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【レポート】オフィシャルコンペティション作品の上映がスタート!6/13 ラフォーレ原宿会場

2018/06/14

いよいよ、ラフォーレ会場での上映がスタート!本日から5日間にわたり、SSFF & ASIAの目玉である「インターナショナル部門」「アジア インターナショナル部門」「ジャパン部門」のオフィシャルコンペティション作品が上映されます!ここでは、監督から出演者、脚本家まで多くのフィルムメーカーが登場してくれたQ&Aセッションの模様をお届けします。

アジアインターナショナル&ジャパン 7

今年も、アジア各国から実力派作品が揃った本プログラム。作品の面白さはもちろん、スクリーンに映し出されるアジア各国のエスニックな風景を体感できるのもこのプログラムの魅力です。上映後のQ&Aセッションには、国内外から3組のゲストが登場してくれました。

『アンドロイドとの恋』は、美しいアンドロイドと、その開発者である若き技術士とのタブーな恋愛を描いたマレーシアの作品。

美しいアンドロイドがマッサージ店で働いているという、なんとも興味をソソられる設定はTan Ce Ding 監督が、母国マレーシアのマッサージ施設で思いついたとのこと。このアイデアが、監督がもともと問題意識を持っていた「アンドロイドがいかに人間らしく生きられるか」というテーマと結びつき、本作品が誕生したといいます。

左から、『アンドロイドとの恋』のEdward Lim プロデューサー、Tan Ce Ding 監督、 脚本家のSherwyn Victorさん。

 

東京で久しぶりに再会した母と息子(母親役はなんと、大竹しのぶさん!)のやけにリアリティのある会話を、写真による切り絵アニメーションで表現した『Tokyo 2001/10/21 22:32~22:41』。どことなく伝説のテレビ番組「ウゴウゴルーガ」(古い!?)を彷彿とさせるシュールな魅力が漂います。

この作品、なんとこれが初上映!奥山大史監督は、「予想外のところで笑いが起きて良かったです」とコメント。会場のお客様からも「衝撃だった」との声が上がったラストシーンは、この企画を成立させるために、切り絵アニメーションという技術を効果的に生かすシーンを作る必要があったことから生まれたといいます。実は、他にもあのシーンに込めた想いがあるそうですが、それは観客の方それぞれに想像してほしいとのことでした(それこそ、映画を観る醍醐味ですよね)。

『Tokyo 2001/10/21 22:32~22:41』の奥山大史監督

 

『ブラジャーの悲劇』は、現代的なスタイルで進行する娘の結婚式に、いちいち難癖をつける保守的な母親を主人公にしたハートウォーミングコメディ。新婦である娘のブラジャーが壊れるというアクシデントが起点となるユーモラスな展開ですが、なんとこれ、Li Lin Wee監督が経験した実話が元になっているそう。愛の裏側に潜む心の醜さのような、相反する感情を描きたかったといいます。

『ブラジャーの悲劇』のLi Lin Wee監督

アジアインターナショナル&ジャパン 2

大学陸上部のエースとして期待されていた主人公・花が、大会直前のプレッシャーや周囲との確執を抱えながら、必死で走り続ける姿が胸を打つ力作『止まるな』。会場には、加藤大志監督と6名の出演者が登場してくれました。

加藤大志監督『止まるな」

 

本作は、加藤監督が別の仕事で取材した実在の女子陸上部をモチーフにして生まれたそうで、その裏づけが主人公の繊細な心の揺れの表現に見事に昇華されていました。会場のお客様からも、「単純なハッピーエンドで終わらず、現実に向き合う姿に勇気付けられました。失敗もあるけれどそれでも頑張ろうと思える作品でした」という感動冷めやらぬ声が寄せられました。

加藤監督は、逆境にぶつかっても立ち上がる主人公について、「将来この子はオリンピックで金メダルをとると思いながら脚本を書いていました」とコメントしてくれました。

 

出演者の里内伽奈さん(左)と夏目志乃さん。ランニング姿で走った撮影日は平成で一番寒い日だったそうで、里内さんはカイロを12枚貼って撮影に挑んだそうです。

いかがでしたか?

本日上映したコンペティション部門から選出されるグランプリ作品は、なんと次年度の米国アカデミー賞短編部門ノミネート候補に!ぜひ皆さんも、未来の名作と出会いに、ラフォーレまで遊びに来てくださいネ。

written and photo by チバアキフミ