EXILE 橘 ケンチさんと映画祭代表 別所の対談をブリリア ショートショート シアターにて行いました!
TACHIBANA KENCHI PRESENTS REMEMBER SCREEN INTERVIEW.11 TETSUYA BESSHO
月刊 EXILE で連載されている橘ケンチさんの REMEMBER SCREEN にて、ブリリア ショートショート シアターをご紹介いただきました。ケンチさんと代表の別所哲也との対談ではまた、ショートフィルムの魅力を存分に語っ て頂いています。
※以下、は月刊 EXILE(11/27 号)からの抜粋になります。
今月の橘ケンチ連載は、横浜・みなとみらいに構える世界中のショートフィルムを上映する専門ブティックシアタ ーの「ブリリア ショートショート シアター」へ訪問。劇場の開設・代表を務める、俳優の別所哲也さんを迎え、館内を案内していただきながら、今話題のショートフィルムの魅力に迫る。
橘ケンチ(以下 T):先ほど、シアターでショートフィルムを観させていただきました。ショートフィルムももちろんです が、シアターの雰囲気や外観もすべてが最高でした!
別所哲也(以下 B):今日はわざわざ横浜までお越しいただき、ありがとうございます。
———ケンチさんと別所さんは、以前より交流があったと伺いましたが。
T:別所さんとは、劇団 EXILE の秋山真太郎が 2013 年に舞台で共演をされていて、僕が“別所さんに会いたい”と言って紹介をしてもらいました。
B:実は、僕も秋山くんにずっとケンチさんに会いたいと言っていたんです。何度かお会いさせていただいて、今やメールを交わす仲になりました。ケンチさんには、僕が主宰する国際短編映画祭ショートショート フィルムフェステ ィバル & アジアにもお越しいただいていてとても嬉しい限りです。
T:ショートフィルムに関することを別所さんがいろいろと教えてくださって、今やショートフィルムラブになっていま す。
———お互いの印象はいかがですか?
B:ケンチさんは、EXILE のパフォーマーとして、ダンスのカッコよさはもちろんなのですが、僕はテレビでふと観た 番組の“ケンチマン”に惚れ込んでしまいました。役者として、舞台『ドン・ドラキュラ』も観させていただいたのです が、すごく素敵で、表現者としての振り幅の広さに僕は魅了されています。
T:恐縮です(笑)! 別所さんは、もちろん役者さんとしても大尊敬なのですが、ショートフィルムというビジネス の話を聞いて、そういった部分でもすごく魅力的な方だなと思いました。
B:ありがとうございます。僕はただ、好きなものを好きなだけ追いかけているという感じです。
T:そもそも別所さんがショートフィルムに出会われたのはいつ頃なんですか?
B:1997 年ですね。
T:15 年以上も前なんですね。
B:まだインターネットもそんなに普及していない時代で、世の中の人が携帯を持ち始めたくらいのときです。当時、アメリカのソニー・ピクチャーズのスタジオで、10 人の若手映像作家のショートフィルムをオーディションスクリーニングするから観に来ないかと友人に誘われました。正直最初は、ショートフィルムに関心がなく、あまり乗り気ではなかったのですが、せっかくの誘いだったので、1回だけ観に行こうかなというくらいの気持ちで行ったのがきっかけ です。そしたら、そこで観た作品がすごく面白くて衝撃を受けました。その日の夜に監督たちと飲みに行き、「ショ ートフィルムはどうやって作って、どこに出すの?」と聞いて、ロバート・レッドフォードのサンダンス映画祭や、コロラド のアスペン短編映画祭など、映画祭のことを教えてもらったんです。映画祭には、「映像作家や監督、俳優、ス タイリスト、ヘアメイクアップアーティストとか、これから出てくる若い人たちがいっぱい集まっているから、哲也も映画祭に行って、いろんな人たちと知り合った方がいいよ」と言われ、目から鱗の状態でした。
T:すごい経験ですね!僕もそういう経験をしてみたいです。
B:その経験の翌年に行ったサンダンス映画祭では、彼らの言っていたように、開催されている街の図書館などに、スパイク・リー監督がいたり、まだ売れていない頃の俳優のベン・アフレックや女優のクリスティーナ・リッチがいま した。
T:それはヤバいですね!お話を聞いているだけでワクワクしてきますね。このシアターはどんなきっかけで開設 されたんですか?
B:僕が初めてショートフィルムの国際映画祭を主宰してから 5 年目にクリエイターから、1 年中作品を流せる 場所がないという話を聞き、なぜそういった常設館がないのかを疑問に思って、作りたいと思ったのがきっかけです。 映画祭が 10 周年の時にここが出来ました。
T:どうやって映画館をつくったんですか?
B:試行錯誤をしながら作っていきました。映画館に観には行くけど、どうやって作ったらいいのかわからない。ここは当時、更地だったので、そこに商業施設として、どういう建物を作るのかをまったくのゼロからいろいろな方にご協力いただいてプロデュースをしていきました。
T:僕らもライヴをするときには箱が必要ですし、芝居をする劇場もそうですが、箱を作るのは究極ですよね。
B:そうですね。当時、1 年中ショートフィルムを上映してくれる映画館があったら、この場所を作らなかったかも しれないですね。流せる場所がないのであれば、それを作ってしまえばいいと思い作りました。
T:カッコいいですね! でも、なんで日本にショートフィルムを上映するところがなかったんですか?
B:少し難しい話になってしまうけど、やはり、20 世紀に作られた映画の興行モデルが流通の中にあって、ショー トフィルムをどのように扱っていいのか分からなかったのかもしれないです。
T:そういうことだったんですね。
B:おそらく、手間をかけてやる人がいなかったんだと思うんです。だけど、僕はすごくその可能性を感じていて、自分なりにショートフィルムをいろんな形でやっていきたいと思っています。ケンチさんはショートフィルムを観てみて いかがですか?
T:以前別所さんが“ショートフィルムはノールールがルール”とおっしゃっていた言葉の意味がわかったような気がします。ショートフィルムは、1 分のもあれば 25 分のもある。本当にルールがないし、僕は今まで長編映画を観 てきたので、映画は2 時間という概念が覆される。今までショートフィルムは、ある意味、食わず嫌いではないですけど、好んで観てこなかったところがありました。でも実際に観てみたら、作り手の創意工夫がこんなにも感じら れるというところでは、長編映画よりもスリリングだなと、すごく刺激を受けました。勝手ながら僕も何かできるかもしれないなと思いました。
B:それはうれしいですね。ケンチさんには、監督やプロデュース、主演・監督・脚本の作品を是非やっていただ きたいです。
T:それこそ初めて、ショートショート フィルムフェスティバルに行ったときに、インスピレーションを受けて、自分で 少し本を書き始めました(笑)!
B:素晴らしいです(拍手をする)!!
T:昔の記憶なのですが、劇的なドラマがあったんです。長編映画にするのは難しいかもしれないんですけど、シ ョートフィルムだったら、もしかしたらできるかもしれないと思いました。すぐに形にできるかは分からないですけど、そう思えたことが自分のなかの驚きと発見で、パワーをもらえたので、ショートフィルムが大好きになりました。
B:うれしいです!表現をしている人だったらショートフィルムを観たことで、自分でもなにかできないかと、特に感 じると思います。
T:僕も将来的には何かエンタテインメントを作りたいと考えているんです。それは映画やライヴなのかもしれないですし、もしかしたら、こういった劇場を作ることなのかもしれないですけど、人に喜びや感動を与えられるものを 生み出すことをやっていきたいんです。なので、別所さんのように活動をされている存在は本当に憧れます。
B:いやいや、そんなありがとうございます。何でも手伝いますよ。
T:是非、お願いします!ちなみに別所さんが好きな映画は何になりますか?
B:僕の映画祭も応援してくださっているジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』や『007』などの大作は、時代も切り取るし、その当時の自分の人生とも繋がっていたりもするので好きです。子どものころに観て忘れられな いのは、『小さな恋のメロディ』(1971年)という映画で、少年と少女が、恋に落ちて駆け落ちをする可愛らしい話です。僕の青春時代には、トム・クルーズが出始めた時期だったので、『トップガン』(1986年)や『セント・エル モス・ファイアー』(1986年)、『フットルース』(1984年)なども好きですね。何度も観直してしまう映画は、『ショ ーシャンクの空に』(1995年)ですね。
T:『ショーシャンクの空に』は僕も大好きです。
B:僕は自分が好きだと思った映画は、「とにかく100 回観ろ!」とみんなに言っているんです。何度も観ることで編集のリズムや、なぜ自分がこの作品を好きなのかが分かってくるし、自分の精神状態や年齢によっても変わってくると思います。僕が1年を通して目標にしているのは、自分が好きだった映画をとにかく何度も観続けること と、逆に自分から好んで観ないであろうジャンルの映画を 100 本観ることなんです。
T:僕も昔は、いろんな映画を知りたくて、とにかくいろんな映画を観ていました。でも、ある時、観たことがある 映画をもう一度を観たら、「ここは、こんなふうになってたんだ」みたいな気付きがあったんです。そこで、ひとつの作 品を 1 回観ただけだと、意外とあまり記憶に残っていなかったりするのはすごくもったいないと思ったんです。なので、 最近は、映画の本数を観ることよりも、一度観た映画を何度も観るようにしています。あとは、英語を勉強して いるというのもあるので、外国の作品などを何度も観ていると、決めセリフやコミュニケーションの仕方なども覚えて きて、英語の勉強にもなるんです。
B:確かにそうですね。ケンチさんは、英語もすごいから、そのうちハリウッド映画に出ると僕は思っています。
T:出てみたいですね。そろそろお時間が来てしまったようですので、改めてシアターの魅力を教えてください。
B:横浜のみなとみらいにありますので、横浜へ遊びにいらした際には、ケンチさんをも魅了した 128 席のいろんな想いを散りばめたブティックシアターで、ショートフィルムを皆さんに観ていただけたら、嬉しいなと思います。最近 では YouTube などのネット上にも、いろんな作品がありますが、ぜひ、大きいスクリーンで、ショートフィルムの魅 力を体感しに来ていただけたら嬉しいです。
T:本当におしゃれで素敵な劇場だと思いましたので、多くの方に足を運んでいただきたいですね。
B:是非、またいらしてください。
ブリリア ショートショート シアターとは 米国アカデミー賞公認の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」と連動した日本 発のショートフィルム専門の映画館として、2008 年に誕生。俳優の別所哲也が代表をつとめる。世界中から 集まった選りすぐりの作品を 1 プログラム 60 分の中で 4~6 本上映している。館内はレッドカーペットをモチーフ に赤を基調とした内観で、カフェではドリンクやフードも充実し、カンヌ映画祭の会場やオペラ座でも使われてい るフランスキネット社の椅子が、ゆったりと心地よいショートフィルムの世界へと誘う。国際映像文化事業としても 注目を集めるショートフィルムの活性化、また、将来の映画界を担う若手クリエイターへの才能発掘という想い のもと、横浜・みなとみらいからショートフィルムの魅力を発信している。 http://www.brillia-sst.jp/