【レポート】ゴシチョン映画祭(韓国)に参加してきました!
11/26(日) Short Shorts Film Festival & Asia製作作品『HOME AWAY FROM HOME』が、韓国で行われた第三回ゴシチョン映画祭に招待されました!
映画祭の中で行われるAsia Forumにてゲストとして映画祭プロデューサーの林が参加。
韓国の映画監督キム・ミュンジョン(Kim Myung Jong)氏、韓国をベースに映画を制作するイギリス人監督フォレスト・イアン・エツラー(Forest Ian Etsler)氏、フランス人監督セバスチャン・シモン(Sébastien Simon)氏と共に議論を交わしました。
“ゴシ”とは韓国語で「テスト」の意で、居住者の多くが学生、いつもテストや作品の準備に追われている街、ソウル近郊のゴシチョン地区を象徴する映画祭です。
3階建てのカフェテリアにて30人ほどのオーディエンスが集まり、熱心に3本のショートフィルムを鑑賞。
1本目のショートフィルム『Audion』は、芽の出ない役者がゾンビ役を得て、交際相手や周囲にバカにされながら人生を模索していく作品。2本目に『HOME AWAY FROM HOME』の上映を挟み、3本目に上映されたショートフィルム『The Trouble Troubadour』を上映。日・韓・仏・英共同制作で、日本人の男性が韓国の山奥で子供達に音楽の神さまと勘違いされ、自分の人生を走馬灯のように振り返りながら、線路を小舟で行脚していくアート映画。
文字通り三者三様の作品が集まり、各国の「映画制作事情」「国からの若手映像クリエイターへの支援」「作品から読み解く映画の中の時間」などをメインテーマに話は進みます。
学生や単身者が多いゴシチョン地区は、韓国でもまだメジャー作品を撮っていない若手監督が多く在住している地区。 キム氏からは、
「私の作品にも見られるように、韓国では”一般的”ではない映画監督や役者、音楽家という職業に対して世間や家族の理解が得られないのが現状。ゴシチョン地区には、そういったしがらみから抜け出そうと四苦八苦する若者が多く住んでいる」
といった韓国の映像制作の現状が語られ、他の国との比較、今後の韓国における映像制作の行方などに対してオーディエンスに問いかけました。フォレスト氏は「韓国は撮影使用許可に対して比較的寛容。多くの欧米諸国ではそれが非常に難しくなりつつある」と答えます。
映画祭プロデューサーの林も「欧米の都市圏の現状と比べると、東京都内で許可取りをすることは本当に至難の技。国や地域からの支援が日本のクリエイターにも求められる」と、日本の現状を語りました。
氏からは、『HOME AWAY FROM HOME』についての言及も。
「あの360度撮影を駆使した”リトル・プラネット”にはやられた!いい表現だよね」
今後の東アジアの映画制作と新たな映像表現の可能性、様々な議論が交わされ、イベントは幕を閉じました。
同日には、別会場にてアワードセレモニーが行われ、それぞれの受賞者が登壇。
賞金と副賞を授与されました。
こちらの会場は、オープニングセレモニーにも使われており、韓国クァナク区の区長ユ・ジョンピル(Yu Jong-pil)氏が『死亡遊戯』のブルース・リー風な衣装で会場とメディアを盛り上げていました。昨年はチャーリー・チャップリン風の衣装で現れたとのこと。
区長の衣装が、毎年の風物詩になりそうです。
(報告:林聡宏)