3Dはまだまだ新しい技術であるため、観客は、制作側がどこにどれだけ手間や苦労があったのかよくわからないもの。
見る側がチェックするポイントなどがあるか尋ねると、尾小山さんはこう説明してくれました。
「これまでも3Dブームというのは周期的にありましたが、今回はガチで根付くと思っているんですね。なぜかというと、これまでのような単なるビックリ映像ではなく、よりナチュラルに見えることを業界は目指しているからなんですね。 今回の作品も、ナチュラルに見える、ということをとても意識したし、そのことに苦労しました。
“0号”といういちばん最初に完成した作品を試写したら、あまりに立体がキツすぎたりしたので、かなり調整をしました。
3Dはけっこう目に負担を与えるものなんです。 『アバター』もそうですが、この作品でも部分的に3D化していない、視差をほとんどつけていないシーンがあります。3Dのシーンがある程度続くと、2Dのシーンを部分的に挿入しても立体的に見えたりするので、そのような細かいテクを使って目を休める工夫をしているんです」
最後に尾小山さんは、今後の制作活動について 「3D制作の技術はアメリカがダントツですが、映像の見せ方のアイディアは、まだ世界中が横並びで、競争が始まったばかり。そういう意味では、僕ら日本も十分世界のトップに出られる可能性はあると思います。 新しいジャンルって“いっせーのせ!”で始まることが多いので、そういう意味ではチャンスが多いと思っています」と語ってくれました。