国境なき医師団(MSF)日本事務局長の村田慎二郎氏と、ショートショート フィルムフェスティバル & アジア代表の別所哲也が、今年で紛争ぼっ発から10年が経過したシリアをはじめとする紛争地で続く医療への攻撃についてトークを展開します。
病院が日常的に爆撃され、略奪されるなど、止むことのない医療攻撃に焦点を当て、人道危機とそこに生きるひとびとの声、世界の今を伝える映像の可能性についてディスカッションします。
国境なき医師団(MSF)における日本人初の事務局長。
静岡大学卒業後、外資系IT企業での営業職を経て、2005年にMSFに参加。現地の医療活動を支える物資輸送や水の確保などを行うロジスティシャンや事務職であるアドミニストレーターとして経験を積む。
2012年、派遣国の全プロジェクトを指揮する「活動責任者」に日本人で初めて任命され、シリアや南スーダン、イエメンなど で援助活動に関する国レベルでの交渉などに従事。以来のべ10年以上を派遣地で過ごす。
2019年夏より、紛争地で人道援助が必要な人たちの医療へのアクセスを回復・維持するために医療 への攻撃を止めさせるアドボカシー戦略を練ることをゴールに掲げHarvard Kennedy School(ハーバード・ケネディスクール)に留学。John F. Kennedy Fellow (ジョン・F・ケネディフェロー) として行政学修士(Master in Public Administration=MPA)を取得。
2020年8月より現職。
国境なき医師団は、民間で非営利の医療・人道援助団体です。紛争地や自然災害の被災地、貧困地域などで危機に瀕する人びとに、独立・中立・公平な立場で緊急医療援助を届け、人道危機の現状を国際社会に訴える証言活動を行っています。現在、世界約 70 の国と地域で、医師や看護師、非医療スタッフを含む4 万 5000 人が活動(2019 年実績)。1971 年にフランスで設立し、1992 年には日本事務局が発足しました。活動資金の9割以上が個人をはじめ民間からの寄付でまかなわれ、独立した援助活動を可能にしています。
国境なき医師団は1999年、ノーベル平和賞を受賞しました。紛争や災害、貧困によって医療が欠如している場所へ赴き、すべての人を対象に無償で提供する医療援助活動と、国境なき医師団が援助活動の現場で人権侵害や暴力行為などを目撃した場合、それらを国際社会に訴えていく証言活動が認められての受賞でした。
https://www.msf.or.jp/about/nobel/
世界中の紛争地で医療・人道援助を行う国境なき医師団は、医療が攻撃対象となり、文字通り医療崩壊する状況を目の当たりにしてきた。医療が攻撃されれば、施設、医療従事者、患者が被害を受けるだけなく、その地域に暮らす多くの人たちが医療にアクセスできなくなり、命が脅かされる。国境なき医師団は、医療への攻撃がやまない現状を訴え、国際社会にさらなる取り組みを求める。
国境なき医師団のシリアでの活動はこちら
https://www.msf.or.jp/news/list_syria.html
国境なき医師団ウェブサイト 「医療への攻撃」はこちら
https://www.msf.or.jp/news/attacks-medical-care.html