フランスのクレルモンフェラン国際短編映画祭で最優秀短編アニメーション賞を受賞した特別上映作品「いつかまた」など、CG表現の“今”を楽しめる当プログラム。上映後には、「小さな庭園」の斎藤俊介監督と「アチラカセカイ」三島敦監督が登場してくれました。
「小さな庭園」は、植物の種子のような形をした主人公が、奇妙な植物や動物、模様の描かれた空のある不思議な惑星で、ある日突然目覚める物語。斎藤監督は、以前暮らしていたマンションで起こった心霊現象に着想を得たといいます。どこかふんわりとしたユニークな世界観は、近年のCGがフォトリアルに偏っている気がしたので、あえて抽象的なアニメーションに挑戦したことで生まれたそうです。
「アチラカセカイ」は、ロボット研究所の博士が、一目惚れした女性のために、お掃除ロボットを作って研究所をキレイにしようと企てるストーリー。その展開の面白さに、観客からは「この後、博士はどうなるんですか」と質問が飛びました。(三島監督は、その後のお話はまったく考えていなかったそうで、「ご想像にお任せします」とのお答え!)セリフがほとんどないため、アニメーションの動きにこだわって、“生き生きとした感じ”を表現したといいます。
ちなみに、どちらも20分未満の作品ですが、制作にはそれぞれトータルで3年もの歳月を費やしたそうです。