【2018】ベストアクター&アクトレス、観客の投票で決まるオーディエンスアワードほかを発表
今年20周年を迎えた、米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)は、6月4日(月)から24日(日)まで開催期間を終え、来場者数約2万人を数えるなど盛況のうちに閉幕しました。
ショートフィルムによって話題を創出し日本の映像業界の振興に寄与した人物や作品に贈る「話題賞」を、ミュージックビデオ部門にノミネートした小袋成彬さんの『Selfish』に授与することを決定。そのほか、オフィシャルコンペティションの各部門から選ばれるベストアクター&アクトレスアワード、ファッションショートおよびミュージックビデオの部門の優秀賞、映画祭来場者の投票により選ばれるオーディエンスアワードもあわせて決定しました。
また、8月17日(金)から19日(日)は横浜開催、9月15日(土)から約1ヵ月半にわたり福岡開催(福岡、大川、久山、宗像、八女の5箇所で開催)が決定!お近くの方はぜひご来場ください♪
話題賞
日本のショートフィルム文化の発展・普及に貢献した作品・人物に贈られる賞
SSFF & ASIA 2018 ミュージックビデオ部門ノミネート作品
『Selfish』(楽曲:小袋成彬)
監督:石田悠介 / 5:17 / 日本 / ミュージックビデオ / 2018
”自動車の事故”をきっかけに起こる周囲の人間の心情の変化をスローモーションで巧みに表現し楽曲「Selfish」の世界を見事に描いた作品。楽曲の持つ、私小説を読んでいるかのような作品性の高さも映像とマッチングし、高い評価を受けた。映画館の座席に座る小袋成彬から始まる本作はまさに一本のショートフィルムを見たような感覚に陥らせられる。本作品は小袋成彬にとっても初のミュージックビデオ。
このビデオは小袋君から曲・アルバムのコンセプトやその背景にある色々なエピソードを聞くところから始まり、小袋君の音と言葉の世界をビジュアルで自分なりに表現しようと努めました。このような賞を頂き、これからも音楽と映像の独特な関係性を作り出せるように頑張ろうと思いました。賞の関係者、また制作スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
Fashion Short of the Year
ファッションブランドがつくるショートフィルムの中で最もシネマ的な作品に贈られる賞
『Grisha’s Guide to Kiev』
Jordan Blady / 5:29 / ウクライナ / Ksenia Schnaider / 2017
グリーシャが彼の故郷キエフでお気に入りの場所を案内してくれる。
ウクライナの首都キエフの街並み、ガイド役のグリーシャの愛嬌、そして各シーンに登場する女性陣のファッションの魅力が良いバランスで表現されていたため。
ミュージックビデオ部門 優秀賞
ストーリーや、ドラマ性、イノベーションを感じる「シネマチック」なミュージックビデオを、国内外から募集した部門
『Terraform』
Jorik Dozy&Sil van der Woerd / 5:05 / インドネシアミュージックビデオ / 2017
インドネシアの硫黄山で鉱員たちが家族に捧げる努力や犠牲を描いた作品。
インパクトのある映像、シネマチックな演出と高く美しい声が相まって、そこからアーティストや楽曲の持つメッセージ性、現実を訴える力を強く感じる作品であったため。
ベストアクター・アクトレスアワード
オフィシャルコンペティションの3部門から、それぞれ優秀な俳優と女優に贈られる賞
<インターナショナル部門 ベストアクター>
山内健二 『あと さん ねん』(Ato San Nen)
Pedro Collantes / 25:00 / フランス、スペイン / コメディ / 2018
言葉のコミュニケーションが取れないという設定ながら、自然な演技で純粋なキャラクターや繊細な感情を見事に表現していた。
<インターナショナル部門 ベストアクトレス>
ベアトリス・ピカール 『マルグリット』 (Marguerite)
Marianne Farley / 19:09 / カナダ / ドラマ / 2017
近づく死を受け入れる逞しさと報われなかった恋に想いを馳せる切なさを体現、優しくも凛とした美しさが際立っていた。
<アジア インターナショナル部門 ベストアクター>
パク・ヨンウ 『年上のプライド』 (The homecomingday)
Hoyoon Hwang / 19:21 / 韓国 / コメディ / 2017
間やテンポの使い方、コミカルな演技のバランスが素晴らしく、コメディという難ジャンルを丁寧に成立させていた。
<アジア インターナショナル部門 ベストアクトレス>
カニ・クスルティ 『偽りの赤』( Counterfeit Kunkoo)
Reema Sengupta / 15:00 / インド / ドラマ / 2017
強い心の芯を持ち、受け入れざるをえない現実と葛藤する女性をうまく表現していた。
<ジャパン部門 ベストアクター>
入江崇史 『公衆電話』 松本動 / 15:47 / 日本 / ドラマ / 2018
台詞が少ないなか、佇まいや表情で娘想いの不器用な父親を演じきっていた。
<ジャパン部門 ベストアクトレス>
加藤理恵『痣』
井上博貴/23:37/日本/ドラマ/2017
暴力への恐怖と孤独、そして男から逃れたいという強い意志が目の奥に見て取れ、観ている者の心を動かす演技であった。
オーディエンスアワード(観客賞)
オフィシャルコンペティションの3部門から、来場者の投票により選ばれる賞
<インターナショナル部門>
『お静かに』 (Silence Please)
Carlos Villafaina / 17:03 / スペイン / ドラマ / 2017
地味な家庭で育ったダニは、母親と 脳性小児まひを抱えるハビエルと暮らす。ハビエルは民間図書館でインターンをしているが、些細なことから家族の一日のリズムが崩れ始める。
<アジア インターナショナル部門>
『おねえちゃん』(JIEJIE)
Feng-I Fiona Roan / 15:30 / アメリカ・台湾 / ドラマ / 2017
日曜日、心配性の母と甘えん坊の妹とともにフェンは初めて中国系アメリカ人が集う教会へ向かう。アメリカ人らしくない容姿が恥ずかしく、アメリカに移住してからずっと溜まっていた不満を爆発させる。