劇団ひとり監督の「仕事」も上映された本日最後のプログラム。やっぱひとりさん、面白い!上映後には、3作品の監督・キャスト計4名が登場してくれました。
ミャンマーから台湾に出稼ぎにきた女性の郷愁を描いた「海の上の宮殿」。役者の自然な立ち振る舞いが印象的でしたが、それもそのはず。実はこの作品、シナリオがなく、おおまかなストーリーラインをもとに即興でつくりあげていったそうです。エンディングが冒頭シーンの逆回しになっている演出には、「人生はサークルのようなもの」という監督の思想が表現されているのだと、主演のWu Ke-xiさんが教えてくれました。
「海の上の宮殿」に主演したWu Ke-xiさん
関係がぎくしゃくし始めた外国人カップルが、沖縄の座間味村で民宿のおばあとその孫と交流することで、次第に心を解き放っていく「こころ、おどる-Kerama Blue-」。最初から最後まで言葉がかみ合わないながらも、なぜだか通じあってしまうところが面白く、ほろっとさせられます。岸本司監督は、「言葉よりも広大な自然によって、心が浄化されていく様を描きたかった」とその狙いを語ってくれました。主演の尚玄さんは、英語を話せない役でしたが、ご本人はペラペラなので、それが外国人との対話の中でバレないように注意して演技したといいます。
「こころ、おどる-Kerama Blue-」に主演した尚玄さん
「ダンス ダンス ダンス」は、村上春樹の同名小説にインスパイアされたベルギーのバンドマンが書いたシナリオで、亡霊が出たり、金魚がダンスしたりする“マジカルリアリズム”がテーマになっているといいます。落合賢監督は、主演の二人による水中での演技を撮影するのに苦労し、通常の5〜6倍の時間がかかったとのこと。また、美しいCG映像が印象的でしたが、その制作には半年ほどかかったそうです。
これで、本日のラフォーレでの上映は終了!会場にきてくださったみなさん、レポートを読んでくれたみなさん、本当にありがとうございました!
いよいよ明日は、映画祭最終日。世界中の作品を一気に観れるこのチャンスを、お見逃しなく!