会期:2024年10月17日(木)~10月27日(日)、オンライン会場:2024年9月26日(木)~11月7日(木)

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【レポート】スイスショート特集
「日本を見つめるスイス」

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2024.10.30

10月26日(土)、東京都写真美術館ホールで開催した、秋の国際短編映画祭スイスショート特集。

日本とスイスの国交樹立160周年を記念した本企画は、サカエ・シュトゥンツィ基金とスイス大使館が取り組んでいるVitality. Swiss(バイタリティ・ドット・スイス)のサポートのもと、実現しました。

「スイス人の監督が描く日本」をテーマに、2022年Cinematic Tokyo部門の優秀賞を受賞した『TOKYO RAIN』(Michel Wild監督 & Robert Schneider監督)、江戸時代を舞台したコメディに挑戦した『晴れて成仏』(Kevin Haefelin監督)の上映に加え、世界初公開となる、広島在住、スイス人ながら情熱をもって刀鍛冶となったジョハン・ロイトヴィラーさんを追ったショートドキュメンタリー『ジョハン、炎のダイアローグ』を上映しました。

スイスショート特集:日本をみつめるスイス – ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2024 秋の国際短編映画祭 (SSFF & ASIA 2024 Screening in Autumn) (shortshorts.org)

どの作品も、日本を描いていますが、そこにはスイス人監督ならではの視点が垣間見え、
新しい日本の風景を感じられます。

※『晴れて成仏』、『TOKYO RAIN』は11月7日までオンライングランドシアターで配信中!

冒頭、スイス大使館の広報文化担当官サラ・ボックマンさんからは、「スイスと日本の国交樹立160周年という特別な年、共通の価値観と相互尊重、そして豊かな文化交流を象徴する企画として、
ここ数週間にわたり、スイス・バイタリティ・デイズを開催してきたが、本上映会がその締めくくり的なイベントとなっている」とし、このイベントを通じ、「スイスと日本の活力あるパートナーシップがさらに際立ち、両国のクリエイティブな活力となることを期待する」とコメントがありました。

また、『ジョハン、炎のダイアローグ』について、「スイスの視点から日本を再発見し、文化交流の精神を象徴する作品であり、バイタリティアンバサダーでもあり、日本で初めて外国人刀鍛冶となったジョハン・ロイトヴィラーさんの物語です。スイス人監督ロマン・ゲラさんが描いたこの挑戦は、伝統への敬意と情熱、そしてスイスと日本の価値観の融合を映し出しています。」と紹介いただきました。

上映後には、刀鍛冶のジョハン・ロイトヴィラーさんと、監督のロマン・ゲラさんが登壇。

ジョハンさんがスイスの鉄工所で働いていた際に出会った日本刀の美しさに魅了されたエピソードや、広島の刀鍛冶に弟子入りしたこと、ゲラ監督も広島での映画のプロジェクトを進めている中で、ジョハンさんの話を聞いて取材がスタートしたことなどを話してくれました。

ジョハンさんは「成功したのは3本、失敗したのは10本以上、数えたくないくらい。

失敗する前提で仕事をしているが、失敗するんじゃろうな、と考えながらだとうまくいかないので、失敗することも全部含めて、毎回良い刀を作ることに専念している」と刀鍛冶としての姿勢を説明しました。

ゲラ監督も、このプロジェクトはスイステレビのドキュメンタリー番組の一環で制作されたこと。その番組は世界の自然の美しさを紹介する番組だったが、今回は「火も土も風も全ての身の回りの自然を使って刀を作る日々の生活を追った。作品から、自然の大切さ、自然が私たちの生活にも関わり合っていることを伝えたかった」と制作背景を紹介してくれました。

作品は2週間かけて撮影され、撮影場所が山奥なのでスイスから撮影クルーを呼び寄せるのではなく、日本に慣れている周りの方々にサポートをもらいながら、少人数で撮影に臨んだと、撮影時の様子も聞かせてくれました。

ジョハンさんも、「撮影となると、普通は気が散ってしまい、鍛冶仕事の時も自分らしさが出せないが、ゲラ監督の前では、気を使うことなく集中できた」と話しました。

中盤には、ゲラ監督の話が止まらず、通訳をするジョハンさんが「覚えきれないよ」と日本語で漏らして会場の笑いを誘ったりもし、会場は終始温かな雰囲気で、「ジョハンさんやゲラ監督の創作活動を応援したい。日本での制作をぜひまた続けてほしい」「日本人より日本人。すごくリスペクトを感じた」といった感想も聞かれました。

 

主催

ショートショート フィルムフェスティバル アジア実行委員会

後援

J-WAVE

共催

東京都

提携企画

東京国際映画祭

協力

有限会社 ディレクト・ネットワークシステムズ