本日も、コンペティション部門の作品が続々! 6月10日ラフォーレミュージアム原宿会場 上映プログラムレポート
2016年06月10日
ラフォーレミュージアム原宿会場2日目は、コンペティション部門の4プログラムを上映!国内外のゲストたちと盛り上がったアフタートークの模様をお届けします。
「アジアインターナショナル&ジャパンプログラム5」には、3作品の監督が登場
都会に生きる大人女性を描いた『嘘をついて』。女性の繊細な心理描写が印象的ですが、監督は意外にも、男性(!)の三ツ橋勇二さん。客観的な視点で、女性によるシナリオと女優陣の魅力を引き出しています。「シーンの流れを途切れさせないように、同じ芝居を違う角度から何度も撮影して編集していきました」と、リアルな会話シーンを撮り上げた方法論を聞かせてくれました。
Mackenzie Sheppard監督の作品『Man In Phone』は、極度のスマホ依存のあまり、とうとうその中に閉じ込められてしまった男のコメディ。スマホ依存が人間関係を壊してしまうというメッセージには、きっと誰もがハッとしたはず。いやホント、他人事ではありませんネ。
主人公・ヨニと最愛のロボット・マゴとの逃避行を、モノクロの映像美で描いたアクションSF『キープ・ゴーイング』。細部まで緻密に構築された近未来の世界観が圧巻ですが、実は予算不足でセットが組めずオールロケとなったそう。韓国のGeon Kim監督は、「アルバイトの収入をすべてつぎ込んで、撮影後は無一文になった」そうですが、う〜ん凄い気迫。現在、長編の計画も進行中とのこと。ガンバレ!
「インターナショナルプログラム4」には、アイルランドの監督が登場
家庭教師をして趣味のスポーツに打ち込む。そんな平穏な毎日を送る青年の人生が、“ある秘密”が知られることで急変していく『空の移り変わり』。アイルランドから監督・主演のMuiris Crowleyさんが登場してくれました。
本作のアイデアは、2〜3年前にアメリカ留学から帰国した親戚が、“カミングアウト”した実際のエピソードから生まれたそう。自分の住む街で、自分が主演して、本物の両親に出演してもらうなど、街ぐるみのサポートを受けて制作したと言います。おかげで予算を削減できたことはもちろんですが、閉塞感のある保守的な地方でカミングアウトするという、重々しい空気がよく出ていました。
『空の移り変わり』というタイトルに込められた「変化し続ける時代や社会を、どのように受け入れていくか」というテーマに深く考えさせられた、充実のアフタートークとなりました。
「アジアインターナショナル&ジャパンプログラム7」には、3作品からたくさんのゲストが登場
“ちょっと物を動かす”という、あまり役に立たない特殊能力を持った若者の就活コメディ『超能力少年』。なぜその能力を設定したのかという質問に、「動きがあってヴィジュアル的に楽しめるものにしたかったから」と台湾のKai-yu Chang監督。ストーリーの背景には、能力と社会のマッチングというテーマがあるそうです。
高校生のナミは、世の中の汚さに嫌悪するうち、とうとう目に見えるものすべてが怪物に見えてしまう…その特殊メイクがとにかく凄い『うそのせかいのはなし』。藤井道人監督、主演女優の小川あんさんをはじめ、なんと6名ものゲストが登場。6時間分の撮影データが消失(!)した話など、衝撃のエピソードを聞かせてくれました。
少年とリスが、暗闇の森を行く冒険譚アニメーション 『眠れない夜の月』。人形を使ったコマ撮りアニメーションは、わずか1秒の映像をつくるのに、なんと約1時間もかかったそう。そのため制作期間は1年にも及んだそうですが、八代健志監督は「観客席の笑い声を聞いたら、苦労が報われました」とおっしゃってくれました。
さらに、本日最後のプログラム「インターナショナルプログラム8」では、マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デニーロ、ブラッド・ピット出演の『オーディション』を上映。会場はもちろん満員!熱気あふれる一日となりました。- ライター情報
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