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【Snap】Day:6 ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場
2024.10.28
<レポート>『世界征服やめた』ワールドプレミア上映イベント
東京での上映&イベント最終日はユナイテッド・シネマアクアシティお台場での北村匠海さん初監督のショートフィルム作品『世界征服やめた』ワールドプレミア上映イベントが開催されました。
俳優でありアーティストとしても活動しマルチな才能を発揮する北村匠海。
ポエトリーラッパー不可思議/wonderboyの楽曲、「世界征服やめた」に強く影響を受け、楽曲からインスパイアされて自ら脚本を書き下ろし、監督したショートフィルムを世界初公開しました。
イベントでは本作のほか、6月のSSFF & ASIA 2024ノミネート作品より『人生は宝探し』(監督:ワイ・イー・チャン)と、『一歩ずつ』(監督:レザ・ラソーリ)の2本のショートフィルムを同時上映。
また、北村匠海さん、萩原利久さん、藤堂日向さんが登壇し、脚本執筆時や撮影時についてトークしました。
「人生で初めて監督という立場で立つ」と北村さんの挨拶から始まったトークイベントでは、2021年3月に脚本を書き始めたこと、「こんなにたくさん脚本を読んできたのにいざ自分が書くとなると難しかった。」と脚本についての話をまずお聞きしました。
「自分の人生の中でも、映画と音楽に救われる瞬間がたくさんあった。」という北村さんは、高校生の時に不可思議の楽曲に出会った時から、何か形にしたいと思っていた。」と話しました。
萩原さんは初めて脚本を読んだ時の印象として「いつかの年末に匠海くんの家でご飯を食べているときに、ちょうど脚本を書いているときで、すごくムズかしい!と言っていたのを覚えている。オファーをもらった時には、こんなに早く形になるんだ、とびっくりした。」と振り返り、
「役者として彼(北村さん)に出会っていたので色々な匠海くんをみてきたつもりなのに、全然知らない匠海くんを突き付けられるように感じた。」と当時の感想を教えてくれました。
また、萩原さんが演じた役について、「役者として北村さんと共鳴してきたところがあり、今回の役は北村さん自身でも演じられる、そんな共感を脚本の隅々に感じた」とし、「初めて読んだ時の感覚を現場に行くまで忘れないようにするアプローチをした」と語ってくれました。
藤堂さんは、「監督の家でご飯をたべていた時に、日向で書きたいと言われが、実際にオフィシャルでオファーをもらったときにはびっくりした。」と振り返り、北村さんらしさが出ている脚本であり、歌詞とリンクする一体感を感じたと話しました。
MCからどのようにキャスティングしたのか、と聞かれた北村さんは、
藤堂さんについては、「一番最初 本も書いていない段階で、監督としてこの人を撮りたいなと感じた。「リベンジャーズ」で一緒になり、コロナ禍でオーディションなどチャンスもない中で、役者をしたい、と渇望していた。その渇望を撮りたかった」と明かしました。
また、北村さんは、「書いていく中で、主人公二人がどんどん自分になっていった」と説明し、言葉の間(ま)や表情について、「自分みたいな役者が誰かと考えたとき、利久しかいなかった」と説明しました。
MCが監督としての北村さんはどうだったかと問いかけると、
萩原さんは、「こんなにコミュニケーションが円滑に進んだ現場はなかった。」とし、円滑過ぎて言葉ではなく、感覚的なコミュニケーションでやりとりしたことを話しました。
さらに、「余白がとにかく長い。ほぼ放置されているような感じでカメラがまわり続けることもあった。時間が無限に与えられていて、いつ終わるかわからない」と語り、藤堂さんからも「部屋でのすごいカットがあった。歯を磨いたり、ソファに座ったり、シャワーを浴びたり、リハーサルはなく、この家で「生きて」という指示のもと、撮影した」と撮影時のエピソードも語られました。
藤堂さんは重ねて、「監督からは「生きて」と言われることがたくさんあった。役作りがわからないときは、「陽」の存在でいてほしい。でも悲しみやくやしさなど全部ひっくるめての「陽」でいてほしい」と、役者サイドの寄り添い方だったことを話してくれました。
北村さんも、「僕が監督をする意味として、監督として頑張ろうではなく、役者兼監督としてどう寄り添うかをずっと考えていた」とし、台本のト書きには感情を全部書いて皆が共通認識を持てるようにした、とも教えてくれました。
こだわりのシーンについても話が及び、一番最初の撮影だったにもかかわらず、テスト無しで屋上シーンを撮影したこと、北村さん自身が「社会を知っているようで知らないので、自分の知っている社会って何だろうと考えたとき、曲と出会ったときのこと、すなわち学校時代がそうだった。そこからオフィスシーンもチャイムで皆が起立、固まって一つの黒い丸のように出てく中で一人残るシーンを作った」など、イメージをどう具現化していくかが語られました。
また、井浦新さんが友情出演してくれた中で、アドリブで「水いるか? のめよ」と声をかけ、主人公が救われるシーンや、居酒屋でたくさんの料理を前に、「完食してね、完食するまでカメラを止めないから」と、深川監督(『法廷遊戯』)から教わった演出方法を実践するなどのエピソードも語られました。
最後には、今後チャレンジしたいことをそれぞれが発表しました。
藤堂さんは、「弓道をやってみたい。役者としてはハッキングするを役やってみたい」と話し、萩原さんは無限に肩書が増えそうな北村匠海さんと、お芝居だけではない「じゃない匠海」と出会ってみたい」と楽しそうに語りました。
北村さんも、「祭りで焼きそばも作ってみたいし、助監督もやってみたい。
エキストラの皆さんに芝居をつけるとか、そういう作品との関わり合いや、
自分企画で仲間たちと「生きることとしての仕事ではなく」何かをやっていきたい。たとえば、日本一周の自転車旅の企画を事務所に持っていきたい。」と夢を話しながら、「次の映画実は書いていたりします。自分のライフワークとして続けていきたい」と静かな意欲を話しました。
映画祭でもぜひまた北村匠海さんの作品と出会えることを楽しみにしています!
<登壇後、3人からコメントをいただきました!>
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