米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)は、2021年6月21日(月)に報道関係者向けのアワードセレモニーを明治神宮会館で開催いたしました。本セレモニーでは日本の映画祭では最多となる計4作品が推薦可能となった、翌年のアカデミー賞につながるオフィシャルコンペティション supported by Sonyおよびノンフィクション部門の優秀賞の発表を始め、海外からも注目を浴びる「東京」の魅力を発信するCinematic Tokyo(シネマティックトーキョー)部門や25歳以下の国内在住監督によるU-25プロジェクト、世界中の最先端作品が集結したCGアニメーション部門の各優秀賞など、計14つのアワードの発表・授与をいたしました。
■最高賞「ジョージ・ルーカス アワード」はラファエル・マヌエル監督の『フィリピニャーナ』が受賞!
本映画祭の最高賞である「ジョージ・ルーカス アワード」はラファエル・マヌエル監督の『フィリピニャーナ』の受賞が発表されました。グランプリとなった「オフィシャルコンペティション supported by Sony」の優秀賞の他2作品とノンフィクション部門 優秀賞と共に、次年度の米国アカデミー賞短編部門にノミネート選考対象作品となります。グランプリ発表を経て、別所は「25分という限られた時間で描かれるショートフィルムの作品を、審査員が真剣に選出したこの作品が、アカデミー賞へ繋がっていきます。」とラファエル・マヌエル監督へ賞賛をたたえました。
■セレモニーに華をそえる様々な分野の豪華ゲストが登壇!
感染症対策の一環として関係者のみにて行われた、セレモニー開演前のレッドカーペットには、本映画祭代表の別所哲也とフェスティバルアンバサダーのLiLiCoさんが登場。またアニメ『ドラえもん』のジャイアン役や映画『キングスマン』の吹替の声を務める木村昂さん、人気アニメ 『はたらく細胞!!』の赤血球の声を務める花澤香菜さん、人気声優であるお二人が映画祭の初MCとして登場しました。セレモニー中の壇上には、バーティカルシアター部門 supported by smash.のプレゼンターとして俳優で映画監督の齊藤工さんが、今年の映画祭のテーマ“CINEMADventure(シネマドベンチャー)“を彷彿させる冒険心溢れるファッションで登壇。オフィシャルコンペティション審査員には勝地涼さん、藤真利子さん、阿部純子さん、新プロジェクト「DIVOC-12」(ディボック トゥエルブ)には松本穂香さん、スマートフォン 映画作品部門 supported by Sonyには美脚が引き立つミニスカート姿の池田エライザさん、CGアニメーション部門には、ご自身で製作された版画がテキスタイルになった黒と白のシックな手作りのドレスを着用した篠原ともえさん、HOPPY HAPPY AWARD(ホッピー ハッピー アワード)には、それぞれの作品に主演している筒井真理子さん、國村隼さん、ノンフィクション部門には松田美由紀さんが登壇。他にも、映画監督の河瀨直美監督、小池百合子東京都知事のVTR出演など様々な分野の方々にゲストとしてお越しいただきました。
■アワードセレモニーでは各部門優秀作品・新プロジェクトなどを発表!
受賞監督に向け、小池百合子東京都知事より、「この映画祭で、才能ある映像クリエイターが、東京から世界へ多く羽ばたいていることを大変嬉しく思います。コロナという世界共通の試練に立ち向かう今こそ、映画の持つ力が試されていると思いますので、今後も、芸術文化を通して多様な魅力に溢れる東京を世界へ発信してまいります。」と、本アワードへの思いをVTRで語りました。
次年度の米国アカデミー賞短編部門にノミネート選考対象作品となる「オフィシャルコンペティション supported by Sony」の3部門
(インターナショナル/アジア インターナショナル/ジャパン)の受賞発表ののち、ジャパン部門を受賞した平井敦士監督を壇上にお招きし、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント代表取締役 冨田みどり氏に加え、公式審査員を務めた俳優 勝地涼さん・阿部純子さん、女優 藤真利子さん、写真家 濱田英明さん、映画評論家 クリス・フジワラさん、映画監督 真利子哲也さんら6名が登壇。今回初めて公式審査員になった勝地さんは「いち俳優が作品を評価することはおこがましいと思いましたが、他ジャンルの方々と作品を見て、意見を交わし合い、とても勉強になりました。コロナ禍で撮られている作品が多くありましたが、その中でも作品を撮り続けているということに刺激を受けました。今後もいい作品にもっと関わっていきたいと思います。」と感想を述べました。
昨年より始動したプロジェクト「DIVOC-12」より、キャストで女優の松本穂香さん、上田慎一郎監督、そして株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント代表取締役 冨田みどり氏が登壇。冨田氏は、「ソニーは“クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす”ことをPurpose(存在意義)と定義しています。コロナ禍でも、クリエイターが創作する作品を通じて多くの人に感動を届けるために発足した『DIVOC-12』 は12人の映像監督による12本の短編映画を製作するプロジェクトです。さらに最新技術として、大型LEDディスプレイに映し出された背景が、実際の撮影に使用しているカメラの動きと連動して動くことで、まるでその空間の中にいるような映像を撮影できるバーチャルプロダクションという技術を用いて撮影しています。今回、1つのスタジオで、3日間で12シチュエーションの撮影を実現しました。コロナ禍で人の移動が制限される中でも、このようなテクノロジーを活用いただくことによって、クリエイターの表現の幅をより広がることに繋がるのではと思い、国内初の映画撮影として、上田監督に採用いただきました。」と本プロジェクトを説明しました。
また、映画作品『ユメミの半生』で主演を務めた松本さんは、バーチャルプロダクションのセット上で演技をしたことを振り返り、「今回の撮影で走るシーンがあったのですが、実際にはその場で走っている動きをしているだけで、背景の映像が変わっていくので、これが映像になった時にどうなるんだろうとわくわくしていました。また、バーチャルの背景がシーンごとで変わるため、衣装を変えて戻るとセットの雰囲気が変わっていて驚きました。日本で初めてのプロジェクトだったので、スタッフの皆さんとも新鮮な気持ちで挑むことができました。」と撮影秘話を語りました。本作品は2021年の秋、劇場にて公開予定です。
クリエイターの表現の幅とチャレンジの機会をさらに広げ、スマートフォンならではの新しい映像クリエイティブの創出を目的とした今年初展開の新規設立部門として、最多数のエントリーがあった「スマートフォン映画作品部門 supported by Sony」。審査員である池田エライザさんと内田英治監督、そして受賞を獲得した針谷監督と小林監督が登壇。池田さんは「スマートフォンで撮影をするという一つのテーマを、クオリティを保ちながら、自分たちで再構築し、スマホでできる最大限のことをやられていて、受賞作品は満場一致で『すごい!』となりました。ショートフィルムだからこそ、時間の概念を揺るがし、短いからこそ解き放たれていて、衝撃を受ける作品でした。世の中にはクリエイティブな意識を持つ人が多くいて、私も映画を撮ってみたい、挑戦したいと思いました。」と笑顔で審査の感想を述べました。また、内田監督は「多くの作品を見て、社会的な題材を扱ったものかコメディかの2択が多いなと思いました。受賞作品は、エンターテインメントでありながら、今の時代を考えさせられ、新時代の象徴であると感じました。スマホだけで撮るという点は、縦で撮ったり横で撮ったりと多様な使い方が見受けられました。」とコメントしました。
「HOPPY HAPPY AWARD」では、6月21日よりホッピーハッピーシアターで配信開始される作品で主演されている國村隼さんと筒井真理子さんが登場。「The Supermission(ザ スーパーミッション)」に出演している筒井真理子さんは、「撮影が始まった頃、ちょうどコロナウィルスが蔓延し始め、人と人が距離を取らなければならなくなりました。私の役は人と関わるのが怖くて人と距離をとりたい、シフトも客の少ない深夜にしか入れないスーパーの店員の役です。彼女は、たまたまいろいろな国の人が来客した一晩の混乱をくぐりぬけ、ちょっと一歩踏み出そうとします。今思えば、その時の緊張した空気と役の緊張感が不思議なくらい重なっていました。ラストは、コロナ禍の混乱が終わった後、そうであって欲しいという監督の願いのように感じました。というとシリアスな作品かと思われるかも知れませんが、クスっと笑えて見終わったあと優しい気持ちになってもらえる作品だと思います。また、ショートフィルムにはショートフィルムにしかできない表現や可能性があると思っています。ぜひ様々な作品をみなさんにご覧いただきたいです。」と作品に対する思いを述べました。また、アワード発表時には、プレゼンターとしてホッピービバレッジ代表取締役社長の石渡美奈氏も登壇し、「人と人とつなぐ力のあるホッピーとメッセージを伝える力をもつショートフィルムとでコラボレーションすることで、人と人とのつながりを伝えられるのではないかと思い、アワードを設立しました。コロナで、新しい居場所を求められ、居酒屋も新しい居場所づくりが求められている中、つながりをえがく本アワードが両者を繋げられたらと思います。」と本アワード設立の想いを語りました。
昨年より新たに設立された「バイオジェン・アワード」は「Make Impossible Possible(不可能を、可能に)」という、バイオジェン・ジャパンのビジョンを力強く伝える作品に授与するアワードとなっており、バイオジェン・ジャパン株式会社代表取締役社長アジェン・スレイク氏が登壇。
「兄と妹の夢を叶えていく姿に心が動きました。妹の強い協力のもと、兄が美容師になるという夢に挑戦するストーリーです。バイオジェンの不可能を可能にするというミッションに合致した作品で、私自身も映画から、我々が持っている夢をあきらめないことの重要性を改めて教わった。」と作品を選んだポイントを語りました。
今年の審査員を務めた篠原ともえさん、落合賢監督、デジタルハリウッド大学 学長の杉山知之さんが登壇。
デザイナー兼アーティストの篠原さんは「どんな状況下でも確実に完成を目指していくという作品への向き合い方に魅力を感じると同時に、ものづくりをしてゆく中で、その姿勢を持ち続けることはあらためて大変なことだと感じました。最近はSDGsに注目されることが多いですが、時代性を取り入れつつも、オリジナリティあふれるものを目指してゆくものづくりを私も見習いたいと思いました。」と審査員を務めての感想を語りました。
SSFF & ASIAとSHOWROOM株式会社が新たに展開するバーティカルシアターアプリ「smash.」の共同プロジェクト「バーティカルシアター部門 supported by smash.」では、プレゼンターに就任した齊藤工さんと、最優秀賞受賞の西山将貴監督が登壇。西山監督は「大きな画面がなくても大きなカメラがなくても、感動できることを証明したかった。」とコメント。齊藤さんは「僕は昭和のアナログな人間だけど、縦型の方が身近な画角だと感じたし、スマートフォンならではの味わい方を楽しんで欲しい。」と縦型作品についてコメントしました。
また、この部門の招待作品として縦型で制作された、齊藤さんプロデュース・出演のsmash.オリジナルインプロビゼーション(即興)シネマ『Hitch×Hook(ヒッチホック)』を、6月24日(木)より、smash.にて独占配信いたします。
25歳以下の国内在住監督による、5分以下の作品に贈られる本賞の発表・授与には、受賞監督の草間監督とプレゼンターでフェスティバルアンバサダーのLiLiCoさんが登壇。LiLiCoさんは「観ながらウソだウソだウソだ!って思いながら、とても感動しました。」と作品について興奮冷めやらぬテンションでコメント。草間監督から将来はハリウッドに行きたい(挑戦したい)という目標を聞くと「紹介する!」と即答。MC木村さんからも「この作品を見たら、ハリウッドからオファーが来るのでは!?」と大絶賛でした。
オフィシャルコンペティション3部門の受賞作と共に翌年の米国アカデミー賞ノミネートとなる本優秀賞の発表と授与には、審査員である松田美由紀さん、原田一男監督、丸山ゴンザレスさんが登壇しました。松田さんは、「ドキュメンタリー作品の魅力は、現実世界を監督独自の目線で切り取ることが出来る部分だと思っています。今回は素晴らしい作品ばかりで、本当に接戦でしたが、今必要とされる作品は何かと考えながら選定させて頂きましたので、みなさまにもぜひご覧頂きたいです。」と受賞作品について語りました。
公式審査員の6名に加え別所、LiLiCoさんが再び登壇し、グランプリとしてインターナショナル部門優秀賞受賞『フィリピニャーナ』(ラファエル・マヌエル監督)が発表されました。最後は別所の感謝の言葉と共にアワードセレモニーを締めくくりました。
オンライン グランド シアターでは受賞作品を6月30日(水)まで配信中!
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