監督、女優、プロデューサーと多彩なゲストが続々! 6月9日 ラフォーレミュージアム原宿会場 上映プログラムレポート
2016年06月09日
本日から、ラフォーレミュージアム原宿での上映がスタート!ゲストとのアフタートークの模様を、たっぷり4プログラム分、お届けします!
「アジアインターナショナル&ジャパンプログラム2」には、3作品から監督&プロデューサーが登場
フリーの映画プロデューサーの奮闘を、 ドキュメンタリー風フィクション“モキュメンタリー”で描いた『FIVE PERCENT MAN』。斬新なこの企画の始まりは、田中雄之監督が、アメリカ人の友人にアイデアを話したことがきっかけとのこと。ひょうたんから駒…ならぬ、雑談からショートフィルムですね。
厳格な宗教の戒律を持つ家に生まれた、インド人少年の青春を描いた『マスト・カランダー』。「主人公の子役は、オーディションで200人の中から即決しました」とDivij Roopchand監督。ホントいい顔してるんですよね、あの少年。劇中のヒップホップの使い方が絶妙です!
そのバーは、世界中の海水から生まれたお酒を出す……という不思議な世界観を持つ特別上映作品『海酒』(主演は昨年芥川賞を受賞した又吉直樹さん!)。中臺孝樹プロデューサーは、「観る人にイメージを広げてほしいから、敢えてさまざまな“違和感”を残しました」と、本日撮影でお越しいただけなかった監督のこだわりを教えてくれました。
「インターナショナルプログラム1」にはコロンビア、オーストラリアなどから3作品のゲストが登場
中年男のちょっと変わった“純愛”を描いた『ティファニーと朝食を』。母国コロンビアで映画の教師をしているAndres Molano Moncada監督は、授業の中で生徒さんから出た“禁じられた恋”のアイデアにインスピレーションを得て、シナリオを書き上げたと言います。さすが先生、大人のひねり、バッチリ効いてましたヨ。
『ブルーミスト』は、森の中でのデートを楽しむ若いカップルが陥る悲劇を、張り詰めた緊張感で描いたオーストラリアの作品。謎めいたラストに、Pauline Findlay監督と観客のQ&Aは大盛り上がり!耳が不自由な方の世界をリアルに表現したというサウンドデザインは、入念な取材を重ねながらつくり上げていったそうです。
死を目前にした老女ソフィアの人生を、ダンスと音楽だけでダイナミックに表現した『WHERE WE BEGIN』。世界中の誰もに伝わる普遍的な作品に仕上がっていますが、実は、このアイデアの源は監督自身が経験した大好きな祖母との別れにあったそう。個人の体験が、大きな物語に。Mitsuyo Miyazaki監督の想像力に、脱帽デス!
「アジアインターナショナル&ジャパンプログラム4」には3作品から、監督&女優が登場
『ソシオパス』は、少女とアンドロイドとの出会いを通じて、心なき現代社会を警鐘する衝撃作。「アンドロイドは、グリーンマスクを被った役者さんを撮影し、その後CGで加工していった」とA.T.監督。その作業には、4、5社に手分けしてもらっても2〜3ヵ月ほどかかるほど大変だったと言います。
中国とウイグル自治区の民族・宗教的軋轢が、若い娘の結婚問題を通じて浮かび上がる『アナエル』。深い社会洞察を感じさせる作風に、「ウイグルの若い人は、(主人公のように)北京などの大都会に出たがっているのか」など、観客席からは“中国の今”に関する質問が相次ぎました。全編に流れる美しい風景は、KunRu Song監督がひとりでロケハンして探し当てたそう。
催眠術を使って好きな男子をゲットする。そんな高校生の淡い計画が巻き起こす青春ストーリー『夕暮れの催眠教室』。ゲストには、女優の青木珠菜さん、長谷川ニイナさんが登場。親友の役柄が自然だったお二人ですが、それもそのはず、実は古くからの友人同士。ちなみに二人とも、催眠術にかかったことはないそうですヨ。
「インターナショナルプログラム3」では、イギリス人監督にたっぷり語っていただきました。
ロンドンの不良少女と、アフガニスタン移民の優等生少女。何もかも真逆の二人の関係が、仲が深まるほどに思いがけぬ方向に変化していく『バルコニー』。Toby Fell-Holden監督は、「悪い環境で生きている人間は、出会う人にも悪い影響を与えて染め上げてしまう。たとえ相手がどんなにいい人間であっても」という人間観で、悪が持つ恐ろしい力を描きたかったと言います。シナリオを読んでもらった知人には、「重く暗すぎる」と言われたそうですが、それでも現実のリアリアティにこだわって今の作風を貫いたそうです。
本日のプログラムはこれにて終了。最後の最後まで、監督と観客が熱く意見を交わし合う、濃密なアフタートークとなりました。明日もラフォーレミュージアム原宿には多数のゲストが登場予定!お楽しみに!
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