【レポート】9月17日(土)Short Shorts Film Festival & Asia OSAKA 2016 Program ②・③

【レポート】9月17日(土)Short Shorts Film Festival & Asia OSAKA 2016 Program ②・③

9.17(土)Program② 13:10~15:00では、「フランス映画祭2016」(6/24~ 6/27開催)の短編作品集を上映!ドタバタのコメディ『スピーディー』では会場が笑いに包まれ、ドラマ『ママ(たち)』のようにグッと胸に迫る作品もありました。9.17(土)Program③ 15:50~17:40では、アカデミー賞受賞作を含む名作が並ぶ「アカデミー賞プログラム」を上映し、世界のショートフィルムの最高峰を堪能していただきました。

また両プログラム上映後には、TKO 木下 隆行さんが出演するショートフィルム「絵師の報酬」を特別上映し、TKO木下さんによる笑いに溢れるアフタートークが行われましたので、その詳細をレポートします。


 

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-今回どんなきっかけでこのショートフィルムへの出演が決まったんですか?
『絵師の報酬』の高野有里監督が、実は数年前に出ていたバラエティ番組のADさんだったんですよ。当時はまだ20代前半で、キャップを横にかぶって「全然寝てませんねん!」とか言ってて、少女のようなあどけない感じでした。それが今回有里ちゃん(高野監督)から出演依頼を受けて、お笑いじゃなくて映画なの?と驚いて。完成してみたらとても深い映画になっていて、監督としての姿に改めて尊敬しました。

 

-『絵師の報酬』絵師役の佐川満男さんは、6月の映画祭ジャパン部門でベストアクター賞をとられたそうですね。
佐川さんは大御所で、本当にすごい役者さんです。この映画の中でも実はあまりセリフはないんですけど、まさに背中で物を語るような、ものすごいオーラと存在感がありました。でも高野監督は「もっと声のトーンを落としてください」とか、物怖じせずに言ってましたよ(笑)若いのに大丈夫かなと思いましたけど、佐川さんも監督をリスペクトして、きちんと演出に応えていらっしゃいました。

 

-映画の舞台となった銭湯が印象的でしたけれども、撮影はどこでされたんですか?
これは京都にある実在の銭湯で撮りました。でも銭湯の壁面にある富士山の絵は、板を置いているだけで実際には書いてはいないんです。一方で団地のシーンは、本当に団地の壁に直に絵を書いていて、普通逆じゃないの!?と思いました(笑)

 

-木下さんは最近だと『日本で一番悪い奴ら』等にも出演されていますよね。
はい、この映画ではヤクザの役として出演していて、役作りのために夜の新宿の街を歩いてみたりもしました。

 

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-今後も俳優としても積極的に活動されるんですか?
夢のような世界ですけれども、今後もぜひ出ていきたいです。お笑いでもコントをずっとやってきたので、半分くらい芝居のような要素があるんですよね。

 

-コントと芝居では演技のやり方を変えるんですか?
コントは誇張して笑いを取りに行きますけど、映画は自然さを求められるじゃないですか。だから『絵師の報酬』の中で、僕が振り返りざまに澄ました顔で「やかましいわ」っていうセリフがあるんですけど、見るたびに芸人としての自分が「なに俺イキってんねん!」って思いますね(笑)

 

-尊敬する俳優さんはいらっしゃいますか?
西田敏行さんはとても尊敬しています。以前三谷幸喜監督の『ステキな金縛り』で、西田さんが落武者の幽霊の役をしている時に共演をしたことがあって。僕は西田さん(落武者の幽霊)のことが見えていない設定の役なんですけど、西田さんは僕が見えていないのをいいことに触ってきたり、ガンガンやってくるんですよね。でもこれは実はアドリブではなくて、その部分は全て西田さんが自分で台本を作って監督に見せて、ちゃんと計算した上でやっていて。これはすごいなと尊敬しました。

 

-三谷監督からはどういう経緯でオファーがあったんですか?
以前あるお笑い番組に出た時に、三谷さんが読売新聞のコラムにTKOのことを書いてくださったんです。それも「1分で僕らのやりたいことをやっている驚異的な存在だ」というふうに、すごく褒めていただきまして。
その後三谷さんが『マジックアワー』の番宣で審査員としてお笑い番組に出演された際に、コラムのお礼を伝えに行ったら「次の映画に出てくださいよ」と仰って頂いたんです。当時はマジックアワーが公開になったばかりでしたし、社交辞令かなとも思ったんですけど、3年後にちゃんとオファーが来ました。撮影初日に三谷監督から「ちゃんと約束守ったでしょ!」と言われました(笑)

 

-三谷監督の作品はコメディですが、笑いを取るという点においてもコントと映画で違いはあるんでしょうか?
そうですね、例えば『ステキな金縛り』だと、僕自身には落武者の幽霊は見えないんですけど、僕の妻には見えてしまうという微妙な役どころで。三谷さんからは「幽霊を信じられない気持ちと、嫁の言うことだから信じるという気持ちを6:4の割合でやって」という非常に難しい指示がありました。何度も撮り直しして、一番いいカットが取れた時には「そうその顔だよ!せんとくんみたいだ!」と言われました(笑)そういう繊細さは違いますね。

 

-今後俳優として出演のご予定はありますか?
今はちょうど「侠飯~おとこめし~」というドラマに出ています。また詳細はまだ言えないんですが、実はもう既に撮ったものもありますので、是非ご期待ください。