6月10日ラフォーレミュージアム原宿会場 イベントレポート 「マスタークラス 河瀨直美~ 足元を掘り下げれば世界につながる~」
2016年06月10日
今年のカンヌ国際映画祭で短編部門の審査委員長を務めた河瀨直美監督によるワークショップ。世界レベルの映画創作の秘訣を、過去の監督作品の上映を通じて、たっぷり語っていただきました。
まず上映したのは、河瀬監督が生まれて初めて撮影したという1988年の8mmフィルム作品。この作品を見返した時、撮影の対象物とともに、撮影時の自分の気持ちまで蘇ってきて、“映画はタイムマシーン”だと実感したそうです。
続いて、自らの生い立ちに向き合うプライベートドキュメンタリー『につつまれて』と、実家で暮らしていた若かりし日常を切り取った「かたつもり」を上映。「カメラを手にすることで、世界への関わり方が変わってきた」というお話が印象的でした。
今回が日本初上映となったのが、SSFF&ASIA代表の別所哲也が主演したショートフィルム『嘘』。河瀬監督が、カンヌ映画祭で取材を受けた時に感じた思いが、作品づくりのきっかけになったというお話から、なら国際映画祭の代表でもある河瀨監督が別所哲也とともに立ち上げた、本人映像作家強化養成プロジェクト『Road to Cannes』についてまで話が広がっていきました(詳しくはこちら→http://www.shortshorts.org/2016/ssff_nara2016/)。
最後は、会場とのQ&Aセッション。河瀬監督の役者観、スタッフとのコミュニケーション方法、グローバルに置ける日本映画の位置付けについてなど、次々と挙がる観客からの質問に本音でお答えいただきました。
ちなみに、「ショートフィルムとは何か?」という質問には、「わからない。(それゆえの)可能性がある分野だと思います」とのご回答!コンペティション部門に参加した国内外の映画監督も多数来場し、濃密なプログラムとなりました。
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