「いつもハングリーで!!」 河瀨直美[映画作家]が〝答える!〟SSFF & ASIA 2015

「いつもハングリーで!!」 河瀨直美[映画作家]が〝答える!〟SSFF & ASIA 2015

今年のオフィシャルコンペティションには、各国の映画祭で喝采を受ける映画作家・河瀨直美が参加! このコンペで出会った作品について直撃!

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——河瀨さんは、(監督としても、審査員としても)カンヌ映画祭をはじめいろんな映画祭に参加されていますが、映画祭のもつ意義や使命はどんなところにあると思われますか?

河瀨 映画祭はまたそこに帰ってきたいと思える場所だと思います。
そしてまた世界のあちらこちらで創作活動をしている仲間と分かち合い、力をつけて自分の場所に戻ってゆくのだと思います。
——上映時間の短いショートフィルムはどんな可能性を持つと思われますか?
河瀨 多くの人に見てもらえる、見やすい環境を短い時間ということを利用してつくりやすいということがあると思います。
——グランプリを獲得したイランのレザ・ファヒミ監督の「キミのモノ」が他から抜きんでていたのはどんなところでしたか?
河瀨 リアリティです。子供の演技とは思えないようなリアルな表情や行いを物語の中に組み込んで、ひとつの作品に昇華できていました。
——インターナショナル部門の優秀賞を獲得した、チュニジアのロットフィ・アコー監督作「父親」を観てどんなことを感じましたか?
河瀨 クオリティの高い作品だと思いました。カメラワークや編集技術が非常に優れていると感じました。
——ジャパン部門優秀賞は岸本司監督の「こころ、おどるKerama Blue」でしたが、今回日本産のショートフィルムをご覧になられて、どんな感想を持たれましたか?
河瀨 正直、インターナショナルの水準と比較するとまだまだ努力出来る部分があると感じました。

——賞からはもれてしまった、今回お気に入りの作品があれば教えてください。
河瀨 「 Barrier 」(15※1)。

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——全作品の作中人物でもっとも興味を惹いたのは、どんな人物でしたか?
河瀨 カナダの作品の身体障害者の方のセックスを手伝うという役柄を演じている男性(『ジレンマ』※2)。 IB3
——これからショートフィルムを撮ろうとしている日本の若い人たちにメッセージをお願いします。
河瀨 多くの優れた世界の監督と接する機会を持てるショートショート フィルムフェスティバル& アジアを活用して、世界とのコミュニケーションを計りながら、短篇の良さを存分に使い、自らをアピールして、作品を創り続けてください。いつかどこかの映画祭で出会ったときに、一緒に映画談議、人生談義をしましょう! いつもハングリーで!!

 

※1 箱守惠輔監督作品(日本)。車椅子の青年に訪れる皮肉な運命を描く。
※2 Anas Barbeau-Lavalette & Andr Turpin監督作品(カナダ)。ある仕事を任命された介護士を描く。

 

出典:キネマ旬報 2015年10月上旬号 No.1699 

 

 

さて、ショートフィルムを観たくなってしまったアナタに朗報です

シネマミュージアム情報

ストリートアーティスト、シェパード・フェアリーの実話をモチーフにした作品を日本初上映。SSFF & ASIA 2015グランプリ受賞作品を含む全6プログラムを無料上映。米国アカデミー賞やカンヌ映画祭でも上映された世界のショートフィルムをお楽しみいただけます。
□期間/会場
2015年10月14日(水)〜18日(日)/東京都美術館
2015年10月13日(火)〜16日(金)/アンダーズ 東京 51階アンダーズスタジオ
料金:上映無料  ※事前予約受付中

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作品公募情報

アカデミー賞をつかめ! 米国アカデミー賞公認国際短編映画祭 ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2016 全世界へ作品募集中!

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