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【レポート】「地球を救え!ブログラム」にJ-WAVEアワード受賞監督が登場! 6/7 表参道ヒルズSpace O会場

2018/06/08

20周年のアニバーサリーイヤーとなったSSFF&ASIA2018。本日初日となる表参道ヒルズ会場での上映は、EXILE HIROさんをエグゼクティブプロデューサーに迎えた「CINEMA FIGHTERS」プログラムや、過去の受賞作品などを特集した「アニバーサリー」プログラムなど、華やかなプログラムが目白押し!

そして、世界各地の環境問題を映像で提起する「地球を救え! プログラム supported by リンレイ」には、海外から3作品のゲストが登場してくれました。

アマゾンにそびえたつ1本の巨木が伐採されることで、生態系に及ぼされるさまざまな影響が、ダイナミックかつ緻密なアニメーションで描かれた『森林』。

オフィシャルコンペティションのひとつであるこの部門で、見事優秀賞(環境大臣賞)を受賞したというのも納得の完成度ですが、なんとこれ、ブラジル出身のGuilherme Gehr監督が一人でつくったはじめての作品だそう。

『森林』の一場面。大きなスクリーンで観ると、本物の森の中にいるような感覚になります。

 

森の匂いや湿度まで感じられるような臨場感は、丹念な光のリサーチや、親友の音響デザイナーによる音づくり、もともとデザイナー志望だったという色彩感覚によって生まれたといいます。

『森林』のGuilherme Gehr監督

 

続いての作品は、生産性や効率性重視の大規模農業とは異なるアプローチで、自然や動物たちと共生する新しい農業や酪農を営む二人の男を追いかけたスイスの作品『農夫たち』。フランスとアフリカ・コートジボアールという遠く離れた土地で働く二人の農夫たちの思いや哲学が、時に重なり合いながら、美しいモノクロームの写真と静謐なナレーションで綴られていきます。

Sylvain Renou監督は、人物の内面に深く入り込んでいくような世界観の秘密を、できる限り少人数・小機材で主人公たちの生活に密着した撮影手法にあると教えてくれました。

『農夫たち』のSylvain Renou監督

 

最後に登場してくれたのは、見事、J-WAVEアワードを受賞した『シロクマとグリズリー』のPaloma Baeza監督。地球温暖化の影響で食糧不足になった氷河地帯で、神経質なシロクマとおおらかなグレズリーという真逆の性格を持つ二匹のクマが出会うチャーミングなアニメーション。

この作品では、なんと、ティム・バートン監督作品の常連としても知られるイギリスの女優・ヘレナ・ボナム=カーターが声優を務めています。

予算の少ないショートフィルムで、大物女優をキャスティングできた理由は、アニメーションのアフレコで拘束時間が2時間くらいで済んだこと。そして、スクリプトを気に入ってもらえたからだとPaloma Baeza監督はいいます。「聞いてみないとわからないから、自信を持っている作品ならどんどんアピールして!」と若手ショートフィルムメーカーに笑顔でメッセージをくれました。

『シロクマとグリズリー』のPaloma Baeza監督

 

『シロクマとグリズリー』のほっこり可愛いアニメーションは、環境問題というテーマをやわらかい気持ちで考えさせてくれます。

 

 

本日のレポートは、いかがでしたか?

長編1本分の時間で、いくつもの作品を観れるのもショートショートの魅力のひとつ。多様な視点や表現を味わいに、ぜひ会場まで遊びにきてくださいネ。

written & photo by  チバアキフミ