鈴木勉監督
船橋淳監督
石川慶監督
Aditya Assarat監督
続いて、「日本人が作るショートフィルムと海外監督が作るショートフィルムに相違を感じるか」という質問に、鈴木監督は 「一番大きな違いは予算。
『胡同の一日』がフランスのクレルモンフェラン映画祭で上映された時、僕の作品が上映されたプログラムでは5本のうち4本が35mmフィルムで撮影され、音もドルビーサラウンド。エンドロールには政府や公的機関のクレジットがずらりと並んでいる。片や僕の作品は、家庭用のビデオで撮ったもの。
日本は公的な援助が極端に少ないんです」とコメント。
一方、船橋監督は
「僕は人種によってスタイルが異なるといった分類分けをするのは好きではないんです。日本人が海外に行って外国人を使って撮ったり、その逆の例もたくさんあるから。たとえばジョン・ウイリアムズというイギリス人の監督は、日本を舞台に日本人を撮っています」と話していました。
さらに、これからショートフィルムがビジネス的に成功するかどうかについて、
石川監督は
「これまでショートフィルムをまとめたDVDマガジンなどいろんな試みがなされてきたが、正直あまり面白いとは思えなかった。ショートフィルムの大事なポイントは、自分の試したいものを試し、それを長編に応用していくところ。
ビジネスとは一線を画したところにいるのが僕としては理想的」と、
Aditya監督は
「短編でも長編でも、重要なのは配給。どこに出せるか、どこが出してくれるかだと思う。
その中でiPhoneやiPad、あるいはYoutubeのようなデジタルデバイスでの配給は、まさに今がスタートラインです。これから10年後、20年後はほとんどの人が劇場ではなく自分のiPadなどで短編だけでなく長編も見るようになるでしょう。
そういう意味ではビジネスに繋がるかもしれません」とそれぞれ率直な意見を述べてくれました。