2008年環境省と共に発足させたこの部門。環境問題をテーマとした作品を集め、広く地球環境保護を映像を通して啓蒙していく作品の中で特に秀でた2つの作品が優秀賞・J-WAVEアワードとして選ばれました。
受賞監督:Marleen van der Werf
私の大好きな樹Once Upon a Tree
Marleen van der Werf/オランダ/14:40/ドキュメンタリー/2014
あらすじ
大好きなオークの木に座りながら、自然の美しさと生命の素晴らしさを感じている11歳の少女。森林伐採が進む中、少女は大好きなオークの木も切られてしまうのではと不安にかられる。
作品の見どころ
この映画は少女フィリーンについてのドキュメンタリーであり、それが全てです。彼女を追いかけたことで、彼女の目に映る自然世界と自然に対する新しい見方を知ることが出来ました。
受賞コメント
地球を救え!部門優秀賞を受賞できたことは驚きであり光栄です。「私の大好きな樹」に込めたメッセージが日本の皆様にも受け入れられたことをとても嬉しく思います。本当にありがとうございます。
受賞監督:Emily Driscoll
蛍のいる風景BRILLIANT DARKNESS: HOTARU IN THE NIGHT
Emily Driscoll/アメリカ/12:03/ドキュメンタリー/2015
あらすじ
本作品は、日本とアメリカにおける蛍の生息地を研究、観察することで、夜の“暗さ”の重要さとその失われつつある“暗さ”を探求したドキュメンタリー。作品を通して、蛍の光のパターンや、都会に生息する様子などを垣間見ることが出来る。
作品の見どころ
『蛍のいる風景』の見所は、6月の日没直後に九州の川の上を彩るゲンジボタルの素晴らしい光です。また、各国で行われている蛍の研究も見所です。コミュニケーションを妨げる人工光から蛍を守る術がそれぞれ研究されています。動物学的ライティング協会のMarc BranhamとJames Lloydはアメリカで蛍の行動と進化について研究をしており、野生生物に配慮した照明を推進しています。日本の写真家、小原玲氏は蛍が舞う日本中の原風景を写真におさめ、大場博士はいくつかの団体と共に日本の蛍の数を元に戻す運動を行っています。特に横浜市にある大場蛍研究所の大場博士は蛍の再来を見るために彼らの生息空間と同条件の環境を作ったところ、実際に再び現れ住み始めたのです。大場博士は研究所を訪れる人々が蛍の光、つまり蛍の会話を邪魔せずに彼らの生息空間を見たり歩いたり出来るような照明を開発しています。
受賞コメント
『蛍のいる風景』にJ-WAVEアワードを与えて下さったショートショートフィルムフェスティバル&アジアに感謝します。受賞できたこと、また九州で美しい蛍を撮影した2年後の蛍の季節に日本でこの映画を上映できたことを光栄に思います。
無償で光生物学や野生生物に配慮した照明の研究を支援している動物学的ライティング協会協力のもと、世界で蛍が愛でられていることの素晴らしさを伝えるためこの作品を作りました。日本では、写真家の小原玲氏、科学者の大場博士、そして芸術、研究、さらには蛍の会話を邪魔する光の遮断など様々な方法でこの魅力的な昆虫を守ろうとしている福井の人たちに注目しました。この映画は、日本とアメリカという異なる地で蛍の言葉を理解し、野生の蛍が都市部で生きていく術を研究している科学者たちを取り上げています。さらに、異なる企業の人々が独自の方法で環境保護に取り組む姿を映しています。自然は不変ではありません。川も野生生物も、大陸さえも変化します。だからこそ、私たちは蛍とそれを保護する世界各地での取り組みを見たかったのです。生態系保護、生物多様性の保全というのは人類を支える地球のために全世界で取り組むべきものです。
多様なジャンルのショートフィルムを紹介しているこの映画祭において、地球を救え!部門の上映作品に本作品を選んで頂けたことを本当に嬉しく思っています。SSFFのスタッフ、ボランティア、審査員の方々、そして観客の皆様、本当にありがとうございます。
受賞したお二人の監督おめでとうございます!