Short Shorts Film Festival & Asia 2012

この作品は『日本の中心的な土地として機能する東京（都会）からきた女性が、日本の南の端にある小さな島で不条理な生活を体験する』という『旅』をコンセプトに制作しました。同じ国であっても、住む場所が違えば、今までの生活とその情報はひたすら機能不全に陥り、島人（しまんちゅ）のネイティブな独断と偏見が全てを司る。都会からきた女性は島で生まれた男性との結婚を許してもらうために、島人＝他者と意思の疎通を図ることに懸命となる姿をブラックコメディ風にしました。　ブラックと書きましたが、この短編の企画募集が「沖縄観光に結びつくこと」が基本でしたので、色鮮やかな景色と独特の風習を楽しむ娯楽作品に仕上げました。演出するにあたっては、距離の差が文化の差につながる描写と同時に、心の距離の差が関係性に変化を与える描写を心がけました。
本作の登場人物たちが、他者との共通体験を得る事で、ささやかな幸福を見いだすその瞬間に、観てくれた方々が旅の醍醐味である『ふれあい』を発見できたら、作り手として本当に幸いです。