お笑い界の鬼才・バカリズムさんの「プレゼント」も上映された当プログラム。上映後には、3作品の監督・プロデューサー・キャストの計5名が登場してくれました!
壮絶な吹雪の中を歩く老人と少年、難産に苦しむ妊婦と看護師。2つのシーンを組み合わせることで、人間の生と死を描いた「ケシノミ」。作品のアイデアは、仏教の逸話からとったそうで、当たり前の日常を見つめ直すきっかけを与えたかったといいます。制作費に500万円かけてスタッフと機材を用意し、美しい雪景色をカメラにおさめることにこだわったそうです。「持っていった燃料が凍るほどの寒さだった」と、出演者の小野寺老さんが雪の現場での過酷さを伝えてくれました。
幼い頃に見た映画のトラウマで、海が怖くなり家業の漁師を継げなくなってしまうコメディ作品「アンチョビ」。プロデューサーであり脚本も担当したLee Chee Tianさんは、当初、主人公が観る映画にピルバーグの「JAWS」をイメージしていたそうですが、予算的に厳しいこともあり、最終的にアンチョビ(いわし)になったそうです。でもそれが、いい意味で“抜け”となって、作品を味わい深くしていましたよ。
「不旋律のソナタ」は、大事故にあって何もかも失ったオーケストラの指揮者が、同棲中の恋人から熟年婚を迫られることで、”人生に大切な物は何か”を考えさせられる物語。岡元雄作監督は、オーケストラ音楽のうねりのようなものを人生と重ね合わせたいと考えて、このような人物設定にしたそうです。「死」こそが人生のフィナーレで、そのときに大切な人といるべきだ、というメッセージを込めたといいます。
どれも考えさせられる作品たちで、まさにshort but deepなプログラムでした!