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【レポート】国際派俳優・加藤雅也さんも登場!6/17 ラフォーレ原宿会場

2018/06/17

本日が最終日となるラフォーレ原宿会場では、「アカデミー賞プログラム」や「シネマファイターズ」など人気プログラムを続々上映。さらに2つのコンペティションプログラムには、国際派俳優・加藤雅也さんをはじめ、たくさんのゲストが登場してくれました。

アジア インターナショナル&ジャパン プログラム 6

女手ひとつで子育てしながら生きる、ミャンマー人女性を追ったドキュメンタリー『シングルマザーとして』。Moore Thit Sett Htoon監督は、かつて仕事仲間だった主人公の女性が、シングルマザーとなって生活に苦しんでいるという話を聞き、まだ女性への支援体制が不十分なミャンマーの社会システムを考えるきっかけにしたいと思い立ち、この作品を撮ったそう。

若干23歳の女性が、女性の権利や社会制度についての発言する姿に感銘を受けるとともに、時折垣間見せる弱さにも、胸打たれました。

『シングルマザーとして』のMoore Thit Sett Htoon監督。のべ45日間撮影して素材を撮り溜め、編集に3ヵ月かけたそうです。

 

悪に憧れる古書店員のヨーコが、ほのかに好意を抱いている小説家の一言がきっかけで、奇妙な仲間たちとバスジャックを計画する『ノヴェラ ピカレスカ』。

犯罪物ながら、ほのぼのとした“抜け”があり、会場には温かい笑いがあふれていました。それもそのはず、企画段階から俳優陣と一緒に考えていったという本作は、“幸せなバスジャックもの”というキーワードから、ストーリーを発展させて生まれたそうです。

左から倉田健次監督、出演者の平澤草さん、杉本ミホさん、結城貴史さん。杉本さんと結城さんは、なんと25年前、俳優養成所の同期生として出会った仲だそう。

 

禁断の恋の果てに交通事故で視力を失ってしまった男が、人生で一番愛した女に再会する、愛と官能のショートフィルム『ホテル・エルミタージュ』。監督のクレジットが“TEAM HERMITAGE”となっている本作ですが、そこには、一人の監督が存在するのではなく、ひとりひとりが自分の持ち場を自らディレクションしながらチームとして映画をつくるという意味が込められているそうです。

加藤雅也さんと飯島直子さんが演じる役者パートでは、通常の映画のようにカットで区切って演じるのではなく、舞台のように感情の流れを大切に演じ切るというスタイルをとったといいます。

 

インターナショナルプログラム 5

キプロスの精肉工場で働くパレスチナから移民してきた男に、“赤い鼻”と書かれた荷物が届く。謎の荷物に気づいた上司は、アラブ圏からやってきたこの男に“ある疑惑”を感じ始める『赤い鼻』。

Andreas Kyriacou監督は、赤十字で働いていた時、難民キャンプで主人公を演じた男と出会い、彼のリアルストーリーをベースにこの作品をつくりあげたといいます。欧州と中東の間に位置するキプロスは、難民の通り道となっているため、国内でもさまざまな難民差別があるという状況を伝えてくれました。

『赤い鼻』のAndreas Kyriacou監督(右)。次回は、侍を主人公にしたタイムスリップ作品を企画しているそうです。

 

不思議で滑稽、ちょっと怖くて、とにかくかわいい。『ヘタの生き方』は、2014年から2017年にかけてスイス・ルツェルン美術大学にて2Dアニメーションを学んだ3人の女性が共同監督したアニメーション作品。3人を代表して来日したKerstin Zemp監督は、「ビールを飲みながら話しているうちに、次第に作品のイメージが固まっていった」といいます。その後、キャラクター担当、風景担当、アートデザイン担当と各自の持ち場を決めて制作を進めていったそうです。

『ヘタの生き方』は世界38の映画祭に出品し、SSFF & ASIAの他にもさまざまな映画祭に呼ばれているそうです。「1年間部屋にこもって絵を描いていたので、やっと世界に出られた」と喜ぶKerstin Zemp監督。

 

 

いかがでしたか?

最後のラフォーレ会場となった本日は、どのプログラムにもたくさんのお客様にご来場いただきました。ありがとうございます!もちろん、映画祭は会場を変えてまだまだ続きますので、ぜひご来場くださいネ。

詳しくはこちらをチェック→http://www.shortshorts.org/2018/ja/schedule/

written and photo by チバアキフミ