昨年度、第一回開催時に大好評をいただいた「コリアン・ミュージック・クリップ」プログラム、今年度さらに充実したラインナップでお届けいたします。

韓国のミュージック・クリップは、ストーリー性豊かで、そして人気の映画俳優が出演するなど、まさにショートフィルムと呼ぶに相応しい作品群です。本年度の映画祭では、「日韓友情年2005」を記念し、日韓音楽交流コーディネーターの古家正亨氏司会による特別イベントとして開催。テーマは「コリアン・ミュージック・クリップから観る日本」として、今年に入ってから撮影された全6作品を紹介します。

貧しい環境に育ったハルキ（ソ　ジソプ）は、ある日、日本を代表するやくざのボス、リョウ（大沢たかお）と運命的に出会い、彼のボディーガードをつとめる事になる。しかし、リョウにフィアンセのヒトミ（キム　ジョンウン）を紹介された時から、彼の心は揺れ動く。一瞬のうちにヒトミの魅力に惹かれるハルキ。最初はそんな彼の想いを拒んでいたヒトミだったが・・・

韓国を代表するCF監督であり、ミュージックビデオ監督である、チャン　ジェヒョクが手掛けた、韓国の人気バラード歌手、チョ　ソンモの最新ミュージックビデオ。ショート・ヴァージョンは韓国のテレビでも放送済みだが、ロングヴァージョンは、DVDのために作られ、23分という長さから、韓国でも放送された事は無い。ハルキ役のソ　ジソプは、ドラマ「バリでの出来事」などに出演。韓国を代表する俳優の一人であり、日本にも多くのファンを抱える。また、ヒトミ役のキム　ジョンウンは、日本でも放送され人気を集めているドラマ「パリの恋人」に出演している人気女優。日本を代表する俳優の一人としてその地位を築きつつある、大沢たかおが日本側から参加。

韓国を代表するCF監督であり、韓国のミュージックビデオ界を代表する監督として、数々の賞を受けている、チャン　ジェヒョクが監督。韓国No.1男性ヴォーカルグループ、GODのミュージックビデオ。全てのロケは、福岡で行われた。前半の「普通の日」では、ある在日韓国人と日本人のカップルの切ない愛の物語を。後半の「反対が惹かれる理由」では、気の強い女子高生と、彼女に惹かれる転向してきたばかりでおどおどしている男子高生のピュアなラブストーリー。俳優は全て新人。

映画「LOVE LETTER」の上映以降、毎年2本は必ず、冬の北海道・小樽で撮影されている韓国のミュージックビデオ。その小樽で撮影された最新作。監督のムン　セフンは、ミュージックビデオ界で人気の監督。交通事故、死という、韓国ドラマでおなじみのシチュエーションが、この作品でも展開される。上映時には、コーディネーターをつとめた古家氏が、撮影に使われた台本も紹介する予定。

韓国No.1の若手女性バラード歌手、イ　スヨン（日本ではスヨンとしてデビュー済み）の最新ミュージックビデオ。これもまた北海道（映画「鉄道員（ぽっぽや）」のロケ地）で撮影されている。このミュージックビデオの画期的なところは、制作費をスポンサーから募り、制作されているという事である。そのため、特定の商品が、時代背景とはマッチせずに出てくるところが面白い。

富山で撮影された作品。富山の韓国雑貨店「チング」が主体となり、ロケをサポート。主演のソ　インヒョンは、ドラマ「天女と詐欺師」に出演するなど、人気女優の一人である。

東京は六本木を中心にロケされたミュージックビデオ。テーマは「人生」。韓国から東京にやってきた一人の男性。優しい日本人に囲まれながらも寂しさを拭えない男に、韓国にいる友人から1本の電話が。日本に来た友人と「ブラボー」な人生を願い大空に向かって大きくさけぶラストシーンが力を与えてくれる。

今年度のショートショート フィルムフェスティバル アジア、もう一つの特別企画は、「アカデミー賞受賞作品特別上映会＆セミナー」です。

2005 年度アカデミー賞実写部門受賞の「WASP」、短編アニメーション部門を制した「RYAN」２作品の日本プレミア上映のほか、2003年度アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた、山村浩二監督の「頭山」の上映、そして監督をお招きしてのトークショーを行います。その他、ショートショート フィルムフェスティバル2003にて、
ご紹介した「Manipulation」の上映など、盛りだくさんでお届けいたします。

23歳の若さで４人の子供を抱えるシングルマザーのゾエ。ある日昔の恋人に誘われて、一人の女として出かけて行くが･･･

かつて活躍した実在のアニメーター、Ryan Larkin の素顔に迫るドキュメンタリー調アニメ。薬物依存に陥ってしまった彼の日々、そして彼独自の世界観を極めて独特な手法で描き出している。

ケチな男がサクランボの種を食べたために、頭に桜が生えて、トラブルに巻き込まれる。落語「あたま山」を現代、東京に舞台を移し、アニメーションで新解釈を試みた作品。

「芸術はどのように現実を操作することができるか。」アニメーションによる、この賢くも残酷なコメディーは、数々のラインやドット、色彩のしぶきで生身の人間を表現する。