<イベントレポート> 『昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-』プレミア上映会&Special Live
EXILE HIROさん、SSFF & ASIA 代表 別所哲也、作詞家 小竹正人さんの3人によって打ち出された、詩と音楽、映像を一つに融合するプロジェクトの第4弾 『昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-』が、11月26 日(金)より全国公開するのに先駆け、本作の完成を記念した「プレミア上映会&Special Live」が開催されました。
GENERATIONSのメンバー、各作品の主題歌を担当したKAZUKI、伶、DEEP SQUAD、iScreamが登壇し、MCは企画・プロデュースを務めた別所哲也がつとめました。
本作は、短篇6作それぞれの主題歌からインスパイアされ生み出された物語に、GENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーが主演、主題歌を担当するなど全員が参加。GENERATIONSの“今”を切り取ったのは、SABU監督、新城毅彦監督、山下敦弘監督、森義隆監督、真利子哲也監督、久保茂昭監督。"今日という一瞬一瞬を重ね、明日へと歩みを進める我々には、いつもそっと寄り添ってくれる歌がある。こんな時だからこそ"と映画と音楽の力に込められたメッセージが織りなす珠玉の短編集です。
「BLUE BIRD」主演の佐野玲於さんは「SABU監督と組んで撮影させてもらいました。KAZUKIさんが素敵な歌を届けてくださり、骨太な作品が出来上がりました」と満足の様子。
「言えない二人」主演の白濱亜嵐さんは「誰もが経験する甘酸っぱいストーリーになっています」とアピールすると会場は大きな拍手に包まれました。
「水のない海」主演の小森隼さんは「主演と紹介されて、今、改めてすごく緊張しています」早口で挨拶し、緊張の様子が手にとるように伝わってきました。
「怪談 満月蛤坂」主演の中務裕太さんは「(僕の)人生で、主演で舞台挨拶やるとは思ってなかったです。緊張していますがよろしくお願いいたします」と元気よく挨拶しました。
「COYOTEで主演・主題歌を担当した片寄涼太さんは「平日にも関わらず、ご来場ありがとうございます」と観客に向かって笑顔で感謝を伝えました。
「真夜中のひとりたち」主演の関口メンディ―さんは「主演と紹介されて実感してきました。いつものキャラを削ぎ落として、挑んだ役です」とキリッとした表情で挨拶しました。主題歌担当の数原龍友さんは会場を見渡しながら「今日は、僕“1人”のためにこんなにたくさんの方に集まっていただきありがとうございます。“僕”の作品を楽しんでいただけましたか?」とワンマンステージのように振る舞い、笑いを誘いました。
別所から各作品についての感想や撮影時の話を聞かれると、
仲良し兄弟の兄役を演じた佐野さんは「パンクって、見てくれのジャンルとか、音楽の歴史というよりも、若者の主張ということに重きを置いていると思います」と説明し、「兄弟愛や、一番近くにいる大切なものを失う様が描かれる中で、拳銃が登場するシーンでのやりとりなど、SABU監督らしい狂気とユーモラスの混ざった感じが落とし込まれていて、演じていてすごく楽しかったです」と作品の魅力に触れました。楽曲のKAZUKIさんは、最初に歌詞を見たとき、男女の関係を描いた曲だと思ったそうで、「恋愛の切ない別れがテーマだと思っていました。映像を見たら、もっと大きな別れ、悲しみが描かれていました。その中に希望もあり、心がすごく動かされました」と作品の感想を伝えました。この日のパフォーマンスについては「いつもと全然違う雰囲気で、めちゃくちゃ緊張しました。普段は楽曲に自分の思いを落とし込んでパフォーマンスするのですが、今回は自分が主人公ではないので、小説の読み手になった気分で歌わせていただきました」と楽曲への向き合い方について語りました。
「GENERATIONS主演で舞台挨拶する日がくるなんて想像してなかった」という白濱さんは、「自分が出演する以外の作品の台本も読んでいました。オムニバスですが、1本の映画を作るような気持ちでいました」と説明。中務さんの演技について、「料理人のハマり具合もすごかったし、そんな演技ができるんだ!と思いました」と興奮気味に感想を伝え、今後中務が役者としていろいろな演技ができそうだと期待が高まっている様子でした。これまで演じてきた胸キュン作品とはタイプの違う胸キュンが味わえる本作。演じた役については「今までは派手な役柄を演じることが多かったですが、勢いだけのお芝居ではなく、繊細なお芝居にチャレンジしたいと思っていたタイミングでこの作品のお話をいただきました。役者として違う一面を見せたいという気持ちと重なり、すごくいいきっかけになったと思います」と胸を張っていました。
劇中で坂井真紀さん演じるキャラクターのセリフが気になっているという白濱さんは「(恋人は)好きなものが一緒のほうがいいのか、嫌いなものが一緒のほうがいいのか。僕の中でまだ答えが見つかっていません。すごくメッセージ性のある恋愛映画になりました」と作品のおすすめポイントを伝えました。主題歌を担当したDEEP SQUADの宇原さんは、「DEEP SQUADとしては初めての主題歌です。すごくうれしかったですし、作品を通してDEEPとはどんなグループなのか知ってほしいという気持ちで向き合いました。個性が重なり生まれるハーモニーを伝えることを意識していました。“らしさ”の出た良い楽曲になりました」とアピールしました。さらに「リアルな歌詞が映像で鮮明に表現されていて、すごく入り込めました。恋愛の切なさ、もどかしさが詰まっているし、ラストで思い切って行動した後どうなったのか、すごく気になっているし魅了された部分でもあります」と作品の感想も伝えました。
小森さんは、普段の自分とは対照的な役と説明し「出会ってから10年以上経つ久保さんの監督作品です。“今までの隼が出したことがない表情を撮りたい。普段と真逆の表現をして”というリクエストでした。なので、自分なら戯ける部分であれば、言葉数を減らしてぶっきらぼうにしようかなとなどと考えながら演じました。久保監督の撮りたいものが明確だったので、役作りは苦労せず、ナチュラルに演じることができました」と満面の笑みを浮かべました。恋のナビゲートをしてくれるAIについては「あり得る話だと思いました」と語りました。主題歌は今年6月にデビューしたばかりのiScreamが担当。RUIは「デビューのときから映画の主題歌は夢のひとつでした。」とよろこびを語り、デビュー曲も小竹が作詞していることに触れ「歌詞の中に背中を押してくれるような表現があります。気持ちを込めて歌わせていただきました」とのコメント。「僕よりしっかりしてる!」と小森が感心する場面もありました。「AIと中国語を話す女性との共演について小森さんは久保監督から「意味のわからない単語は分からないままで。検索したりしないで言葉の意味を知らないまま演技して」というリクエストがあったとし、「撮影中まともな会話をしていないです」とちょっぴり残念そうな表情を見せていました。
撮影前の準備について中務さんは「料理指導をしていただき、包丁さばきを教えていただきました。撮影場所が料亭だったので、撮影中もそこの料理長からご指導していただきました」と振り返りました。撮影後から料理にハマったことを明かし「実は、僕のお父さんとおじいちゃんは料理人でした。自分の中の料理人の血が騒ぎ出した気分です」と新たな趣味ができた様子。「LDHにお店でも出してもらおうとしているの?」というMC別所のツッコミにはすかさず「よろしくお願いします!」と頭を下げる場面もありました。
台本で妊婦役と書いてあり「僕が妊娠するので合っていますか?」と何度も確認したという中務さん。「最初のシーンではお腹が軽かったのですが、後半は5kgくらいになっていてめちゃくちゃ重かったです。妊婦さんに優しくしようという気持ちになりました」と妊婦役の特殊メイクについて触れていた。本作ではラブシーンにも挑戦した中務。「ラブシーンも本当に僕がやるんですか? と何度も確認しました(笑)。本番は山田真歩さんが引っ張ってくださったので、リラックスして臨むことができました」と共演者への感謝も述べていました。「作品鑑賞前後で歌い方に変化が出たのか」という質問に伶は「最初は怪談話?と興味をそそられました。時を超えた愛、とても深い愛を描いていて、ショートフィルムだけど見どころがぎゅっと詰まっている作品でした。作品を観た後は、より演じる女性の心に寄り添いながら、歌詞を深く感じながらパフォーマンスできたと思います」と説明しました。上映後にライブパフォーマンスがあるという通常の舞台挨拶とは違う雰囲気の上映会については「客席で観たかったです。映画を観た後に主題歌がライブで聴けるなんで、新しいしとても面白いと思いました」と目を輝かせていました。
片寄さんは、セリフ指導担当者と役柄のイメージを話しながら喋り方を研究したことを明かし「発音だけでなく、細かいニュアンスまで指導していただき練習しました」と準備を振り返りました。東京とシカゴでの遠距離恋愛を描く本作は、東京で撮った映像をシカゴで、シカゴで撮った映像を東京で参考にしながら撮影するという特殊な方法だったことを明かし、「新型コロナのあの時間を(映画という)形に残すことができました。予想もしなかったすれ違いが起きたという人たちが実際にいたのかなと、今でも思っています」と新型コロナ禍を挟んだ撮影だからこその貴重な機会であり、作品だったことに触れました。感情の起伏が激しい役どころ。航空会社に怒鳴りながら問い合わせをするというラストシーンには、実は台本がなかったという。「終わりは決まっていたのですが、細かい描写はありませんでした。自己チューでいい男とは言えないタイプのキャラクターなので、そんな男があのような状況に置かれたときに、どう行動するのかを想像しながら観てほしいです」と呼びかけました。
主題歌について「俳優の斎藤工さんが歌っていた楽曲をカバーしています。今日のようなイベントで歌うのはすごく不思議な感覚です。映画を最後まで観てから、演じていたときの感情を思い出して、いっぱいいっぱいになっていて。ちょっと泣きそうでした。きっとお客さんも(作品を観たばかりで)気持ちの整理できていないような雰囲気がある中でパフォーマンスするというのは、いつもと全然違う、経験したことのない感覚でした。今、みなさんの顔を改めて見て感じるのは、少しでも楽曲を通して愛される作品になればいいなということです」と想いを伝えました。
関口さんは「普段演じているキャラクターはコミカルな役で、どちらかというと笑いを狙いにいっているような感覚があります。今回の役をどのように演じたらいいのか分からなかったので小竹さんに相談したところ、“狙わないで、普通の人をやって”とリクエストがありました。とにかく普通に、盛らないことを意識しました。新城監督にもあまり何も言われずに撮影が終わってしまって。一生懸命やったけれど、果たしてリクエスト通りできていたのかなと思っていましたが、作品を観た方たちから褒めてもらうことが多いので、“(普通の人の演技は)あれでよかったんだ”とホッとしているところです」と語りました。辛いことを乗り越えるコツは「笑うこと」と即答した関口さん。「前に進むためには笑顔ってとても大切だと思います。僕は“楽しいから笑うではなく、笑うから楽しい”という言葉が好きなんです。笑っているといろいろな人が寄ってきてくれる、福を持ってきてくれます。普段から、悩んでしまったら、“ま、いっか”と、笑顔になることを心がけています」と秘訣を明かしてくれました。数原さんは「小竹さんからは“自分が笑うしかできなかった状況を思い返して歌って”と言われました。仕事の失敗、笑うしかない状況、過去のいろんな笑うしかない状況を思い出しながら、共感してもらえるように、切ないけれど笑い飛ばしていこう、切なさとポジティブな部分を伝えることができればいいなと思いました」とパフォーマンスに込めた想いを説明しつつ「(パフォーマンス中)ずっとメンディーくんが浮かんでいて、集中力なかった」と笑顔を見せた数原のお気に入りは「指輪を投げるシーン」。「メンディーくんは野球部出身なので、投げ方がすごくよかった。ストレートなのか、変化球なのか気になって、教えてほしいです!」と関口に質問を投げかけると「真っ直ぐストレートです」という答えが。数原は「スッキリしました」と満面の笑みを浮かべました。GENERATIONSが歌う主題歌も含めたアルバムも発売されることについては「このプロジェクトだからこそ生まれた楽曲たちです。豪華で、自分たち自身も楽しくなる楽曲から、作品、そして僕たちが伝えたいことを感じ取ってもらえたらうれしいです」と呼びかけました。
最後の挨拶で、白濱は「今後も続いていくプロジェクトです。この先も応援してもらえたらという想いです。みなさんの力で映画を広めてください」と感謝の気持ちを伝え、登壇者全員で深々とお辞儀をし、イベントは幕を閉じました。