SHORT SHORTS FILM FESTIVAL 2003 Short Shorts Film Festival 2003


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ショートフィルムの定義とは?

一口に「ショートフィルム」といっても、ジャンル、予算、上映時間等、実に様々。一般的には40分台以下の長さの作品をこう呼ぶことが多いのですが、といっても映画界に、明確な規定が存在するわけではありません。実際、ショートショート フィルムフェスティバルでも、同じプログラムのなかに、1分のものもあれば、25分のものもありコメディ、サスペンス、アニメーションとジャンルもさまざまなことがおわかりいただけるでしょう。あえていえば、短編であるがゆえに、その中に監督のエッセンス、手法、メッセージがギュッと詰まった至宝の作品になっているというのが「ショートフィルム」の定義であり、また魅力であると言えるかもしれません。

新進監督が個性、才能を知らせるための武器として

作品があるプロデューサーの目に止まり、メジャーデビュー、そしてハリウッドへ..。こんなアメリカンドリームが実現するのも、ショートフィルムがあればこそです。イラストレーターやカメラマンが、自分の作風を知ってもらうために、作品ファイルを持ち歩くように、監督をめざすものにとっては、自分の映像表現の方向、技術、そしてなぜ映画を撮りたいのかというスピリッツの部分も含めて、プレゼンテーションできる媒体がショートフィルムなのです。中には、将来撮りたい映画がはっきり決まっていて、そのパイロットフィルムとして、ショートフィルムを制作する監督もいます。いずれにしても、決して安くないフィルム代や機材費を調達し、また撮影スタッフや、俳優を手配するなど、予算的、時間的な条件も厳しさに直面しながら、若い監督たちは、その時点での自分の才能のすべてが凝縮されたショートフィルムを作るために、知恵を絞り、それを映画祭などに出展する事で、世に打って出るのです。

全てのメジャー監督もショートフィルムからはじまった

そんな苦労を乗り越え、ショートフィルムを制作する意義は十分にあります。とりわけ映像王国アメリカで、ショートフィルムには、明日のハリウッドを担う才能が集っていると、映像関係者の熱い視線を常に浴び続けているからです。実際、ジョージ・ルーカスも、南カリフォルニア大学在学中に制作した「THX 1138 4EB」が評価されたことが、フランシス・コッポラとの出会いにつながり、メジャーへのチャンスをつかみました。今年の映画祭プログラムでその初期作品を上映する、カンヌ映画祭グランプリ「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオン監督も、ショートフィルムで、その才能の片鱗をアピールし、注目されたことからはじまったのです。

映像エンタテイメントとしても注目のジャンル

大きなチャンスをつかむため、監督のあらゆる情熱が注がれているだけに、作品自体は、名刺がわりという意味とは別に、エンタテインメントとして十分たのしめる内容になっています。特にアメリカでは、チャンスも大きく、競争も激しいため、作品クオリティは高く、ショートフィルムだけを集めた映画祭が以前から人気を博しています。メジャー作品にはない切れ味、余韻を楽しめるショートフィルムというジャンルは、日本で人気が高まりつつあります。今後も、私たちの作品紹介を通じて、一人でも多くの方が、この新しいエンタテインメントに魅了されていくことを期待しています。




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