<イベントレポート>MILBON BEAUTY MOVIES ショートフィルム上映&トークイベント
SSFF & ASIAアンバサダーで映画コメンテーターのLiLiCoさんと元体操日本代表の田中理恵さんが登壇
米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」と美容室向けヘアケア・化粧品メーカーの株式会社ミルボンのコラボレーションによるショートフィルム配信プロジェクト「MILBON BEAUTY MOVIES」の上映イベントが3月31日にミルボン本社(東京・京橋)にて開催されました。SSFF & ASIAアンバサダーで映画コメンテーターのLiLiCoさんと元体操日本代表の田中理恵さんが登壇しました。
“スポーツと美”『どこを切り取られても絵になる選手でありたい』
元オリンピアンの田中さんを招いてのイベントということでトークは“スポーツと美”をテーマに進行しました。田中さんは「体操は採点競技なので、競技中だけでなく立っている時も含めて、『どこを切り取られても絵になる選手でありたい』と思って26歳まで現役を続けてきましたし、美しさに関しては練習中も含めてこだわり抜いてやってきました」とアスリートとしていかに“美”を意識して競技に臨んできたかを語りました。
一方で田中さんは、見た目の美しさや身体能力だけでなく、“心”の安定の重要性についても強調。「常に平常心です。平均台の上にのぼる時、どれだけ緊張しないでいられるか? そこは日々の積み重ねで決まってくるし、“心づくり”――常に自分自身と会話をすることで心も安定します。何百回、何千回と練習すると、試合ではゾーンに入る感覚で、全く緊張しない自分がいるし、自然と身体が動くんです。体操は4種目あるんですけど、最初の平均台で2回落下しても、体操選手って意外と切り替えが上手で、とりあえず平均台はなかったことにしようという感じで『次が1種目目』と考えるんです」とメンタリティの強さを垣間見せました。
LiLiCoさんは一時期、プロレスラーとして活躍したが、その経験を踏まえてスポーツにおける表情、特に笑顔の重要性について指摘。「笑顔の美しさってありますよね。プロレスは表情が8割でプロレス2割(笑)。多少弱くても(見せ方次第で)強そうに見える。私自身、ヒール(悪役)だったんで、楽しく、かっこよく、そして悪く見せないといけなかった」とふり返ったが、田中さんもLiLiCoさんの意見に激しく同意。「体操もそうです。調子が悪くても、審判の人たちに『メチャクチャ調子いいです』と見せないといけないし、そこから演技は始まっているんです。『わたしの体操を好きになってほしい』という思いをぶつけていました」と話しました。
健康と美、食の大切さ
続いて、話題はトレーニングや食事を通じての身体づくりや健康への意識について。田中さんは特に食事に関して「小学校1年生から本格的に体操を始めて、高校までお母さんが作ってくれた食事を食べていましたが、体重を365日、500グラムの間でキープしないといけないんです。太ってもケガするし、やせすぎてもパワーがなくなるので、食事はずっと気をつけていました。お母さんが作るご飯で面白かったのは、酢豚が(カロリーの少ない)酢鶏になっていたり、とんかつが衣のないただの豚肉だったり(笑)、自分が食べているものは3か月後、半年後の身体が出来上がるためなんだと思いながら食べていました」と現役時代のストイックな食生活を明かしました。
LiLiCoさんは2020年に、雨の道路で転倒して左脚の膝の骨を割るという大ケガを負ってしまい「今 は60%くらい治癒したけど、『正座は一生できない』と言われている」と明かしつつも「そんな言葉に負けない! 太ももを鍛えないと、年齢を重ねて転ぶと寝たきりになってしまう。筋肉をもう1回、作り上げないといけない。6月にマラソンがあるんです。走れなくても、ウォーキングが大事なので、歩くようにしています」と再起への思いを口にしていました。
さらにミルボンにちなんで、話題はアスリートのヘアアレンジ・ヘアケアに。田中さんは、現役時代はお団子ヘアにしていることが多かったそうで「頭の後ろでキュッと縛ってお団子にするだけで気合いが入りました。髪が目にちょっとでもかかると邪魔なので、できるだけカチカチに固めて、そうすることで『よし、頑張るぞ!』と勝負のスイッチが入っていました」と髪形を結うことで精神力を高めていたと話しました。
その後、26歳で現役を引退し、2度の出産を経て「最近、抜け毛が始まりまして、すごい勢いで抜けていくのでびっくりしています」としながらも、「新しい毛も生えてきて大変なんですけど、オイルを塗ってツヤを出したり、前髪も長い部分と短い部分をくっつけてもらったり、工夫をしてモチベーションが下がらないように楽しんでいます」と前向きにでオシャレを楽しんでいると笑顔で語りました。
第一部のトークに続いて、この日は現在MILBON BEAUTY MOVIESで配信中の『過去へ』と『クジラは泳がない』という2本のフランス発のショートフィルムの上映が行われました。
ショートフィルム『過去へ』:忘れられない美しい記憶は?
『過去へ』は“記憶”をテーマにした感動のドラマ。この題材にちなんで、2人に「忘れられない美しい記憶」を尋ねると田中さんは、2人目のお子さんの出産が帝王切開だったと話し、「部分麻酔で意識はあるので、赤ちゃんが目の前にフワッと出てくるんですね。あの瞬間は(自然分娩の)出産とはまた違う感動、赤ちゃんが出てくる美しさがあって、忘れられないです」と振り返りました。ちなみに、現役時代の記憶に関しては「こういう時、『オリンピックの記憶』と言いたいんですけど、緊張で全然記憶にないんです(苦笑)。VTRを見返して『あぁ、こういう会場だったな』と思い出すような感じで、申し訳ないんですけど、現役時代の美しい思い出というのがなかなかなくて…。ただメダルをもらった瞬間は、美しい記憶として残っていますね」と話してくれました。
一方のLiLiCoさんは「面白い記憶」として「膝の手術で釘を抜く時に、麻酔医の方がすごく上手で全然痛くなかったんですけど、目が覚めた時に私が『シャンパン飲めます?』って言ったらしくて先生は『退院してからにしてもらっていいですか』って(笑)」とLiLiCoさんならではの忘れられない思い出を披露し、会場は笑いに包まれました。また、人生で忘れられない美しい記憶として、祖国スウェーデンにパリ経由で帰った際に「真っ暗なパリの円い街のど真ん中にキラキラしたエッフェル塔が見えて、美しすぎて『この瞬間は一生忘れない』と思いました」とエピソードも語りました。
『これができないとダメ』じゃなく、得意なことをやればいい
もう1本のショートフィルム『クジラは泳がない』は、アーティスティックスイミングに憧れるいじめられっ子の少年を主人公にした恋と青春の物語。田中さんは「改めてスポーツっていいなと嬉しい気持ちになりました。(主人公が)夢中になって、スポーツ好きになってくれたらいいなという気持ちで見ていたし、映画っていいなと思いました」と今もスポーツ振興に携わる元アスリートらしい視点の感想を口にしました。
LiLiCoさんは、不器用な主人公が自分の居場所を見つけていく姿に「脚はきれいに伸びないかもしれないし、息も長く続かないかもしれないけど、身体が大きいから(チームメイトを乗せる)リフティングは上手。日本だとどうしても、個性を押し殺そうとしてしまいがちだけど、『これができないとダメ』じゃなく、実は別のことが上手かもしれないし、得意なことをやればいい」と共感を示しました。
独身の頃はよく映画を観ていたという田中さんだが「子どもが生まれると、なかなかじっくりと観る時間が取れないですね。子どもに呼ばれて戻って…で、なかなか感情移入して入り込めない(苦笑)。だからこそ今回、短い時間でじっくりと自分の世界に入り込めて嬉しかったです」とショートフィルムだからこそ、子育てで忙しいさなかでも映画を楽しめたと笑顔で語りました。
LiLiCoさんも田中さんの言葉にうなずき「映画館で公開中の映画だと『子どもをどこに預けるの?』ってなっちゃうけど、ショートフィルムは短いし、今は配信もあるので家で浸れます。私も昔は『映画は映画館で観るために作られている』と思っていましたが結局、良い映画は映画館で観ても携帯で観ても面白いし、そこで少しだけ現実から逃避できればいい。数分の物語で『自分だったら?』と考えたり、自分の良いところを引き出してくれたり、自分と対話ができる」とショートフィルムの魅力を熱く語ってくれました。
『ま、いっか」と思える気持ちを大事に
この日はさらに、自身のYouTubeチャンネルでもダイエットのためのストレッチを紹介して人気を博している田中さんが、会場に集まった人々とLiLiCoさんのためにおススメのストレッチを伝授! 気軽にできる太もものストレッチや耳マッサージ、電車の中でもできる方法などテクニカルな指導とともに、忙しくてなかなか継続して取り組めないという人のために、習慣化のためのアドバイスも…。田中さんは「私自身、普段からストレッチのための時間というのはなくて、全て“ながら”で、家のことや子育てをしながらやっています。出産後の半年で10キロ落としたんですが、その時は魚をよく食べたし、和食が多かったです。ご飯を抜くと代謝が上がらないので、しっかり三食を食べた上で、とにかくよく歩いていました。ただし、おやつは“ご褒美”感覚です(笑)。私の考えは『24時間の中の5分でも頑張ろう』というもの。たった5分でも毎日の習慣にすれば変わってきます」と教えてくれました。
さらに「これも私流ですが、子育てしながら仕事もして、時にはいっぱいいっぱいになることもあります。そんな時、プラス思考で『ま、いっか』と思える気持ちを大事にしています。部屋が汚くても死なないし、お皿は明日洗えばいい。『ま、いっか』に救ってもらっています」とストイック過ぎないポジティブシンキングの効能を説いてくれました。
『自分の人生は自分で作る』
LiLiCoさんは、世間的には明るく快活なイメージが強く、田中さんもLiLiCoさんに対して「TVで見ていると、常にプラス思考で明るいイメージ」を抱いていたそうだが、本人曰く「THE マイナス思考(笑)」とのこと。そんなLiLiCoさんだからこそ、田中さんのポジティブ思考の言葉に共鳴する部分があったようです。「普段からマイナス思考で、『ここから降りたら、足をくじくんじゃないか?』とかすぐ考えちゃうけど(笑)、そうならないから『よかった!』とプラスに思えるんです。もし80歳まで元気に生きるなら、単純計算でたった3万日しかない。それなら今日を楽しく生きようと思うし、『今日も目が覚めた』というのが大事。今日も目が覚めて、おうちもある――それがない時期もあったので、それだけで幸せです。日本のみなさんは『何か良いことないかなぁ?』と言いがちだけど、ハッピーって飛んでくるもんじゃなく、自分の中にあるんですよ。それを見つけ出すのが日本人はちょっと苦手なのかも。あなたの中にあるハッピーを見つけ出すパワーを身に着けることが大事!」と力強く訴えました。
田中さんは、LiLiCoさんの胸アツな言葉に深く感動した様子。「私も現役時代から大切にしているのは『自分の人生は自分で作る』ということ。良いことも悪いことも自分が引き寄せているし、悪いことを引き寄せても『どうやったらクリアできるだろう?』と自分と常に会話しながら、『自分の人生は自分で作るんだ』と思って生きているので、LiLiCoさんの言葉がジンときました」としみじみと語り、自分らしさを大切に、“いま”を生きる2人に会場からは温かい拍手が送られました。
MILBON BEAUTY MOVIES
2022年2月にスタートした、ミルボン×「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」によるショートフィルム配信プロジェクト。
「美しさを拓く。Find Your Beauty」をコーポレートスローガンに、「美しさを通じた心の豊かさ」の実現を目指すMILBONと共に、世界中から厳選したショートフィルム作品をオンラインで配信しています。心温まる美しいストーリー、心に響く美しい映像や音楽、ワクワク、きらきら、ドキドキ、ほっこり…ショートフィルムで出会える様々な美しさを通じて、ちょっと心が豊かになるような、そんな時間をお届けしていきます。