世界最高峰のショートフィルムから受け取るメッセージ アカデミー賞プログラム
2016年04月26日
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2016 公式サイトオープン!
今年のショートショート フィルムフェスティバル & アジア開催まであと2か月を切り、webサイトも本格オープンしました! 上映作品の中からとっておきのプログラムや作品をご紹介!今回のプログラムは「アカデミー賞プログラム」
アカデミー賞プログラムでは、第88回(2016年)米国アカデミー賞の短編部門にノミネートされたショートフィルムを含む作品を上映します。アカデミー賞に短編部門があること自体あまり知られていないかもしれませんが、過去には「ホテル・ルワンダ」のテリー・ジョージ監督や「愛と青春の旅立ち」のテイラー・ハックフォード監督らが短編実写部門にて賞を獲得しています。また第81回(2008年)には、短編アニメーション部門で加藤久仁生監督の「つみきのいえ」が受賞しました。
それでは、第88回の短編実写部門へのノミネート作品から二作品をご紹介しましょう。
Patrick Vollrath監督の「何も心配ない(原題:Everything Will Be Okay (Alles Wird Gut))」は、離婚した父親が面会日に娘を迎えに行くところから物語が始まります。久々に会った父親に甘える娘と娘を溺愛する父親。しかし父親の不審な行動が、二人の幸せな光景に次第に影を落としていきます。不穏な空気が立ち込めるスリリングな展開と圧巻のラストには息を呑むほどです。本作は米国アカデミー賞の受賞こそ逃したものの、第42回(2015年)学生アカデミー賞外国映画部門のブロンズ賞ほか数々の賞に輝きました。
あらすじ:離婚した父が8歳の愛娘と過ごす週末。2週間に一度だけ許される2人の時間が、この日、歪んだ旅の始まりになろうとしていた。
Jamie Donoughue監督「ともだち(原題:Shok)」は、セルビア人とアルバニア人の民族紛争を背景に、セルビア人勢力下で暮らす二人のアルバニア人の少年たちを描いた作品です。原題の「Shok」はアルバニア語で「友達」を意味する単語ですが、作中では少年たちがアルバニア語の使用を禁じられるシーンがあり、この短い題名に込められた意味を考えずにはいられません。何より、少年たちのひたむきな友情と、彼らに降りかかる理不尽な暴力の対比に胸を打たれます。本作は監督の初の映画作品ながら、アカデミー賞にノミネートされる快挙となりました。
あらすじ:コソボ紛争中、ごく普通の少年ペトリッチは占領軍にタバコを売ったことがきっかけでセルビア人の恐ろしさを知り、親友からは裏切りの目で見られてしまう。危険な環境の中、真の友情を取り戻せるのだろうか。
本プログラムでは複数のショートフィルムをまとめて上映します。世界最高峰の賞にノミネートされるだけあって、短い時間をいっぱいに使って私たちにメッセージを投げかけてくる作品ばかりです。それぞれの作品から、あなたはどんなメッセージを受け取るのでしょうか?ぜひ確かめてみてください。
アカデミープログラムはこちらから
- ライター情報 木江恭
小説、エッセイ、紀行文等々、何でも屋のもの書きを目指しています。趣味は創作、読書、映画鑑賞。SSFF & ASIA主催のプロジェクト「ブックショート(http://bookshorts.jp/)」にて作品公開中です。Twitter(https://twitter.com/kyokinoe)では創作や映画の感想なんかを呟いています。
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