「東南アジアのショートフィルムの現状と展望」をテーマに、インドネシア、カンボジア、シンガポール、ラオスの映画製作者を招いてパネルディスカッションをおこないました。
東南アジアのショートフィルムの制作環境は、機材などの技術革新で急速に向上し、誰もが低予算で作品をつくれるようになったといいます。また、インターネットの普及で作品を発信できる環境も広がっているそうです。一方で、作品に大切なもうひとつの側面である“テーマ”や“ストーリー”といったソフト面のクオリティがまだ育っていないという課題があるとのこと。
シンポジウム中盤では、本日のパネラーの一人である、インドネシアのヨセプ・アンギ・ノエン監督「ホールインワンを言わない女」を上映。昨年のSSFF & ASIAでグランプリに輝き、審査員の北村龍平監督も大絶賛された作品です。実は、この作品の予算は、わずか1000ドルほど!低予算で高いレベルの作品をつくれるショートショートの可能性を見事に実現した作品だといえます。
後半は、カナダのサグネ国際短編映画祭とフランスのフェラン国際短編映画祭からもパネラーが参加。歴史のある映画祭を実施している両国の取り組みに、東南アジアのパネラー一同、熱心に耳を傾けていました。
「作り手の教育はもちろん、映画を観る観客の教育も、これからの文化発展のために大切だ」というヨセプ・アンギ・ノエン氏監督の言葉が印象的でした。
※こちらのセミナーの模様は、後日配信予定です。楽しみにお待ちください!
今回ご参加いただいたパネリストは、下記の6名です。
カンボジア:ボパナ視聴覚リソースセンター 副所長チェア・ソピアップ氏
インドネシア:映画監督/プロデューサー ヨセプ・アンギ・ノエン氏
ラオス:「DOKLAOセンター」代表/「Lao New Wave Cinema Production」共同設立者、プロデューサー アーティッドサイ・ボーンダーオファン氏
シンガポール:「Viddsee.com」共同創設者 デレック・タン氏
ケベック、カナダ:サグネ国際短編映画祭 ショートフィルム選考員 / ショートフィルムマーケットディレクター マリー・イレーン・リウ氏
フランス:クレルモンフェラン国際短編映画祭子供プログラム統括 ベルトラン・ルーシ氏