チリ海域で録音された異常な超低周波音を元にしたショートフィルム『ブループ(The Bloop)』
2016年05月25日
『ブループ(The Bloop)』
Cara Cusumano/アメリカ/7:02/ドキュメンタリー/2015
1997年8月、チリ南岸から西に1500マイルの海域で異常な超低周波音が感知された。5000マイル離れた水中マイクで録音されたその音は、これまでに海中で発生した原因不明な音の中で最も強いものだった。音は1分間続いた後、二度と聞かれなかった。
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これだけ科学技術が進んでも、わからないことはまだまだ沢山あります。
宇宙の一番端っこはどうなってるかわからないし、地球の一番深い場所まで行ったことがある人はまだいません。
そこは未知なる世界。光が当たらない、右も左もわからない、闇の空間です。
地球はミステリアスな世界もを持っています。むしろ、私達が見えている世界はほんの少しだけなのです。
『ブループ(The Bloop)』はそんなミステリアスな世界から聞こえた、1997年に録音されたノイズがテーマです。当時観測した調査員へのインタビューの肉声と、何を映しているか分からない映像で構成され、そのノイズがより印象的に残るように演出されています。
あまり別の作品を出しながらのレビューはいけないと思いながらも、どうしてもここで皆さんにお伝えしたい事があります。それはきっと、この映画の大切な軸になっているはずだと思うからです。
『2001年宇宙の旅』という映画をご存知ですか?スタンリー・キューブリックという革新的な技術を持った映画監督の作品です。1968年に公開された古い映画ですが、不朽の名作と言われています。
この映画でも「ノイズ」が聞こえてくるシーンがあります。これは『ブループ(The Bloop)』に出てくるような実際にあったノイズではなく、フィクションの「ノイズ」です。
ここで出てくる『2001年宇宙の旅』の「ノイズ」と、『ブループ(The Bloop)』のノイズにはどこか似ているような気がするのです。どちらも原因不明の音として扱われています。そして、この二つの音を聞いた時、私はとてつもない恐怖を感じました。今でも鮮明にその恐怖が思いだされ、背筋が凍ります…。
得体の知れない不気味な存在に出会うことは、どうしてこんなにも怖いのでしょうか。
あり得ないことが、予想していないことが起きることは、どうして受け入れがたいのでしょう。
でも、原因不明の”ノイズ”が聞こえた時、既にそれらが目の前に現れているのです。『ブループ(The Bloop)』に登場する調査員も、きっと同じような経験をしたはずです。
『ブループ(The Bloop)』という映画は、この不気味さ(気味の悪さと言ってもいいかもしれません)が軸になっていると思います。
そしてこの恐怖は、海だけでなく地球全体、宇宙に潜在する解明されていない存在を意識する時に伴って出てくる感情ではないでしょうか。
今現在では、『ブループ(The Bloop)』のノイズは解明されています。検索エンジン等を使って調べてみてください。 この映画は抽象的で分かりにくいという方もいらっしゃると思います。でも五感が振るう作品です。是非映画館でご覧ください!
『ブループ(The Bloop)』の上映は地球を救え!プログラムにて行います
地球を救え!プログラムはこちらから!
- ライター情報 すらすら
「映画を観る時間がない…」「長い映画は苦手!」という方に、ショートフィルムはとってもおすすめです!短い時間でも、奥深いテーマと繊細な描写が詰め込まれているショートフィルム。まるでエスプレッソのような味わい深いショートフィルムの世界をご紹介します!
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