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Short Shorts Film Festival & Asia 2010

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受賞作品&受賞者コメント 旅ショーット!プロジェクト部門

旅ショーット!プロジェクト 優秀賞(国土交通大臣賞)

観光庁(国土交通省)とのコラボによる今年新設の部門で、思わず旅に出たくなるような日本の魅力を描写する作品を募集。

公式審査員(50音順/敬称略)の忽那汐里(女優)、デーブ・スペクター(放送プロデューサー)、行定勲(映画監督)が優秀賞(国土交通大臣賞)を選定しました(同率1位で2作品の受賞が決定)。
ショートショート実行委員会/ショートショート アジア実行委員会より賞金として60万円が贈られます。

 

 

TRAVEL-B-05
オーディエンスアワードとのダブル受賞となります。 井の中の蛙
Frog In The Well
落合賢 / 北海道-滋賀県-沖縄県 / 15:00 / ドラマ / 2009

引きこもりの青年丈は、十年ぶりに東京を離れ日本縦断一人旅に出る。母の故郷である稚内、そして思い出の場所琵琶湖、母が一度は行ってみたかった沖縄の海を訪れる道中に出会う人、風土、文化を通して成年への成長を遂げていく。

Director : 落合賢(Ken Ochiai)

ショートショートフィルムフェスティバルのスタッフ、ボランティア、審査員の方々、そして観光庁の皆様に厚く御礼申し上げます。今年から開設された新部門で上映されたたくさんの優秀な作品の中、このような名誉な賞を頂く事ができて大変光栄に存じます。
この作品は来年の夏に製作予定の長編映画『サマー47』に登場する人物の一人である「丈」をベースに作った短編映画です。映画を学ぶ為にアメリカに来てもう七年になりますが、日本を離れて初めて気づいた事は日本人であるにも関わらず日本の事をあまり知らないという事実でした。それ以来歴史、郷土史に興味を持ち始め、帰国するたびに行った事のない場所を訪れては写真を撮り、アイディアをメモをしていたのですが、メモはやがて脚本になり、脚本はやがて一本の短編映画になりました。
去年の映画祭のジャパン部門で優勝した時にいただいた賞金と、副賞としていただいたキャノンのマークII5Dという、動画が撮影できるスチールのデジタルカメラを使用して、合計約1万6千枚の写真と8時間以上の動画を撮影し、最終的には15分の短編として凝縮しました。去年いただいた賞がまた新しい作品を作るきっかけになり、こうしてこの素晴らしい映画祭にまた帰って来れた事を非常に嬉しく思います。
日本を離れる前は井の中の蛙であった僕は、渡米して初めて外の世界の大きさを知ると共に、自分の住んでいた井戸の美しさに改めて気づかされました。この作品を通して、世界の方々に日本の美しさを見て興味を持っていただければ、そして日本の方々にはまだ訪れた事のない地へと旅行するきっかけとなっていただければ本望です。また家族の実話を元にした作品なため、個人的な思い入れが非常に強く、この様な形で評価された事の喜びは筆舌に尽くしがたいものがあります。本当にどうもありがとうございました。

 

12歳の頃から映画を撮り始め、高校を卒業後渡米。南カルフォルニア大学映像制作学科、アメリカ映画協会付属大学院映画監督学科を優秀な成績で卒業。SSFF & ASIA 2009 では『ハーフケニス』でジャパン部門優秀賞を受賞。現在、LAでフリーの監督として幅広い映像作品を手掛けている。

TRAVEL-A-04
瞬くほど曖昧な夕暮れに
past in the future
近藤一彦 / 福岡県 / 18:08 / ドラマ / 2004

謎の老婆から届け物を託され戸惑うナオミ。母親から離れていく少女。少女を追うナオミに忘れていた記憶が蘇っていく。見覚えのある光景。経験したことのある出来事。時空を超えた景色の中でナオミが見たものは…。

Director : 近藤一彦(Kazuhiko Kondo)

ブラックマトン記―――とっても簡単な物語。
そこには既に、素敵な街並みが存在しました。ふたりのブラックマトンは二日間その街を歩き回り、夕暮れのリバーウォークでぼーっとしてました。「さて・・・」とひとりのブラックマトンが言うと、もうひとりが「まず・・・」と答えました。「さて、この街をどうやって紹介したらいいだろう?」「まず、酒でも飲もうよ」ただそれだけです。ただそれだけから始まった、ただそれだけのとっても簡単な物語です。「でも・・・」です。
日頃美味しいイタリアン料理を作る美しい女性がメイキャップし、服飾を学んでいるイケメンが素敵なワンピースを作ってくれました。流麗な文章を書く黒髪の女性が助監督をしてくれて、やがてアシスタントプロデューサーに“成り上がり”ました。サングラスに金髪のアーティストが美術で参加してくれ、自慢の車を提供してくれました。お弁当屋のおじさんが、包み紙に「いい作品を作ってください」と書いてくれました。飄々としているTONちゃんが、コントラバスとアコーディオンの「mama! milk」という美しい旋律を教えてくれました。佐藤さんは・・・佐藤さんはブラックマトンに居場所を提供してくれました。そして、北九州の皆が、ワンカット撮るごとに笑顔で拍手をしてくれました。いい加減でヤンチャなブラックマトンの「ただそれだけ」に、多くの人々が協力してくれました。「だから・・・」です。
だから、この作品が生まれたのです。感謝します! サンキューです。ホントに!きび団子を持っていた桃太郎が羨ましくて仕方ありませんでした! ブラックマトンはなにも持っていませんでしたから・・・。でも、今回の受賞が感謝した方々へのきび団子になってくれたらと思います。映画祭の運営スタッフの皆様にも、ホント感謝です。おばあちゃんが桃太郎にきび団子を与えたように、ブラックマトンに素敵な機会を授けてくれました。どうもありがとうございます。
最後にちょっとだけ作品について触れます。 とっても簡単な物語―――『過去・現在・未来が交差するサンクチュアリ・北九州』というモチーフを一人の女性に委ね、人が誰でも内包しているポジティブとネガティブを表現しました―――老婆(未来の自分)が、主人公 (現在の自分)に幼少(過去の自分)の頃の後悔の解決を託します。とてもポジティブな姿です。そして、「無理っちゃ!」「無理じゃないっちゃ!」を繰り返す小倉弁を話す黒服の男たち・・・彼らもまた、主人公の一部なのです。まさに揺れる自分のネガティブな一面です。毎日は、このポジティブとネガティブの繰り返しが楽しくてたまりません。「さて・・・」「でも・・・」「まず・・・」の連続です。日々暮らすことは、その連続のとっても簡単な物語のようなものだと思います。 さて・・・でも・・・まず・・・だから・・・Happyなのです。
No guts, No glory, Go for it!!

 

北九州フィルムコミッション。北九州のイメージアップなどを目的に全国初のFC組織として平成元年から主に映画とドラマの誘致支援を積極的に実施。これまでに100本を超える映画・ドラマのロケを誘致。監督として、映画「海猿」シリーズの監督補・近藤一彦を迎えた。