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2013年、ショートショートフィルムフェスティバル アジアは、10歳になりました!
21世紀は「アジアの世紀」と言われます。そんな中、世界から熱視線を浴びるアジア諸国から毎年たくさんのショートフィルムが集まる映画祭に成長しました。集まった作品達は個性的でありながら同時にアジア的です。
アジアとは何か?その答えは多様で無数にあることでしょう。西はトルコにまで広がる大アジアと、中東、そして中央アジア、東南アジア、極東と、その個性はそれぞれ光り輝いています。しかし、確実に共通するアジア的感性の芳しさが存在します。それは、長い間に醸成したアジア文化のつながりに違いありません。西洋における歴史の積み重ねとは違う、「つながり」「組み合わせ」「融合」で生まれたアジアの薫り…そして、アジアの価値観。心惹かれるショートフィルムには、その薫りとともにアジア的な映像リズムがあるように思います。独特の間の取り方や、スペースのとり方や、ポジショニング。会話のテンポ…。
それらが万華鏡のように光を集約して生み出された映像には、アジアのリズムが薫り立つのです。そしてそれは、私たちアジア人のからだに刻まれたリズムだと思うのです。インドや中東の作品を観て、日本にある自分の故郷や家族が重なる瞬間、カラダに埋め込まれた懐かしさが湧き上がります。このノスタルジーの共有は、感性の普遍性へとつながっていきます。
私たちは、西洋文化に多くを学び、自分らしさに取り入れてきました。映画という光の絵の具で生み出される物語もその一つでしょう。そしてその映画から私たちは沢山の宝物を受け取ってきたはずです。僕は、この映画祭で出会ったたくさんのショートフィルム達からアジアの中の日本にも出会い直したようにも感じます。映画祭10年の節目を迎えて、これからどうアジア人としてアジアと向き合うのか?そしてアジアの一員として何ができるのか?アジアとは何か?模範解答はありません。でも、この映画祭で皆さん自身の正解をたくさん探していただければ幸いです。
絵画でも文学でも音楽でも表現できない、溢れる想いがシネマとなって羽ばたきます。その翼は私たち自身の見えない「感性の翼!」見えないけれど確実に存在するはずです。そしてその翼が、見えないけれど、本当は見えなければいけない真実をスクリーンの中に輝きます。どうぞその輝きを、一緒に体感しましょう。
最後になりましたが、本年度の映画祭開催を支えて下さり、またご発案いただきました 猪瀬直樹都知事、ご共催の東京都、ならびにご協賛、ご後援を、ご支援を頂きました皆様に実行委員会を代表して心から感謝いたします。映像大宇宙を駆け巡るペガサスのごとく可能性の原石たるショートフィルム達が、ご来場頂く皆様自身の感性の翼に魔法をかけてくれることを願っています。
ショート ショート フィルムフェスティバル アジア
実行委員会 委員長