名古屋を舞台としたショートストーリーを映像化した当プログラム。上映後には、「八月十六日の散歩」の深澤尚徳監督、「プラネタリウムと冬の月」の柿沼岳志監督、「笑門来福」の酒井麻衣監督、原作・脚本のいとう菜のはさんが登場してくれました。
「八月十六日の散歩」は、定年退職後、散歩に出かけるようになった主人公が、時空を超えて少年時代の友人と再会する物語。夏の瑞々しい空気感が印象的でしたが、実際は台風でスケジュールを4回も変更するうち秋になってしまい、紅葉した葉っぱをCGで緑に塗り替えたといいます。
「プラネタリウムと冬の月」は、プラネタリウム好きの女が、冬の夜に「カラス」と出会うことで、奇妙な運命に巻き込まれていくミステリアスな作品。原作は、なんと“カラスの一人称による語り”だったそうですが、そのコンセプトを汲み取って、映像として楽しめる形に再構成していったそうです。印象的だった“砂丘”や“バス”のシーンも、ショートムービーオリジナルだとか。
「笑門来福」は、いつも不機嫌な主人公の有実が、一緒に暮らす祖母の思い出の場所である閉鎖中の大須演芸場に迷い込み、自分らしい笑顔を取り戻していくストーリー。登場する芸人さんたちは、実際に名古屋の寄席で活躍する面々で、監督も撮影しながら思わず吹き出し、何度もNGになったそうです。