Short Shorts FILM FESTIVAL EXPO 2005 Short Shots Film Festival LoungeEXPO 2005 AICHI JAPAN





フィルムメーカー 受賞コメント

コンスタンチン・ブロンジット監督 “The God”
I本日、御越し頂いた皆様、審査員の皆様、映画祭主催様の皆様、そして、たくさんの友人達、この度、私は授賞式には参加することはできませんが、今、現在、地球の裏側からこうして私のメッセージを聞いていただくことに、大変、うれしく思います。

どのアーティストも、授賞するということは特別な事であり、幸せな事です。しかし、この世には、みんなの幸せを妨げる出来事もあります。たくさんの人々、特に子供達が自然のいたずらに脅されたり、ましては人々の手によって苦痛な目に合うことを考えると、世界の芸術、アートを通じて、我々の魂に愛が満ちることがいかに大切かお分かりになると思います。それを理解しなければ、地球の存在自体、が危ぶまれます。「自然の叡智」と共存し、その精神を人々と分かち合う。それは、簡単でありますし、複雑な事でもあります。

本日は、本当にありがとうございました。たっぷりの愛と皆様のご繁栄をお祈りいたします。

クヌート・ペッター・ライアン監督 “Hodet mitt (My Head)”
本当に、本当にありがとうございます。この美しい国に私を招待して下さり、ありがとうございます。日本のみなさんから歓迎されて本当に名誉なことだと思っています。

私の映画は、内面の感情をどのように表現するかということについて撮られたものです。一番シンプルな表現法は、笑顔を作ることだと思います。そして、私は日本でたくさんの温かい笑顔に出会いました。

ありがとうございました。

犬飼真理監督 “Blue and Orange”
Blue and Orangeを作ろうと決めた時には、自分の心に正直に、自分自信の存在価値を見つけるために自分にとって大切な全てを言葉と絵で表現しようと思いました。

このShort Shorts Film Festival EXPO 2005での上映は私にとって、とても光栄なことです。日本での初めての上映が私の生まれた町で、そして賞も頂いて。

選んで下さった方々に心からお礼を申し上げます。そして誰よりもいつもあたしのそばにいてどんな時も励ましてくれたあたしの娘、世奈に心からありがとう。

理恵ちゃん、由美、母にどうもありがとう。
フィルムメーカー インタビュー


中野裕之 監督
INTERVIEW with HIROYUKI NAKANO

今回、特別上映作品として会場にいらしていた、中野監督にインタビューをさせて頂きました。

中野監督に「RE:サイクル」について語ってもらいました。

「この作品はどの世代の人にも楽しんでもらえるように作ったんです。だから、ストーリーがとてもわかりやすく作られているんです。また僕が、脚本を書き、監督をし、撮影し、プロデュースをました。ですから、とても個人的な作品とも言えますね。」

「RE:サイクル」は年代もののアンティークなグラスが長い年月をかけ、様々な持ち主の手を旅するというストーリー。

「いろいろな意味で、これは、良いデザインについての映画です。最近の物は全て機能性が重視されています。デザインが良くなければ、新製品が出た時に古い物は捨てられてしまいがちです。しかし、良いデザインは可愛らしいものを創り出すことができます。またデザインが気に入れば、人々はその物を長年使うだろうし、それを通じて思い出を作ることだってできるでしょう。リサイクルショップを経営している友達がいますが、ただのリサイクルショップではなく、彼のお店は、アンティークなものばかりを扱っているんです。そこにあるものは、少なくとも20年〜30年くらいは古いもので、それらはとても良いデザインの品ばかりでね。彼はこの作品のプロデューサーでもあり、そのお店を撮影用に無料で使わせてくれたんです。この映画を作るのにそんなにお金はかかりませんでしたね。僕らは、映画をつくるのにいくらかかるかということを話し合ったこともあったけれど、僕は、彼らに映画は話し合って解決することではなく、ただカメラさえあれば映像は撮れるのだということを伝えたんです。そこで、作品に対する我々の考えを大切にし、撮影現場や役者を仲間うちで用意し、撮影をしました。

この作品の脚本を書く上で、僕はグラスについてたくさんリサーチをしたんです。グラスはただのグラスであって、感情を持っていません。しかし、グラスは砂や水そして火や空気から出来ているのです。そして、それは二千年から三千年以上も存在し続けます。この様に、これだけの長い間存在し続けるのであれば、そのグラスは良いデザインである必要性があります。なぜなら、良いデザインには人を感動させるパワーがあるからね。この映画は、その様なことを伝える話になっています。だからこそ、誰もが共感でき、楽しめる内容になっていると思います。

ピースな事や物を通して人を幸せにすることが、僕の目標です。だからこそ、銃や暴力といったような事はあまり僕の映画の中には出てきません。また、自分が良くないと感じるモノへのCMのお仕事も引き受けたことはありませんね。僕の目標は人を幸せにすること。平和であることです。その中にはエコ活動も入っています。CMやミュージッククリップの仕事をしている時でも、機会があるなら、その時のスタッフにも自分のエコに対する考えを伝えます。これは、いわば幸せの種をその人たちに植えるとも言えるでしょう。僕の話を聞いてすぐは行動をしなくても、2年後や3年後に行動に移してくれればいいなと思っています。直接伝えることが一番強力的な意思伝達手段だと思っています。しかし、直接話しができない人たちには僕の映画を見てそういったことを感じ取ってくれればと思いますね。」

エコ活動の一環として、現在中野監督は新たな研究の資金援助も行っているという。簡単に研究内容を説明すると、太陽光とナノテクノロジーが関係しているそうです。その研究が成功したならば、ごみが燃料になることができるということでした。

「僕がこの開発者と会った時最初に、研究も映画製作にとても似ているなと感じました。うまくいけば、それに対してお金が出るけれど、失敗したら、誰もお金を出してくれない。でも、お金が無くて、どうやって研究ができるだろうか?そこで、僕が資金援助をすることにしたのです。また、現在彼が行っている研究を僕の映画の中で使うのはどうだろうという考えも浮かびました。」

ここまで、エコに関しての考えをお持ちの中野監督に映画製作がとても自然環境に対してとても有毒なことをどう感じているか聞きました。

「この作品はSONYの新しいHDで撮影しました。でも、確かに、フィルムで撮ることも大好きです。でも、同時に自然には良くないことなので、いつも2テイクしか撮らないのです。そうすれば、地球への影響が最小限で済みますから。一般的に、映画は10リールものフィルムで撮影されると言われていますが、僕の場合は1リールで十分です。」

中野監督とは、ピースな映像作家であり、自然や人をとても愛しているとても愛に溢れた人でした。そんな監督に、監督のLife isを聞いてみました。

Life is everyday.(人生は毎日の積み重ね。)



クヌート・ペッター・ライアン 監督
Interview with Knut Petter Ryan

準グランプリ(国際部門)の受賞者クヌート・ペッター・ライアン監督(以下KP監督)にインタビューを行いました。

まず始めに、何がきっかけで「Hodett Mit (My Head)」を撮ったのかを聞きました。

「僕が、2年間伸ばしていた髪を切るということを友達に言ったのがきっかけ。髪を切ることに対して、友達のみんながそれぞれいろんな意見を言ってきたんだ。「そこまで伸ばしたんだから、絶対切るべきじゃない」とか、「髪を切った方が良い就職先が見つかるよ」とか。そこで、気づいたんだ。人はどれだけ見かけに左右されているのかって。たかが髪を切るだけで僕自身は変わらないのに。」

Hodett Mit (My Head)は実験映画で、監督自身が100種類もの髪型(長髪姿から坊主姿まで)を披露するストップモーションを基本として作られた映画です。

「これは、35ミリフィルムを1リールつかって撮った作品で、3分の作品を作るのに、5分間分の映像を撮った。ほとんどのシーンが1フレームずつ撮られている。これは、1週間昼も夜もかかって撮影されてね。それで、その間中100度くらいあるんじゃないかって思うほどのスタジオに、ほとんど1週間同じイスに座りっぱなしでの作業だった。もちろんイスに座ったまま寝てたよ。

僕らは、数名のスタッフでこの作品を作ったんだ。ヘアメイクやアシスタントくらいしかスタッフはいなかった。僕が脚本、監督、プロデューサー、俳優を担当したんだ。これが一番大変なことだった。逆回しでフィルムを作ろうとしたから、絵コンテを書いたりそういった作業を監督の僕は丹念にやろうとする。でも、プロデューサーのもう一人の僕が、早く撮り終えろと言うんだ。その中で、いろいろな髪型をしてカメラの前で演技をしなければいけない僕もいて、とても大変だったよ。」

100もの髪型をした彼に、どの髪型が一番お気に入りか聞いてみました。

「モヒカンが一番のお気に入りだね!!あの髪型にした夜、2時間休憩があったんだ。その時、外を歩いたけど、すれ違う人みんなが、拍手したり、声を掛けてきたりして。あれは最高だったよ!」

Hodett Mit (My Head)の次回作は何か聞いてみました。

「夏から新しいショートフィルムを作ってるんだ。今度のものは、太陽についてのフィルムさ。Hodett Mit (My Head)と同じで、ストップモーションの映画で、僕がまた役者として登場する。タイトルはMidnight Sun。ミッドナイトサンとは白夜(ノルウェーでは夏は白夜)のことで、これは僕がずっと撮りたいと思っていたテーマ。でも、単なる自然のドキュメンタリーフィルムとは違ったものを撮りたかった。だから、僕と太陽を撮ったらどうかなって思ったんだ。Hodett Mit (My Head)では僕と髪だったようにね。3日間太陽との撮影をしたよ。これは、今月中に編集作業が終わる予定だ。」

彼は、Hodett Mit (My Head)を制作している時も4本のミュージックビデオを手がけていたが、それは今回も一緒のようです。

「今も前回同様4本のミュージックビデオを撮っていて、その合間にMidnight Sunの編集をしている。この編集が終わったら、LAに移住したいとも考えてる。幸運をゲットするためにね。あと、世界中を旅して、ビデオやCMを作りたい。それで、良い話が思い付いた時に、それを基にした長編映画を撮ってみたいな。ただ、この夢に関しては急ぎたくない。ゆっくりとその夢に近づけたらいいなと思っているから。というのも、ノルウェーの映画産業はとても小さいんだ。だから、国が制作費の50%の援助をしてくれているんだけど、フィルムメーカーという人はたくさんいてね。みんな映画を作るだけじゃ食べていけない人がほとんどさ。だから、ノルウェーでフィルムメーカーとして生きていくにはちょっと難しい。でも、友達のフィルムメーカーと僕らはいろんなことをしたよ。例えば、夜の撮影会といったものをよくやった。いつも編集作業が夜中に終わったりして。そうすると、突然カメラだけを抱えて何かを撮影しに行くんだ。シナリオも何も無しでね。そんな時は一晩中思いついたものを撮影する。その中には結構良いものもあった。完璧とは言えないけどね。あとは、たくさんの監督仲間と集まって、52本のショートフィルムをみんなで撮った。ただ、このプロジェクトはどの規定にも当てはまってなくて結局資金援助を国から受けることはできなかったけど。」

今回の来日が初めての彼に、日本の感想を聞いてみました。

「日本は大好きだよ!ノルウェーとの違いはそんなにないと思う。みんなとても親切だし、日本食が何より大好き。それに、この気候が最高だよ!ノルウェーはいつも寒いからさ。」

SSFFのモットーはLife is shorts(人生は短い)。そこで、彼にLife isに続く言葉を聞いてみました。

そうだな。Life is strange and hard, but I love it.(人生は不思議で大変だけど、でもそんな人生が大好きだよ。)




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