あの千原ジュニアさんの監督作品「クレーム」も上映され、場内に笑いが巻き起こった当プログラム。上映後には、なんと4作品計11名ものゲストが登場してくれました。簡単ではありますが、その模様を一作品ずつご紹介してきますね。
インドの街角で、靴磨きをしながら生計をたてる二人の少年の友情と夢を描いた「自転車」。自転車でインドの街を走り抜けるシーンが印象的ですが、実はこれすべてゲリラ撮影。前日にリハーサルをして、わずか3日間で撮り終えたといいます。予算は約18万円で、スタッフ9名で制作したそうです。
加藤大志監督の「きらわないでよ」は、中学生のいじめ問題に踏み込んだ力作。教室での先生と生徒のやりとりがとてもリアルに描かれていましたが、実は先生のセリフはほとんどがアドリブ!自然な雰囲気を出すために、役者に流れだけを伝えて自由に喋ってもらったそうです。
「皮膚」は、シンガポールのWei Keong Tan監督によるアニメーション。痒みや痛みが恐ろしさを持って伝わってきます。目と耳に触感が迫ってくる独自の世界観は、“手書き”と“実写への色づけ”の2つのアニメーションを使うことで作り上げていったそう。皮膚をポリポリと掻く音も、ゾッとするほどの臨場感でした。
現代の格差問題を、一組のカップルの結婚までの道のりで描いた「この坂道」。同じ坂道が、あるときは“上下の格差”を、またあるときは“開放感“を感じさせてくれるから不思議です。実際、ロケハンには苦労したそうで、30ヵ所くらいの坂道を回ったといいます。