ショートショートの中では、ちょっと長めの15分程度の5作品が集まった、見ごたえたっぷりの当プログラム。上映後には、3作品の監督、スタッフ、キャスト計6名のゲストが登場してくれました。
ビルの屋上で自殺しようとする若い女と、それを止めようとする元ギャングの中年男とのやりとりを描いた台湾の作品「生きるか死ぬか」。主演女優のWu Ke-xi さんは、追い詰められた主人公の精神状態を表現するのに苦労したといいます。撮影は、深夜に行ったそうですが、まだ3月だったため、とても寒かったそうです。
移動中の列車の中でスーツケースを開けると、恋人の青年が入っていた・・という導入部が印象的な「アナタのもとへ」。インドネシアのVera Ita Lestafa監督は、記憶や夢など、言葉にできない感情を描くために、セリフを一切使わず、映像と音だけでの表現にこだわったといいます。原題の「Return to Sender」には、“思い出は人のためではなく自分のためにある”というメッセージが込められているそうです。
「ゴッサム ジャンブル パフェ」は、ヤクザと警察のやりとりに、バイオレンス、ユーモア、そして予想外の結末を詰め込んだ、タランティーノを彷彿とさせる作品。Yuki Saito監督は、現代の混沌とした状況を、さまざまなスイーツが入ったパフェに象徴させたといいます。主演の加藤雅也さんがパフェを落とすなどのアクシデントも面白いからそのまま取り入れたりと、臨場感たっぷりの作品に仕上がっていました。