチュラルな説得力があり、こちらを心地よく前向きにさせる。全ての波長がうまく重なっていた。
– 山崎エマ
『ヤマアラシのジレンマ』では個人的にほぼ知識がなかった世界に吸い込まれ、試聴後は何日も感情の波に浸っていました。そして、Ibrahim Handal監督の『子どもにまつわる短編映画』についてもコメントしたいです。全体の印象、演出、メッセージが完璧に一致したこの予測不可能な魅力的な映画で、Handal監督は映画作りの達人ぶりを発揮しています。物語の世界と子供たちの想像力と達成に没頭する一方で、この地域で続く大量虐殺を考えると、この映画のスタッフや俳優たちの実際の生活は今どうなっているのだろうという思いが離れませんでした。本作品は多くの人に見てもらうべきで、なぜ映画制作が重要なのかを思い出させてくれました。
– ティム・レッドフォード
『ヤマアラシのジレンマ』には登場人物の人間関係に美しいケミストリーがありました。
また、『ウォーター戦争』の卓越したストーリーテリング、革新的な演出、そして魅力的なパフォーマンスを評価したいです。この映画は、日常的な出来事をユーモアや緊張感、そして予想外な展開で魅惑的な作品へと劇的に変貌させていきます。ダイナミックなテンポとビジュアル・コメディを駆使することにより、ただ楽しませるだけでなく、水不足という世界的、重要課題にも取り組んでいる作品です。